東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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おわら風の盆が終わり、東京の下町も夏最後の盛り上がり。


    かなかなは哀しき蝉かかなかなと   

関口銀杏子(ぎんなんし)の句だが、夏の終わりを告げるようで、僕の好きな一句だ。
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古書店「山王書房」の店主であり、俳人でもあった関口さんの句を読み返し、訪れし秋を待つ。

今月の1日から3日まで、富山市の旧八尾(やつお)町で「おわら風の盆」が開催された。
暴風や災害から無事を祈り、豊作を祈願する夏の終わりのお祭りだ。

編み笠を顔を隠すようにしてかぶり、町を練り歩く。三味線の鳴り響く中、その踊りは明け方まで続くのだ。酒朋のフルさんが綴った日記で僕はこの祭りを知った。
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これは、朝日新聞の記事から。
今年はテレビのニュースで拝見しただけだったが、三日三晩、昼夜を通して踊る光景は夕暮れの風景に溶け込んで何とも幻想的であり、まるで「日本昔ばなし」の世界だったナ。胡弓と三味線の哀愁漂う音色に乗って「越中おわら節」が聞こえて来る。

よし、来年は富山まで観に行こうかナ。

先日、創業明治18年の老舗天ぷら屋の『てん茂』へお邪魔した。
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銀座線を三越前で降り、大通りから裏の路地へ抜ける。行灯の明かりに気付く前に初秋の風に乗って胡麻油の良い香りが届き、自然に僕を早足にさせるのだ。

がらり戸を開けるとカウンターでは、既に五名の先客で賑わっていた。

此処は震災や戦後の大火などで三度建て替えたそうだが、それでも昭和22年に建てられた日本家屋は情緒溢れまるでタイムスリップでもしたかと思わんばかり。

座敷とカウンター席を挟んだ土間の囲炉裏も奥ゆかしい雰囲気を漂わせているのだナ。

寡黙に淡々と天ぷらを揚げる四代目と天ぷらの説明を丁寧にしてくれる三代目は、共に真っ白なシャツにキチッと蝶ネクタイを結び、コックコートを纏う。その立ち姿が凛として実に絵になる。

こんな素敵な佇まいの中で、旬の季節素材を戴く幸せ。あぁ、たまらない贅沢だ。
音楽の代わりに天ぷらの揚がる音が心地良い。先ずは冷えた大瓶から。薄張りのグラスで戴くビールのウマい事。ふぅ、たまらんぜ。
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最初のビールをゴクリと呑んだところで、才巻海老の天ぷらから。
一尾は塩で頂き、お次ぎは大根おろしと天つゆで食す。

房州産の鮑は大きく肉厚だが、とても柔らかい。
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一緒に添えられた鮑の肝は塩で戴くと、酒に良く合うのだ。

夏の今が旬だと云う鹿児島は日吉町の緑竹(りょくちく)の天ぷら。
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エグミがなくほんのり酸味のある夏の筍は絶品だ。

他にもゴーヤ、地鮎、パセリ、めごち、おくら、湯葉、椎茸、小玉葱、穴子、ししとうと季節の食材が次々と揚げられた。
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椎茸やししとうには海老のすり身が入っていて、酒にマッチしたナ。
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めごちはホッコリとしてウマい。
小玉葱はその香りが何とも云えず良い匂いで、暫くその余韻で酒がススンだ程だった。

最後のかき揚げと一緒に出て来たご飯のナント美味しい事。つい、おかわりをしてしまった。
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此処のかき揚げは卵黄をたっぷりと使うのでお菓子の様な味わいなのだが、たっぷりと天つゆに浸し、ご飯に乗せると最高の味わいとなる。
豆腐の赤出しが見事に僕の腹を締めくくってくれた。

玄関の上には「天ぷら番付」なる額が飾られていた。
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眺めていたら、三代目が出て来て、この説明をしてくれた。

東京の天ぷら屋さんたちの寄り合いに「東天会」と云うのが有る。
先代が副会長を努めていた1955年に遊び心で作ったのが此の番付表だそうだ。昨年の夏に押し入れを整理していて偶然見つけたものだそうで、三代目もそれまでこんなモノが有るなんて知らなかったらしい。他の天ぷら屋に聞いても誰も持っておらず、今では大変貴重な当時の資料だ。
一番上のキリンビールの横にニッポンビールと記されてあるのが昔を語っているネ。

