東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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新橋『以志井』の春を告げる桜鯛で至福の酒宴。

僕の古巣である飯倉片町AXISビル内の『アクシスギャラリー』にて現在「ゼラチンシルバーセッション」の展覧会が開催中だ。
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ゼラチンシルバーは、所謂(いわゆる)銀塩写真だネ。
杉本博司、広川泰士、石元泰博、M.HASUI等々我が国を代表する写真家33名の作品に加え、植田正治や稲越功一の作品も展示されている。

デジタルカメラが主流となった今、改めてゼラチンシルバーの独特の質感の写真を堪能してみたいものだ。

『SAVE THE FILM GELATIN SILVER SESSION』
5月15日(土)まで、アクシスギャラリーにて開催中。

印画紙に焼き付けた写真の中の風景や情景は全てが過去の世界である。
でも、その写真を眺めながら脳裏に思い描くのは決まって未来の事だ。
人物も景色も今はどうなっているのだろうか、と考えながら古い写真を眺める事が多い。

ジョック・スタージェスの古い写真を眺めていたら、ふとそんな事を考えた。
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左の作品は、1989年頃の作品で、『The Last Day of Summer』と云う作品集になった写真だ。この少女も今はもう母親になっている事だろうナ。
        ◇        ◇        ◇
さて、先日久しぶりに新橋『以志井』へお邪魔した。

仕事の時は奥のお座敷を使わせて頂くのだが、今回はカウンターで。

春を告げる鯛を「桜鯛」と云う。その兜のところを使った以志井自慢の鯛飯を食べたくなったからだ。
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最初に出された新筍の吸い物が酒を呑む前の胃を優しく包み込んでくれた。

此処の焼酎は佐藤の黒を予め5対5の割合で割水をして寝かしているので味がとてもまろやかになる。
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黒千代香に入れて温酒にして貰った。
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勝浦で一本釣りされたカツオのたたきは、本当に美味しい。

お次ぎは日本酒。今回はチト良い事が有ったので、奮発して新潟の銘酒久保田の純米大吟醸「萬寿 無濾過生原酒」を戴いた。
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朝日酒造には久保田の他にも優れた酒が多いが、萬寿は久保田の最高峰だナ。キリリとして舌にしっかりと残る味わい深い酒だった。
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それにしても一升瓶で3万円くらいする酒なんだネ。びっくりしたなぁモウ!

見事な氷の台座の上には旬のお刺身だ。
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此処は天然物の魚しか仕入れないので、寿司とは違った美味い魚料理を堪能できるのだ。この鮑が、実に酒に合うのだナ。
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次々と美味しい魚料理が登場し、酒もススム。
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ここでご主人の石井さんから毛ガニをご馳走して戴いた。
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さっきから美味しそうだなぁと思っていたら、願いが叶ったみたい。

毛ガニにも美味い酒が必要だ、と違う酒にした。
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毎年四月に蔵出しをする黒龍の限定酒「吟十八号」を戴いた。
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そうそう、いつも黒龍酒造から届く小冊子「永(とこしえ)」は中々面白いヨ。

さて、お待ちかね。桜鯛の鯛飯が炊きあがった。
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女将さんが熱々の土鍋からお椀に盛ってくれた。

香ばしい薫りがカウンターいっぱいに漂ってきた。
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鯛の兜を使うとゼラチン質がしっかりご飯に溶け込み、コラーゲンたっぷり補給出来るそうだ。女性に嬉しい鯛飯だナ。

お腹一杯になっても絶対にもう一杯おかわりしたくなるのが、此処の鯛飯だナ。
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今度はお焦げの所を戴いた。あぁ、むふふな幸せ。

残った鯛飯はおむすびにして土産にしてくれた。今回も大満足の酒宴となったナ。

以志井から歩いてスグの処に姉妹店の焼酎バー『二貴(にたか)』が在る。ご主人忙しい中、店を抜け出してくれて案内してくれた。そして其処でも石井さんから美味い焼酎をご馳走になり、最後の最後まで真心尽くしの晩となった。

そんな心優しい店だからこそ、また伺いたくなるのだナ。只々、感謝!
by cafegent | 2010-05-07 16:03 | 食べる