東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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週末の雑文日記 ~よく呑んだ篇~

NHKの朝のテレビ小説『つばさ』が意外と面白いのだ。当初、ヒロイン多部未華子の顔のつくりが濃すぎて、抵抗があったのだがドラマを観ていくうちに見慣れてきたせいか、馴染んできた。

川越の小江戸と呼ばれる風情ある街の老舗の和菓子家が舞台である。
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そして、子供たちと夫を捨てて放浪の旅に出たままの母、加乃子は、毎年祭りの時だけふらりと舞い戻ってくるのだ。高畑淳子演じる加乃子が飄々としていて、実に可笑しい。

このドラマ、ハテどっかで観たような気がするナ、と思っていたら、まるで映画『男はつらいよ』なのだ。加乃子はまるでフーテンの寅、主人公のつばさはさくらだ。それに隣近所の連中が絡み合う。そのうち、川越、小江戸が葛飾の帝釈天に見えてくるから面白いねぇ。

さらに、もう一つ昔の名ドラマのエッセンスも加わっているのだ。久世光彦演出の名作ホームドラマ『寺内貫太郎一家』を彷彿させてくれるのだ。突然舞い戻ってきた母親に戸惑い、ちゃぶ台を御見事!ってな具合に真っ逆さまにひっくり返す弟の姿は、まさに寺内貫太郎一家の西城秀樹を思い出させるのでアル。
そして、なんとこのドラマには、その西城秀樹が妙ちきりんな不動産屋として登場するのだ。
茶の間に突然、サンバカーニバルが現れたり、天井からミラーボールが現れたりと往年のハチャメチャなドラマが蘇るのだナ。また、この家に有る古ラジオがつばさの心の声として登場するのだが、これがドラマの語りを担当するイッセー尾形で、ハマり役だ。
       ◇      ◇      ◇
バテ気味の体にゲキを飛ばそうと、大門『味芳斎』の麻婆丼を食べてきた。此処で強烈な辛さを誇るのは「重慶牛肉飯」通称「牛丼」だが、麻婆丼も十分に辛い。持参した手ぬぐいが汗でグチョグチョになる程だからネ。
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豆腐が原型を留めておらず、ひき肉と共にぐちゃぐちゃ状態なのだ。胡椒、辣油に加え、花椒(ファージャオ)と八角、唐辛子の刺激が脳天直撃なのだ。でも、余りの辛さに途中で泪が出てくる時もあるもんネ。此処は日本で最初の薬膳中華の店として知られているが、牛丼なんかは
ホントに体に良いのかなぁって思う程辛すぎるのだ。
       ◇      ◇      ◇
ここのところ、終電過ぎまで打ち合わせや作業と云った日が続いていたので、週末は思いっ切り酒浸りとなった。
金曜の夜7時。立石『宇ち多”』の暖簾はまだ下がっていた。
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久しぶりに鏡下の席にてのんびりと梅割りを呑んだ。親子代々で此処に通う常連方に云わせれば「先ず鏡下十年だネ」なんて聞いていたっけ。そして、僕も当然鏡の下の席で小さくなって呑んでいたものだ。
最初のうちは、もつ焼きを頼むタイミングも判らず、廻りに圧倒されていたが、いつの間にか、奥の席で呑むようになっていた。
今度は表に廻って並んでみようかナ。風が心地よい季節、煮込みの鍋前の席はさぞかし居心地も良いことだろうネ。

立石を出て神保町へ。『兵六』の窓からは賑やかな声が聞こえていた。此処は土日が休みだから、金曜の夜は大変な混み具合だ。それでも、タイミングよく入れ替えが有って卓席へ座る事が出来た。
冷えたビールで梅割りの酔いを冷まし、薩摩無双をお湯で呑む。ふぅ、落ち着くのだナ。
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初代から受け継ぐ餃子を肴に酒がススンだ。

ひとみ姉さんと息子が恵比寿で呑んでいると云うので、移動した。
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『縄のれん』でネギとハイボールを戴き、しばしの憩い。
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混んで来たので、恵比寿ストアの中のワインバー『Whoopee』へ。ズンズンと奥へ進めば、知った顔ばかりが集まって呑んでいた。赤ワインもクイクイと進み、ボトルが空になる。楽しい酒はスグなくなるなぁ。

