東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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奥会津の秘湯まで、紅葉見物と酒浸り

もう今年も残り少なくなった。季節も晩秋だ。
二十四節気では「霜降」、七十二候では、「楓蔦黄」(もみじ、つた、きばむ)だ。紅葉やツタが黄色く染まる時季が来たという事だネ。
週末からは「山茶始開」、さざんか、椿の花が咲き始める時季となる。東京も紅葉が近づいて、散歩に良い季節になってきた。

そんな中、一足早く紅葉を観に福島まで旅に出た。我ら酒呑童子御用達酒場である雷門『簑笠庵(さりゅうあん)』のご常連、ハッシーこと橋本さんが年に二回は行くと云う秘湯中の秘湯が在ると云う話を聞いていた。そして、酔っぱらいの盛り上がりがトントン拍子に話がまとまり、『簑笠庵』の二人と橋本さん、そして千葉の消防隊員京子さんと大酒呑み御一行での小旅行となった。

朝9時浅草駅に集合し、東武線日光スペーシアで鬼怒川まで向かった。前日は、ラグビーで盛り上がり、散歩の会の打ち上げで深酒をしていたので、正直言って朝起きるのがツラかった。
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それでも、電車の中で向かい酒を戴けば、見事に躯が復活するのだから我ながら恐れ入る。
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鬼怒川駅からはプリウスのレンタカーを借りて一路、只見線が走る沼沢湖の近く、奥会津の秘湯「玉梨温泉」を目指した。
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ドライヴァーのハッシーさんだけが酒を呑めず、実に恐縮したが、結局お構い無しに呑んだナ。
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この辺りは、山々が見事に赤く染まっていた。
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昔の人たちが懸命に歩いた日光街道も見事な紅葉だ。

10月16日に国道400号積入山に開通したばかりの「舟鼻峠新トンネル」を通れば30分以上は短縮されると聞いていたのだが、ノホホンとしたハッシーはトンネルの事などすっかり忘れ、険しく細い山道をクネクネと突っ走ったのだ。
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途中、一台もクルマとすれ違わずキノコ狩りをしている家族がおにぎりを食べている姿しか目にしなかったので、我々も実はちょっと不安だったのだ。舟鼻峠の紅葉は既に終わっていた。山の上は一足早く冬景色になっていたナ。

漸く峠を越え、山を下るといきなり沢山のクルマが合流したのだ。皆、おかしいなぁと首を傾げたが、一人ハンドルを握るハッシーはまるで気にしていない様子だった。後で宿のご主人に伺ったら、事前にハッシーにはトンネルが開通した事を教えていたのだった。家族ぐるみの付き合いをしているハッシーに向かって、ご主人は「まったく駄目だねハッシーは!旧道を通るなんて信じられないヨ、馬鹿げてるね」とまで言い放った。アハハ、でアル。まぁ、そこがハッシーの良い所なのだから。
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そう云えば、今回はハッシーの天然の面白さが大ブレイクした旅だったナ。鬼怒川駅でレンタカーに乗り込み、いきなりカーナビに泊まる宿の住所を入れたのだ。時計を見れば、まだ午前11時。こりゃいくらなんでも早過ぎるでしょ。途中、紅葉見物とか観光しないのかしら、と思ったがハッシーまるで気にせずで只々旅館を目指しているご様子だった。で、一応念のため確認してみたら、やはり何も考えておらず、予定無しだった。まぁ、そんな旅も愉しいかもネ。
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国道400号をひた走り、昭和村に到着。『からむし織りの里』で一休みした。
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伝統織物のからむし織りの工芸品を観て、併設の郷土料理店『芋麻庵(ちょまあん)』で蕎麦を喰った。此処でもまたハッシーを尻目に我々はビールを戴いた。ワリィねぇ。

ハッシーが聞いた地元の事前情報では「此処は蕎麦は美味いがグズい店だからネ」との事だった。ハテ、グズいってなんだろう、と皆で考えたのだが、蕎麦が出て来てやっとグズいの意味が判ったのだ。「グズでのろま」のグズだった。そう、兎に角出てくるのが遅いのだ。僕らはビールを呑んでたから、余り気にならなかったが、他のテーブルでは待ちきれなくて出て行ってしまう客も居た。

うるち米で出来た「ばんでい餅」も食べた。
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盤台の上でこねて作るから盤台餅と呼ぶそうだ。独特の胡麻味噌餡が塗られて、結構腹持ちのする餅だったナ。
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簑笠庵の女主人京子さんと千葉の京子さんのダブル京子さんは二人とも大食漢でアル。蕎麦の大盛りをペロリと平らげていた。お見事!
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真っ赤に染まる紅葉の中を走り抜け、鬼怒川から三時間弱くらいで玉梨八町温泉『恵比寿屋』に到着した。
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この宿は「日本秘湯を守る会」会員で玉梨温泉の源泉が直接引かれており、なんと天然の炭酸温泉でアル。

