東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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圧巻のパフォーマンス、人馬一体の「ジンガロ」が閉幕した。

先日は、立石・浅草の帰り道、いつもの酒場に立ち寄った。
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雷門の「簑笠庵(さりゅうあん)」は、実に居心地の良い酒場である。

立派過ぎない門構えに夕方四時には渋い色の暖簾が下がる。段々と日が長くなって来ているので、夕暮れ前に酒が呑めるってのが僕には嬉しい限り。
ガラリと戸を開けると清潔感溢れる白木のカウンターに宮崎県知事似のご主人が満面の笑みで迎えてくれる。いや、笑みがなきゃ、怖くて口も聞けない程の強烈な個性を放っているのだが(苦笑)
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此処に来ると、毎回旬の魚や新しい酒の肴を用意してくれている。この日は、ホウボウが入っていた。ホウボウは、刺身でも塩焼きでも美味いし、煮付けは鍋に入れても旨い白身の魚だ。カサゴの仲間だが、その姿カタチがなんとも云えず好きだなぁ。以前、塩焼きで戴いたが、今回は煮付けにして出してくれた。
と、ここまで書いておきながら、この日食べたのは、八角の味噌焼きだったっけ。いや、失礼。ホウボウは、その前の時に煮付けで食べたんだったナ。
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香ばしい薫りが食欲を刺激してくれる。酒も一段とススムって寸法だ。ペロリと平らげてしまったナ。

鯛には、タイそっくりの小骨があり、「鯛の鯛」と呼ばれお守りに持っている人も多い。コレ、他の魚にもあるなんて知らなかった。この八角にもこんな可愛い魚のカタチをした骨が入ってた。
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でも、フグみたいだネ。

そして、お馴染み簑笠庵名物のアジフライである。
「ウチのアジフライ喰いたきゃ、前の日に電話してナっ!」っていつも云われるのだが、電話などして酒を呑みに行ったためしなど無く、残っていればラッキーと云う事で済ませてしまうのだ。
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で、この日は、1枚戴く事が出来た。
大根おろしに山葵をのせて。むふふ。嬉しいね、楽しいね。

「箕笠庵」の山本さんも強烈な個性と云ってしまったが、フランスからもう一人強烈な個性出しまくりってアーティストが来日している。馬使いの名手バルタバスだ。

木場の特設テントで催されていたフランスの騎馬集団「ジンガロ」の日本公演『バトゥータ』が終了した。主宰するバルタバスは団員と共に30頭もの馬を率いて、正に「人馬一体」の芸で我々を魅了してくれた。
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エントランスをくぐると、さすがはフランス。
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ウィエティングバーもフランス一色である。国産ビールなど一切無し。シャンパンにワイン、フランス産のビールだ。

舞台と云うのは、少し酒が入って観た方が良い。余り余計なことを考えず、自然に演者たちと一つになれるからネ。
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そんな訳で、ビールとチーズを戴いた。しかし、何から何まで凝っていると云うか、上品なのだネ。
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ご大層なパッケージを開くと、これまた上品にチーズが鎮座していた。参っちゃうナ。
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ウェイティングの奥にはエルメスの特設販売場が解説されおり、たぶん「ジンガロ限定品」なんて品があるのだろう。凄いヨ、皆が買い物しているのだから。

円形の会場には、天から地上まで水の柱が降りており、開演前のざわついた会場内でも、馬たちはその水柱の周りでジっと大人しくしていた。最初は人形かと思うほど微動だにしない。

前回、2005年の公演「ルンタ」では、チベットをイメージした舞台であり、演奏も僧侶たちの仏教音楽が色濃かったが、今回は僕の大好きなジプシー音楽との競演だ。会場の両側のステージにはルーマニアで活動する2つの楽団が弦楽団と管楽団の二手に分かれ、自然に体が動きだすような活気に満ちた旋律を奏でてくれる。先日拝見した『コルテオ』も同様だが、矢張り生の音楽は素晴らしい。臨場感溢れ、舞台と我々を一体化させてくれるのだ。
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今回のテーマは「遊牧民」だそうだ。一切の言葉が無く、音楽と人馬のパフォーマンスだけの舞台構成で、様々な人生を物語る。ジプシー(遊牧民)たちのバタ臭い生活風景や疾走する馬上の花嫁など、一気に駆け抜けていく。

パンフレットによれば、本作は「世界中の旅の果てに辿り着いたジンガロの原点回帰作」だと云う。

馬はとても繊細である。競馬を見ていたって、調教師の云う事を聞かないでその場から頑として動かない馬も居る。そんな馬たちがまるで人間と心が通じ合っているかのように打ち解け合い生き生きと演じているのだから、魅了されない筈がない。

バルタバスは、馬と以心伝心で心を読み取ることが出来るそうだ。長い年月をかけて馬たちとの共同生活をし、馬との信頼を築いて来たのだろう。長いもみあげとイカつい風貌は、可成り強烈な個性を発しており、気難し屋のコワイ人って印象を抱いていたが、ショーのラストにロバに乗って登場したバルタバスの滑稽な姿を観てガラリと印象が変わってしまった。

以前、テレビで観たドキュメントでは、住居代わりの移動バンの中で抹茶をたててインタビュアーをもてなしていたが、この人の本質はこの姿に現れている通りなのだろう。そうじゃなきゃ、馬とあれだけの関係を築けないものネ。

次回は、どんな舞台で僕らを興奮させてくれるか楽しみだなぁ。
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路地裏を歩いていたら、こぶしの花が咲いていた。僕はこぶしの花と桜の花の交差する時期が大好きなのだ。
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by cafegent | 2009-03-26 17:57 | ひとりごと