日々雑文雑多日記/ほうずき市と権太楼師匠の一門会
2010年 07月 12日
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雷除けのお守りが効いたのか、土曜日は前日と打って変わって青空が広がってくれた。
雨上がりの爽風が涼夏の香りを運んで来たので、今年初めての浴衣に袖を通した。隅田川には夕暮れ時の準備だろうか、屋形船が何艘も出て宴の支度をしていたなぁ。
雷門から浅草寺へと続く仲見世の入口は、四万六千日のお詣りに訪れる人々と外国からの観光客が一堂に集まり前も後ろも身動きできない程混み合っていた。
相方は桔梗柄の浴衣だネ。
この日は僕の大好きな噺家、柳家権太楼師匠の一門会だ。
今回は夏のお題を宿題にお弟子さん達が大いに笑わせてくれた。
「ちりとてちん」を演じた我太楼師匠はどんどんと師匠の語り口に似て来てるネ。
「猫と金魚」を披露した甚語楼師匠は、すっかりベテランの粋だった。流石は名跡「甚語楼」を襲名した噺家だナ。
そして、最後を飾るのは権太楼師匠の「たちきり」だ。冬の「芝浜」でも泣かせてもらったが、今回も師匠の名演に目頭がウルウルと霞んでしまった。馬鹿馬鹿しい噺が続いて、最後にグっと泣かせる噺で一門会を締めくくってくれた。
落語の後はまた浅草へ戻った。
土曜は久しぶりに立石朝酒休んだ。浅草に始まり浅草に終わったナ。
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僕のマイミク繋がりでもある『タベアルキスト』マッキー牧元さんが本を献上した。
マッキーさんと僕は誕生日が偶然一緒であり、人生の先輩として、食の通人としていつもコラム等を拝読しているのだ。
本当にこの方は日々食べ歩き、美味しい店を探求し続けている。先日も曙橋の『敦煌』を書いていたが、知るヒトぞ知る中華の名店だネ。
進化し続けるピータン豆腐の話は面白かったナ。
さて、マッキーさん初の単独書籍は、『東京・食のお作法』 (文春文庫)でアル。
「本の話」に連載していたコラムをまとめたものだが、書き下ろしや大幅加筆で内容も充実だ。
目黒の有隣堂書店では平積みになっていたヨ。
文藝春秋のサイト内で立ち読みが出来るのだが、まえがきの箇所を読んだだけでもうたまらなく面白いのだナ。
『食べるとは本来、その字が指し示すように、「屋根の下で良きことをする」こと』とタベアルキストのマッキーさんは指南するのだ。
雑誌「ダンチュウ」に掲載した立石トライアスロンも『立石のお作法』としてしっかり出ているので、立石酒場好きももちろん一冊と云わず、何冊か買って酒朋たちに差し上げて下さいネ!
文藝春秋「東京・食のお作法」立ち読みサイト