春雨や暮れなむとしてけふもあり
昼飯を食べに出たのはいいが、雨が降って来た。今日は降らないと思ったんだけどなぁ。参った。
陽も大分長くなって来たネ。今日はまさに蕪村の句の様な一日だナ。
土曜日は相変わらず朝から酒を呑んだ。
9時45分、立石着。『宇ち多゛』の口開けはいつものメンバーが集う。
彼らは八広『丸好酒場』の常連たちだ。丸好のお母さんから「川を渡るんじゃないヨ!」とキツく云われているのだが、やっぱり来ちゃうんだよナ。
タン生お酢掛けでビールなり。
この日もしっかりホネをゲットして満足。
この残ったホネは常連クマさんの犬のおやつになるのだヨ。
『ゑびすや食堂』では煮こごりをアテにビールの小瓶。
岩崎さんはダンディに決めながらも手には酎ハイだ。
午後は曳舟駅から向島まで歩いた。
流石に桜の季節は『長命寺桜もち』に長い行列が出来ていた。
夕方からお花見の酒宴が有ったので、桜餅を手土産に。
隅田川沿いの土手では桜まつりが催されていた。
素敵な向島の芸妓さんたちが甘酒を配ってた。
満開の桜の様に着物が似合っていて、可愛いネ。と、パチリ。
僕はスカイツリーを眺め、桜もちをパクリ。
あぁ幸せなひとときだ。
桜はまだ五分咲き程度だったが、沢山の人で賑わっていた。
業平橋近くの食堂『キクヤ』はカレーライスが美味い。
食べようか悩んだが、グっと我慢した。この後また呑むからネ。
押上駅から見上げる東京スカイツリーは壮大だ。
そう云えば、本日338メートルに達し、東京タワー(333m)を越えたそうだ。
押上駅から地下鉄に乗ったら、誰も居らず貸し切り車両状態だった。
門前仲町駅で降りて、『大坂屋』へと向かう。
土曜日の『大坂屋』は定休日なのだが、この日はお花見の酒宴だった。
お花屋さんから桜の切り花を調達して店の中を飾った。
ちゃんと時間が経つと花が開いてくるのだナ。
いつもの煮込み鍋の代わりに地鶏と黄ニラの贅沢水炊きだ。
築地の仲買人から届いた本鮪の刺身も美味い。
ご常連の井戸川さんが腕を振るって刺身を盛りつける。
岡山から取り寄せた黄ニラは甘くて美味しかったなぁ。
焼酎も次から次と空になり、今度は芋の「萬年」だ。水割りが好い。
続いて小樽ワインの「光芒」を抜いた。
葡萄の香りが高く、上品な味わいだったナ。
このワインに合わせて煮込みが喰いたかったなぁ。
さて、本邦初公開。『大坂屋』の煮込み鍋の美しい姿だ。
何十年毎日磨き続けると鍋もこんなに見事に輝くのだネ。感動もんだ。
とっても素晴らしい桜の酒宴でした。ご常連の皆さん、そしてママの元子さん、本当にありがとうございました。
楽しい宴の後は、独りで浅草へ移動。
『簑笠庵』の戸を開けると、朝一緒に呑んだ岩崎さんが来ていた。
立石で会って、浅草でも会うって凄いなぁ、呑兵衛は。あっ俺もか。
温野菜のアンチョビソースにマテ貝を戴いた。うぅ美味い!
炊きたての筍ご飯も木の芽の香りが効いて絶品だ。
何杯でもお代わり出来そうな程の美味しさだった。
山本さん、京子さん、毎度々々ご馳走さまでした。
こうして夜がまた更けていったのであった。
◇ ◇ ◇
よく皆から「何でそんなに朝から晩まで呑み続けていられるのか?」と聞かれるのだ。さて、どうしてか。ホラ、ご覧の通り、酒場で爆睡しているからでアール。
これ写したのトクちゃんだろうナ。参ったナ。トホホ。