東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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一年ぶりの札幌でハシゴ酒。ああ愉し。

一年近くかかった仕事が漸く終わり、気分転換をしようと札幌へと出掛けた。

と云っても何処かホテルへ泊まる訳でもなく、両親の住む実家へ帰るのだ。六月の中旬あたりに行けば、美瑛や富良野の丘一面に広がるラベンダー畑が美しく、素敵な薫りを一杯に届けてくれたことだろう。だが、今回の目的はなんつったって酒場なのだ。
地方へ遠出する事もなく、ただひたすら馴染みの酒場へと向かいハシゴ酒を楽しんだのだった。

朝早めに家を出て、九時台の飛行機で出発だ。JALの「クラスJ」にしてみたが、座席がゆったりとしており、1時間ちょっとの空旅だが実に快適だったナ。これでプラス千円上乗せなら絶対コレだね。
「クラスJ」で大満足なのだから、昨年からスタートした「JALファーストクラス」ってのはさぞかし凄いんだろうネ。でも、8千円もプラスするんだったら、その分ススキノで呑んだ方が良いのかナ、ハテ。

千歳空港に降り立つと、東京と変わらない程の温かい気候だった。ジャケットを羽織るどころか、汗をかくほどの陽気だった。

ここ数年千歳から札幌市内までは列車で帰っていたが、久しぶりにバスに乗ってみた。外はすっかり雪が解けて春らしい景色が広がっていたが、藻岩山の上はまだ雪が残っていた。札幌じゃないが、北海道は先週も雪が降ったって云うからネ。
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ススキノでバスを降り、家に向かう前にラーメンを食べることにした。
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元祖ラーメン横丁では、『天鳳』、『華龍』と云った老舗に混じり、新しい店も増えていた。でも、何処が店仕舞いしたのか、さっぱり判らなくなってしまった。
何処に入ろうか悩んだ挙げ句、結局横丁では入らず、狸小路へと向かったのだ。矢張り自分がホッと出来る店に入るのが一番だ。
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そんな訳で狸小路七丁目に在る『一徹』の暖簾をくぐった。
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此処は僕が学生の頃、兎に角通ったラーメン屋『富公』の味を受け継ぐ店だからネ。無骨で愛想のない親爺の菅原さんが作るラーメンは本当に美味かったのだが、もう随分と前に病気で亡くなってしまった。それから暫くして、同じ場所に店を構えたのが『一徹』だ。

此処のご主人も『富公』の味に惹かれ、ラーメン屋を始めたが、在りし日のの『富公』に引けをとらない程美味いラーメンを出してくれる。
だから、僕は『富公』の味を懐かしんで足を運ぶのではなく、『一徹』のラーメンが喰いたくなるから帰省する度に寄ってしまうのだナ。
そして、僕は此処のラーメンどんぶりの小ささが何とも云えず大好きなのだ。

ラーメンで腹を満たした後は、散歩がてら家まで歩いて帰った。
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途中、こんな酒場も沢山あるのだヨ。

日が暮れるまで、久しぶりに両親と話が弾んだナ。80を過ぎても元気なお袋で、なによりだ。親爺も相変わらず毎日趣味に明け暮れているご様子だ。映画に時代小説、マリア・カラスにサクラソウ。まだまだ沢山の趣味を持つ。

そろそろ咲き始めてきたサクラソウの鉢も数百になっている。
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月末にはこれらを一斉にひな壇に飾り隣近所の方々を招いて大お披露目会を催すのだ。もうバカが付く程呆れるのだが、その性格をそっくり受け継いでしまったのが、このボクなのだから仕方ない。
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この先、大量のサクラソウの手入れを引き継がなくちゃならんのだろうか。トホホ。
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庭にはクロユリや一輪草が咲いていた。

さぁ、日が暮れた頃合いをみて、夜の街へと繰り出すのだ。
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先ず1軒目はと向かったのは繁華街から創成川通りを渡り、南2条東1丁目に在る大衆酒場『第三モッキリセンター』だ。此処は兎に角安く、親爺たちしか居ない名酒場でアル。
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だが、着いたら看板の灯りが消えていた。なんと、土曜日は早く閉まるんだったのか、残念。いつもながら愛想のないお姐さんの「今日はもう終わり!」の声に負け、別の店へと向かったのだ。

3条通りまで戻り、屋上大観覧車が在る「ノルベサ」ビルの斜向いに昔から在る正統派居酒屋『たかさごや』の暖簾をくぐる。
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此処は僕が生まれた年に創業した古い酒場だ。コの字のカウンターも年季が入ってる。
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先ずは生ビールで喉を潤し、名物の卵焼きを戴いた。
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この店の生ビールは本当に美味しい。冷え加減が良いのかグビっといっちゃうのだナ。
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刺盛りと煮込みを追加し、酒をぬる燗にした。うーん、変わらぬ味ってのは良いねぇ。此処はいつも北海道の旬の味覚を味わえるから嬉しい。

札幌ハシゴ酒を満喫する為、早々に次へと移動する。『たかさごや』から歩いて数分の処に在る『串かつ千里』へとお邪魔した。
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カウンターに座ると三代目がまな板の上で何やら捌いていた。
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聞けば、ホッキ貝だった。それにしても見事な大きさだった。北寄貝は刺身でもバター焼きでも美味いが、これをフライにしてくれると云うので戴いた。
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いやぁ、驚きの味わいだ。むふふ。こんなに美味い北寄貝を食べる事が出来たなんて、実にラッキーだった。

