昨日は午後から雨も上がり、夕暮れには美しい茜色が空を染めた。
ひとみ姐さんが天に昇って早いもので一年が経とうとしている。丁度一年前、九段会館の屋上ビアガーデンが始まった日、神保町『兵六』の酒仲間達で集り梅雨払いに乗じて酒宴を設けた。
そして、夕べは在りし日のひとみ姐さんを偲び、また九段会館の屋上に集まった。
昼頃は天気が心配だったが、ひとみさんが天から味方してくれたのか、絶好のビール日和となったのだナ。
「ごめ〜ん、パン買ってたら遅くなっちゃったぁ〜!」とひとみ姐さんが遅れてやって来た。
本当に来たかの如く、まるで違和感が無いのだナ。
神保町『兵六』は、晩年のひとみ姐さんのお気に入りの酒場だった。いつも僕と立石辺りで呑み始め、最後は神保町に辿り着くと云うのが定石となっていた。雷門『簑笠庵』の二人とも此処で出会い、それまで渋谷界隈が定番だったひとみさんの行きつけ酒場が神保町に変わったのだ。
ほんの数年間だったけど、兵六に集う仲間は皆ひとみさんと仲良く酒を酌み交わしてくれたネ。そして、夕べも沢山の方々が集まってくれた。
一人息子のオースティンも来てくれた。髪の毛切って随分とさっぱりしたネ。バンド活動とバイトに日々忙しくしているそうだ。
ひとみさんを偲ぶったって、要するに陽気に呑むのが一番って訳だ。
ビリー隊長もバニーガールにデレデレとなっている。
雷門『簑笠庵』の山本さんもバニーちゃんのお酌でゴキゲンだ。
奥では、酒朋ハッシーに秋元屋冷蔵庫前のユリちゃん、宇ち多゛常連の岩崎さん、それにトクちゃんだ。
そう云えば、トクちゃんはひとみさんに会った事が無かったんだよネ。でも、妙に親近感が沸くのは、あのもっちりした体型のせいか、ハテ?
こっちのうさぎちゃんはバニー姿にならないのかしら?
隣りのフルちゃんも陽気に呑んでるネ。
荒木マタエモン氏は、バニーちