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by cafegent
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「坂の上の雲」に見た気骨さに、我が人生を考える。

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人生、半世紀近く生きて来た。
我ながら良く暮らしていけてるものだと不思議に思う事が多々有る。
バブル崩壊後のどん底期に会社を興し、それから20年が過ぎている。
世間から消えていってしまった奴もいれば、会社をたたみサラリーマンに戻った者も居る。

「微欲」こそ、細く長く生き残る術かナ。

随分前に台湾の占い師に観てもらった事が有ったが、「アナタは大器晩成型ですヨ」と云われたのだ。その時既に四十歳を越えていたのだが、「晩成」とはまだまだ遠い先らしい。ハテ、いつのことやら。

僕の座右の銘は「No Pain No Gain」、「痛み無くして得るもの無し」と云う訳だ。
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こうやって、もうあと半世紀生きてみるか。

何故そんな事を思ったか、と云えば、先日始まったNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」の第一部二話分を録画しており、昨晩一気に観たからだ。
司馬遼太郎本人もドラマ化は難しいと思っていたり、脚本家の野沢尚さんが五年前に自殺してしまったりと、一時は制作が危うかったが、なんとか無事に乗り切ったのだネ。
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語りべに渡辺謙を配したり、伊東四朗、西田敏行といった渋い役者が脇を固め、観る者を一気に引き込んでしまう力を持ったドラマだ。

少年時代の秋山好古が全速力で弟真之が生まれようとしている自宅に掛け戻るシーンから、このドラマのスケールが伝わり、あぁ最後まで見続けたいナ、と思った。
小説を読んでいる者にとっては、可成り説明のナレーションが多過ぎるかなと思ってしまうが、耳あたりの良い渡辺謙の声に免じて良しとしようか。まぁ、原作を読んでない方には、これくらい丁寧に時代背景などを語ってくれた方が嬉しいのだろうネ。
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そして、秋元真之を演じる本木雅弘、兄好古を演じる阿部寛、それに正岡子規を演じる香川照之の三人がずば抜けて良かった。

このドラマを観て、久しぶりに「気骨」と云う言葉を思い出したナ。
我が人生に於いて、いつの日か「気骨のある男」と呼ばれる時が来るのだろうか。

フジテレビのディレクターでカーマニアの河毛俊作と云う方がいる。
テレビドラマ「救命病等24時」や「ナニワ金融道」シリーズを手掛けている人だが、その河毛氏の父上は元王子製紙の会長・故河毛二郎氏だ。

河毛二郎氏は、東大生の左翼系読書会で警察に捕まり留置所に入れられた事がある。エリートな人生にケチをつけた為、銀行に進めず、製紙会社に拾われ異国サハリン(樺太)の工場に赴任した。昭和16年12月8日の「開戦の日」も樺太で戦争勃発を知り、まさかそれから七年も樺太に残るとは思わなかったそうだ。

晩年、河毛氏は名言を残している。「ある時期のマイナスはいつまでもマイナスではないんだから、人生は長い目で見る方がいいようだねぇ」と。(11年前の朝日新聞のコラムから)

来週、14日は赤穂浪士による吉良邸討ち入り決行の日だ。大石内蔵助率いる赤穂浪士たちも皆「気骨な連中」であったのだろうか。

この時季の雨は少しだけ物寂しくさせる。
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歩きながら、自分の半世紀を振り返り、そして先人たちの「気骨な生き方」を思い出してみた。
by cafegent | 2009-12-11 15:17 | ひとりごと