此処は家族仲睦まじく営んでいるのだが、二代目もまだ現役で仕事をしていたし、お母さんも細かく気を使ってくれるので、なんとも豊かな気分で酒を愉しむことが出来る名店だ。今から40年以上前、僕の家は此処のスグ近所に在った。毎晩、親爺と通った銭湯の並びに『串かつ千里』は既に在ったナ。って事は、一体、何年営業しているのだろうか。
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そして、これが名物の串かつだ。大阪の串かつと違いいわゆるトンカツ屋のソレに近い。2串で340円と値段も嬉しいし、酒も千歳鶴が一杯250円なのだ。熱々の揚げたてを頬張りながら、酒を引っ掛けてサーッと帰る兄ちゃんも居た。イイネ、これこそ大衆酒場の魅力って事だネ。

時計の針が十時を廻ったところで、お次は『うさぎや』だ。ススキノ方面へ出て、今朝バスを降りた停留所の前のプレイタウン藤井ビルの9階に在る。早い時間は何時も予約で一杯で入れない事が多いので、あえて閉店間際のこの時間に寄ってみた。うまい具合にカウンターが空いていたので、店主の前に座る事が出来た。

此処『うさぎや』はオープンして早や23年が経つと云う。
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店主の中沢登志子さんとはもう古い付き合いになるナ。僕が学生時代、札幌の大学に進んだ仲間たちが毎日たむろしていた喫茶『キッチュ』を営んでいたのが、登志子さんだった。そんな訳で僕も夏休みなど帰省した時には通っていた。今では美味い料理と手頃なワインが豊富に揃えてあるって事で全国からお客さんが集まっているのだ。

その評判は東京でも有名だ。札幌に出張に行く度に通っている方も居る程でアル。
昔話に花が咲き、実に愉しい時間を過ごしたナ。
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ホタルイカと山ウドの酢みそ和えをアテに冷酒がススんだ。此処は兎に角丁寧な仕事をしている。
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見た目にも舌にも実に上品で繊細だ。こんな一軒を知っているだけで、モテ具合が違うだろうネ。ぐふふ。
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とっくに閉店時間を過ぎていたが、酒をおかわりしてしまった。スタッフの皆さん、ごめんなさいね。

てな訳で、最後の〆はソウルバーへと繰り出した。
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南5条西2丁目、美松村岡ビルの7階に在る『Jim Crow』も全国の名だたるソウルバーの中でも有名だ。特に東京のソウル専門レコード店では、此処の店主は知らぬ者が居ない程でアル。それ位レコードを買い漁っているってコトなんだがネ。
その店主、安芸君は僕の高校時代からの旧友である。高校の頃はお互いにソウルの話なんてした事は無かったが、僕が下北沢に『アルゴンキンズバー』を開いたのが1989年で、アキが『Jim Crow』を開いたのがその1年前だっただろうか。2月に21周年のハガキが届いたが、もうすっかり札幌ソウルバーの老舗になったネ。

アキも今月50歳になると云う。そうだよナ、同い年だもんなぁ。
心地良い音楽をアテにギネスビールをおかわりした。久しぶりの札幌の夜はエンドレスだった。
        ◇       ◇       ◇
日が変わり、こんどはチョイと早い時間に行ってやろう、と午後2時過ぎ『第三モッキリセンター』へとお邪魔した。

ガラリと戸を開けると白いコの字型のカウンターには既に何人もの酔客が居る。見事に皆ジジィたちである。隣に座ってた方に、「珍しいね、こんな若い人が来るなんて」と云われたが、どう見ても僕が一番若い客だったナ。その人だって、多分80歳くらいだったもんなぁ。
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〆サバをアテに生ビールをゴクリ。午前中は肌寒かったが午後から日射しが強くなったせいか、汗ばんだ。ビールで生き返ったナ。
此の店は曳舟や四つ木など京成沿線の酒場と同じ空気が漂っていて、実に馴染むのだ。そして兎に角安い。
今時、ビールの大瓶が450円、濁り酒の「白馬」も「白鹿」も200円でアル。焼酎は180円と『宇ち多”』価格なのだヨ。
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そして、お品書きがイイ。何とも微笑ましいのが、いちいち銘柄が記されていることだ。餃子も「紀文の焼き餃子」、ソーセージも「シャウエッセン・ウインナー」ってな具合でアル。あと、「ハム・エッグス」ってスが付いているのもイイ。

随分前に、「モッキリ」って何だろうって思って聞いてみた。酒をグラスに盛り切りで注ぐところから、モリキリがモッキリになったそうだ。すり切り一杯の酒の事だったんだヨ。札幌で昭和な気分で酒を呑みたい時は、ココしかないネ。

今まで地元以外では誰にも教えてなかった札幌名酒場だったのだが、いつも愛読しているブログ『宇ち中』さんが何年か前に札幌出張の時に此処を訪れた事を丁寧に紹介していたので、もう全国区で知れ渡っている事だろうと思い、今回は僕も書いてしまった。
そうそう、『宇ち中』さんが書いていたが、此処の暖簾もえんじ色で立石『宇ち多”』の暖簾を彷彿させるのでアル。
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「正統七十年」の文字も凄いが、その下にある二つの相合い傘が泣かせるぜ。あぁ、今回も良く呑んだナ。
「Jim Crow」のサイト

「うさぎや」紹介のサイト
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by cafegent | 2009-05-21 20:02 | 飲み歩き