東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

日々雑文雑多日記/線香花火と映画『告白』のオハナシ。

昨日は夏至だった。一年で一番陽が長い日だ。
午後7時、仕事場を出て目黒川の方を見上げると美しい夕日が川面を照らしていた。
b0019140_12314784.jpg
揺らめく水の色は、マドリッドのバルで呑むサングリアの様だナ。
ビルに写る夕焼けも都会ならではの素敵な景色だネ。

空を渡る烏の群れが夕日の中に影を落として移動し、空の色が緩やかに変わっていく。
まるで芝居小屋の茜色の引き幕を烏たちがひっぱり、リンドウの花の様な淡い紫色の舞台が空に広がったかに思えた。

目黒から二駅の渋谷駅に降りると、まだマジックアワーが続いていた。
b0019140_12323778.jpg
いつもの「のんべい横丁」の中に在る酒場『Non』に立寄り、冷えた生ビールで湿った躯を癒すのだ。
b0019140_1232923.jpg
日が暮れて神保町『兵六』へ。
コの字カウンターには知った顔が4人しか居ない。しかも愛すべきクソ爺ぃ達。最近、彼らと『鍵屋』とか『大坂屋』でも遭うなぁ。

暫くして、酒朋ウッチー、トクちゃん、そしてフルさんがやって来た。
フルさんは灯りの消えた東京タワーを観て来たそうだ。そうそう、夕べは全国で『100万人のキャンドルナイト』を展開していたのだったネ。東京タワーの他にもベイブリッジ等も夜の8時から2時間電気を消してたのだっけ。

僕は早めに家に戻り、線香花火に火を灯してみた。
b0019140_1233732.jpg
毎年、夏が来ると線香花火を買うのだが、去年のが残ってた。
b0019140_12311836.jpg
蔵前に在る花火問屋の老舗『山縣商店』には、純国産生産の線香花火が有る。
b0019140_12305287.jpg
三河の「大江戸牡丹」、九州三池の「不知火牡丹」、それに熊本の「有明の牡丹桜」などだ。

中国製の安い花火に押され国内の線香花火製造業者は98年に途絶えてしまったそうだ。それを復活させたのが、『山縣商店』の四代目だった。

火薬に使う赤松の煤(すす)や松煙、紙縒(こよ)りの和紙も国内調達し、かつての産地、岡崎の花火製造業の旧家の伝統技法を受け継ぎ、2000年12月12日の地下鉄大江戸線開通の日に発売されたので、「大江戸牡丹」と命名されたそうだ。
今では、三種類のオリジナル線香花火が揃うのだ。
僕も毎年山縣商店のサイトで購入しているのだナ。
b0019140_11282737.jpg
梅雨の合間の夜空の下、線香花火の弾ける灯りを観ながら呑む酒もまた愉し。
       ◇        ◇        ◇
中島哲也監督の新作映画が評判だ。
2009年の本屋大賞を受賞した湊かなえの小説『告白』の映画化でアル。
b0019140_12433791.jpg
最近はなるべく話題作はスグに読むようにしているのだが、これは文庫本になってから読んだ。実際には中島監督の映画に興味を抱いたので、先に読んでおきたかったのだ。

『下妻物語』や『パコと魔法の絵本』で見せた原色ワールドから、一転して暗く重い復讐劇で新たな世界を観せてくれた。

一人娘を亡くした中学校の女性教師が、犯人を含む教室のホームルームで淡々と告白を始める。そして、次々と語り手が変わり「告白」をしていく。

昔、黒沢明監督の『悪い奴ほどよく眠る』を観て、ハッピーエンドじゃなく「悪が勝つ」と云う終わり方が有るのかと可成り衝撃的だった事を思い出すのだが、湊かなえの本作は或る意味でそれ以上に驚いたラストだった。

告白する一人ひとりが何れも不気味さを纏っており、読者である我々がそこから彼らの人格や思考を広げながら読み進んだ。

映画化にあたり、中島監督は〈これまで、映像もキャラクターも、いろんなものを過剰に付け加えて、とりあえず観る人を驚かせちゃうみたいなやり方でやってきましたけど、今回のように何も付け加えず、そのまますっと出すと、余白の部分は見た人が自分でいろいろと補完してくれるんですよ。それは新しい体験です。〉と語っていた。

新聞のインタビューでも〈説明し過ぎて解釈の幅を狭めると、映画の楽しみを奪ってしまうのではないか。今回は、あえて余白を作った〉と語ってる。

たぶん、原作を読んで監督もこの様に考えたのだろうネ。

今文庫本を買うと、そのオビで映画が300円割引になるのだ。是非、原作を読んでから映画館に行って欲しいのだナ。
b0019140_12485568.jpg
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
[PR]
トラックバックURL : http://cafegent.exblog.jp/tb/13493059
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by cafegent | 2010-06-22 12:50 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)