時計を見れば、まだ11時過ぎだ。ちょいと小腹も空いたので、電車に乗り込み武蔵小山へ。
ムサコの深夜食堂では、ママが忙しそうにフライパンを揺すってた。芋焼酎を呑みながら、一日を振り返る。立石、神保町、恵比寿、武蔵小山か。この「東京縦断呑み」をすると妙に力が湧いてくるのだヨナ。

ママのお手製サンドウィッチを喰って、土曜の朝に備えよう。
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むふふ、バカウマな味なのだ。
       ◇      ◇      ◇
土曜日は朝から『宇ち多”』へ。土曜日仕事が続いていたので、今月最初のホネにありつけるって訳だ。
いつもと同じ時間に着いたのだが、表も裏ももう殆ど一杯の行列が出来ていた。雑誌「Danchyu」に紹介されたって事もあってか、混むのは良いことだ。ただ、並ぶの早過ぎってのはちょいと困りモンだネ。
少し前なら、10時半に行っても、早過ぎって云われていたのに、今じゃ半に行っても入れないのだからネ。この日も5人組が9時40分から並んだと云っていた。いやはや参ったネ。
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ゴールデンウィークは、この通りだそう。

12時前に店を出て、立石仲店にて大判焼きをひとつ。
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甘い粒餡が疲れを癒してくれるのだナ。あぁ、幸せ。
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お焼き片手にしばし路地裏を散歩。『えびす屋食堂』でちょいと一杯引っ掛けて、立石を出た。

夜は田原町の『簑笠庵』にて旨い魚で呑んだ。先ずは出来立ての卯の花でビールを戴いた。そして、ホウボウの煮付けだ。
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どうです、見事でしょ。箸休めには、「花わさびのお浸し」だ。
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程よく、鼻にツンと効いて芋焼酎に合うのだナ。

美味しい煮付けで食欲が倍増してしまったらしく、ガッツリと腹に溜まるモンが喰いたくなった。田原町から地下鉄を乗り継いで、いつもの深夜食堂へ。
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この日の気分は、「オムライス」だったのだ。ぐふふ。
       ◇      ◇      ◇
日曜日、五反田を歩くと川沿いの桜が見事に咲いていた。
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目黒川沿いの桜はすっかり葉桜になっているが、種類が違うと咲く時期もこんなに違うのだネ。こちらの川沿いの桜は「普賢象(ふげんぞう)」と云う。
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薄い淡紅色から満開になるにつれて白い花になるとても美しい桜だ。一つの蕾みがギュッと詰まっているのも特徴だね。空を見上げれば桜が満開で地上ではツツジが咲いている。うん、なんとも贅沢な散歩だ。

此処のすぐ脇に『海喜館』と云う、旅館が在る。
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その佇まいは、昭和初期そのものであり、谷崎や乱歩の小説の舞台にでもなりそうな雰囲気だ。しかし、実は普通のビジネス向け旅館なのだけれどネ。
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それにしても、『海喜館』の外塀を突き破る桜の樹木は凄いね。
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午後はいつもの野方へ。高田馬場から電車に乗ると向かいの席に『宇ち多”』仲間が居た。Tシャツ一枚で十分な程暖かな陽気の中、僕らはちょいと早く着いたので、近くで珈琲を飲み、『秋元屋』へと向かう。外で並ぶ時間もポカポカ陽気で気持ち良い。
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開業してまだそんなに永くは経っていないが、『秋元屋』は都内屈指のもつ焼きの名店だと思う。此処の味噌タレ焼きを知ったら、病みついてしまう程だ。
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そんな人気が勢いを増したのか、祐天寺『ばん』同様に隣の空き店舗も手に入れ倍の大きさに拡張されるそうだ。本格的な稼働は来週あたりからだそうだが、外のテーブルは既に増えており、行列を作る人の数も倍増していた。凄いねぇ。
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あぁ、焼酎ハイボールの杯がかさむ。日が長くなったネ。店を出ても、まだ外は明るいのだ。明るいうちから酔っぱらうってのが、幸せな休日の過ごし方だ。ふぅ、良く呑んだ週末だったナ。
by cafegent | 2009-04-20 12:23 | 飲み歩き