東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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徹夜明け、モツと鰻でリカバー出来たナ。

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3月10日の朝日新聞夕刊を拾い読みしていたら、精進料理人の棚橋俊夫さんがとても面白い事を語っていた。精進料理の魅力にとりつかれ、お寺で修行をした時のハナシでアル。料理のみならず、日常の生活の中から日々何かを精進して学ぶ。素晴らしいなぁ、この方。そして、僕も見習うべきこと多し。そんな訳で少し紹介しよう。

”お寺での修行は、見るもの触れるものすべてが新鮮であり、刺激的でした。掛け軸一つとっても、そこに書かれている高僧の墨跡の迫力、その言葉の意味の深さ、さらに軸装のデザイン、掛け軸の扱い方ときりがありません。庭に目をやると、気が遠くなるほど多くの石が組まれ、その中に一筋の滝が落ちています。〈中略〉まさに毎日が温故知新。日本人であることをエンジョイでき、ようやく日本人になれた気がしました。 このように、好奇心も手伝って、料理以外の日本の文化を数多く学びました。机の上や書物の中だけでなく、汗をかきながら、何かやりながら学ぶ勉学だったので、不思議とすんなり身についたものです。〈中略〉たった3年間でこれほど濃厚に学ぶことは、学校や料理屋では不可能でしょう。衣、食、住全般にわたって日本文化を学ぶ上で、お寺は素晴らしいところでした。料理を学ぶとは、同様に料理以外も学ぶことではないか。そして学びに卒業証書はありません。”
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ずっと天気が不安定だったが、土曜日はなんとか持ち直して晴れたネ。先週は木・金曜にかけて40時間以上の徹夜作業が続く日もあったりで、少々ヘタリ気味だったが朝の「宇ち多”」通いを外す訳にも行かず、土曜はしっかりと早起きをして都営浅草線にて立石へと向かう。この日は我らがFC東京の開幕戦だったのだが、午後2時から用事があったものだから、味スタは断念。

この日の宇ち多”は、いつも通りの時間に到着したのだが、表の入り口側は既に行列が出来ていた。僕らの入り口はまぁいつもの顔が集まっているのだが、それでも10時半頃には表側がいっぱいになったらしく、ウラに廻ってくる連中が増え続けた。
地元の常連イシさんはこの週は4度目の宇ち入りだそうだが、近所にこんな素晴らしい酒場が有るのだから、僕だって立石に住んでいたら毎晩通うだろうナ。えっ、それに近いぐらい通ってるだろうって?まぁ、そうかもしれないが。
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表はご覧の通り。

梅割り3つにホネを戴き、この日の焼き物は塩の若焼きで攻めてみた。いつもタレで食べてるカシラも素焼きお酢掛けで食べているレバーも全部塩で焼いてもらった。此処では、さらに「うんと若焼き!」って頼めば、殆ど生に近いのだ。土曜はレバ生が無いが、これにすればレバ生以上に旨いのでアル。
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さて、来週20日は春分の日で祭日だが、此処は昼から営業するそうだ。
前回みたいに入れないと困るから、早めに行かなくちゃナ。

徹夜仕事が続くと躯って奴は自然に反応するのか、無性にスタミナが欲しくなってくる。僕の場合、一番欲しいスタミナ源はウナギだから、立石を後にして迷わず南千住へと向かった。

久しぶりに「尾花」の暖簾をくぐる。
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此処はいつも長蛇の列が出来ているのだが、この日はタイミング良く、すぐに座る事が出来た。尾花は注文を受けてから鰻を捌くので、3、40分は普通に待つのだネ。好きな本を読みながら待つも良し、鯉こくあたりで一杯やって待つのもまた楽し。
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で、僕はうざくでビールをやりながら、待つ事に。と、そこへ「今、テレビで立石特集しているよ」ってひとみ姐さんからメイルが入る。
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こんな時、ワンセグって便利だねぇ、鰻を待ちながら、立石情報まで観られるのだから。

そして、お待ちかねのうな重の登場だ。此処は三千円、三千五百円、四千円と三種類なのだが、真ん中のだけは丸い器で出てくるのだ。
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鰻の好みってのは、皆違う。それ故、贔屓にする店も違ってくるのだ。蒸さない蒲焼きが好きな人、じっくり蒸したのが好きな人、千差万別。
僕は口の中でふんわりとした舌触りの柔らかい蒲焼きが好物でアル。

此処、尾花の蒲焼きは本当に柔らかい。これだけ蒸しているのに焼いた後崩れないのかナ、と不思議に思ってしまう程だ。

以前は、事務所から歩いて数分の所に「野田岩」が在ったので、プレゼンが決まった時などは、ふんぱつして野田岩の天然鰻を食べていたが、尾花を知ってからは、ずっとご無沙汰だナ。

尾花はその佇まいが良い。
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普段は行列が出来ているから人しか見えないが、入り口から暖簾までの小砂利の空間も素敵だ。
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脇のお稲荷さんにいつもお参りをしてから店に入る。上がり框を抜け、中に入ると広い畳敷きの広間に小さな机が並んでいる。
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オトナだったら膝がぶつかるくらいに小さな机だが、これもまた尾花に来たのだナと感じさせてくれるのだ。
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そして手土産も忘れずに、っと。

真っ昼間から酒を愉しみ、旨い鰻で精をつけた。これだから、また明日から頑張ろうって云うキモチに戻れるのだヨ。

ちなみに僕はハレの日の鰻は此処。そして普段使いの鰻屋は慈恵医大近くの「手の字」でアル。そして、酒の肴の鰻とくれば、中野「川次郎」あたりかな。

かばやきを食って隣へもぐりこみ

これは、江戸時代の川柳だが、尾花から程近い処に吉原大門が在る。
昔は僕も「末っ子」の餃子、「土手の伊勢屋」の天丼、そして此処のうな丼で精をつけ、遊びに出掛けたもんだが、そんなハナシも昔話になっちまったナ。
by cafegent | 2009-03-11 18:19 | 食べる