東京の天ぷら屋さんは、皆ライバルだと思っていたが、東天会の方々は皆仲が良いらしい。築地の波除神社には「海老塚」が建っており、天ぷらで世話になっている海老を奉っている。これも東天会で奉納した塚だそうだ。
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これは前に酉の市で波除神社に伺った時に写した海老塚だ。
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此処には玉子屋さんたちが奉った玉子塚なんてのもある。

食事の時間も素晴らしかったが、食後に三代目から伺った天ぷらにまつわる様々なエピソードがとても面白かった。何だか食後の時間の方が長くなってしまったみたいで恐縮してしまった。

美味い料理の後は美味い酒を求め、神保町へ。
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『兵六』は座るところも無い程賑わっており、いつもの面々が集っていたナ。
        ◇       ◇       ◇
さて、5日土曜日は京成立石にて『立石フェスタ2009』が催された。
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京成立石駅周辺の5つの商店会が集まって主催する文化イベントで、年々規模が拡大しタカラトミー本社ビルが在るさくら通りから踏切を渡りアーケード通りまで様々な催しが目白押しで続いたのだ。

僕はいつもの通り、立石仲見世のもつ焼き『宇ち多”』の口開けを待ち、土曜日ならではのじっくりと煮込まれたホネを堪能した。
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イシさん、大島さん、岩崎さん等々裏口奥テーブルのお馴染みの面々が集い愉しい午前酒となった。
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昼前に店を出て、皆で二軒目『ゆう』の暖簾をくぐる。
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此処はママが元々『宇ち多”』の常連と云う事もあり、こんなに早い時間でも店を開けてくれるのだヨ。
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これで、『栄寿司』が開く前でも不自由しないのだね。むふふ。
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ママ、いつもありがとうネ。

午後は、『宇ち多”』が特別協賛をした「ブラックベルベッツ」のライブを聴いた。元東京スカパラダイスオーケストラのギラリスト、テラシィイさん率いる魅惑のムード音楽は耳に良し、目に愉しいライブなのだ。
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キーボードのヲノサトルさんは、『明和電気』の音楽監督だったし、パーカッションの山口ともさんはテレビでもお馴染みの一度観たら絶対に忘れない濃いキャラだ。そして、サキソフォーンを奏でる巨漢、田中邦和さんはスカパラの沖祐市氏と共に「Senbello」なるバンドを組み、アルバムを発表している方だ。皆、それぞれに別々の音楽活動をしているが、この個性溢れる四人が集まれば「ブラックベルベッツ」となって、ゴキゲンな音楽を聴かせてくれたのサ。
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アーケード通りに沢山の人を集めたブラックベルベッツだが、予想通り山口ともサンのパフォーマンスに皆大盛り上がりとなり、愉しいライブとなった。

ライブの後はお待ちかねサンバの行進だ。
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今年の浅草サンバカーニバルで優勝したチームが踊り歩くので、通りは大変な賑わいになった。
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見事なダンスの後ろから地元立石の方々もサンバに酔いしれていたが、『宇ち多”』のマドンナあいちゃんもしっかりと踊っていたナ。
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随分とゴキゲンなご様子で。

サンバを観終わり、ホッと一息つけようと立石仲見世に戻ると閉店後の『宇ち多”』に招いてもらったのだ。先ほどホットな演奏を繰り広げたブラックベルベッツの打ち上げとなり、ヲノサトルさんやテラシィイさんたちと愉しく酒を酌み交わす事となった。実に楽しい宴だ。
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それにしても、『宇ち多”』で刺身やおでんをアテに白ワインを呑むなんて、皆さん滅多にない宴に酔いしれたネ。
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『宇ち多”』の後は踏切を渡り、居酒屋『とっちゃんぼうや』へ。
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最近、此処のグラタンがマイブームなのでアル。
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あぁ、たまらんな。むふふ。
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by cafegent | 2009-09-07 15:39 | 食べる