荷物を置いて、先ずは旅館の眼下に見える野尻川に出来た足湯へ。
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恵比寿屋の隣りには地元民が愛用する『八町温泉共同浴場』が在る。
此処は玉梨温泉の源泉と八町温泉の源泉と二つのお湯の混泉だ。その脇の階段を下りると野尻川へと出られる。
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足湯でのんびりと疲れを癒した。「頭寒足熱」は本当に躯に良いらしいネ。冷え性気味の僕はしっかりと足を温めた。

で、ハッシーお気に入りの共同浴場でひとっ風呂浴びることにした。
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此処は混浴なので、男三人で入ることにして、ダブル京子さんたちは旅館のお風呂へ。

『八町温泉共同浴場 亀の湯』は、実に風情ある風呂場だ。なお且つ、いたってシンプルな作りなのだ。戸を開くと目の前にはすぐ湯船、その両脇に男性脱衣所と女性脱衣所が有るのだが、カーテンで仕切られているのみなのだ。
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この湯は湧き出た天然温泉がそのまま掛け流しになっており、温度もそのままでアル。それ故、結構熱めだ。

最初はグっと我慢しなくちゃならないが、徐々に肌が慣れてくると実に心地良くなるから不思議だ。脇のコップで源泉を飲めば、胃腸にとても良いそうだ。悪酔いもしないし、翌朝も快便と聞いたので、僕も飲んでみた。硫黄臭さは余りないが、薄塩のようなしっかりとした味がした。

『恵比寿屋』は作家の椎名誠さんもよくいらっしゃるとの事で、ハッシーも何度かお見かけしたそうだ。
此処まで来る間には他にも沢山の温泉郷が在る。鬼怒川温泉、那須塩原温泉、等々温泉は数有れど、此処は本当にわざわざ時間を掛けてでも来る価値のある処だナ。

ゆっくり、たっぷりと風呂に浸かり、美味い料理に舌鼓み。後は愉しく酔っぱらって寝るだけだ。
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風呂上がりは、夕食までの間ビールを呑みつつ過ごした。翌日の予定を確認しようと思ったが、どうせ何も考えちゃいないのだから明日も行き当たりばったりで良いか。

温泉宿のもうひとつの楽しみである食事の時間がやってきた。
此処の料理は女将がひとつ一つ丁寧に作ってくれている。地元の食材をふんだんに使い、これでもかと云う程に沢山の品々が出てくるのだ。
自慢はこの土地で昔から食されているシシ茸や赤かぼちゃ、かしら芋、黒こんにゃく等々、体に優しい食材をふんだんに用いた料理である。
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さぁて、乾杯!
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酒は福島の地酒、栄川(えいせん)を燗で戴いた。甘口の酒は燗酒にすると実に旨い。
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先ずは、食用菊の「もってのほか」にシシ茸の甘煮、かしら芋等の前菜から。
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この自家製黒こんにゃくと生湯葉は美味しかったナ。
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揚げ蕎麦の野菜あんかけは、初めて食べたが絶品だった。
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ゴキゲンな京子姐さんが皆に酒を注いでくれた。
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「俺にも注いでくれヨ〜」ってな顔しているのは簑笠庵の山本さん。
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温物は、地元のきのこがたっぷり入ったきのこ煮だ。顔がゆるむ。
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こちらの美しい蓋の中は、奥会津の雪山をイメージしたじゃが芋の一品だ。目にも美しい創作料理だネ。
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金山町特産の赤かぼちゃと帆立貝の焚き合わせも旨い。
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近くの沼沢湖で穫れる姫マスのチーズ風味焼きは、ビストロで味わうような素晴らしい料理だったナ。
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会津坂下産の馬刺も絶品。にんにく味噌で戴いた。
これに、季節の天ぷらと茶碗蒸しを戴いて、〆は大根の葉を混ぜたご飯でアル。これに会津の郷土料理の「こづゆ」を戴いた。
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里芋、人参、椎茸、糸こんにゃくなど具だくさんの山の幸を貝柱の出汁で薄味に煮込んだ汁だ。僕の会津出身の友人は、「こづゆ」を作れなきゃ会津人には嫁げないと言っていた程、地元に愛されている一品だ。
あぁ、大いに食べ、大いに呑んだ。
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食後もまだ呑み足らない我々は、一段落した旅館の若旦那ゆずるさんや地元の友人たちを囲んで呑み直しとなった。
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おでこに湯呑みが2つもひっつくと言う一芸を披露してくれたのは、地元の信吾クン。彼はこの旅館で働いている訳じゃないのだが、いつもお客さんを駅まで迎えにいってくれたり、手伝ってくれているそうだ。
少しでも多くの方が、この温泉に来て良かったと思ってくれればイイ、とボランティアをしてくれているのでアル。その気持ち、大いに感謝しなければネ。
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でも、この芸はオバカだよネ。
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そして、全員が真似しておでこ湯呑みにチャレンジをしていたヨ。

こうして、愉しい宴は深夜1時半過ぎまで続いたのであった。
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Commented by moo at 2009-11-09 08:24 x
おおっ!あのハッシーオススメのお宿ツアーですね!
皆さん、いい顔していますね~!
お天気も良かったみたいで・・・日頃の行い?
by cafegent | 2009-11-06 16:50 | 食べる | Trackback | Comments(1)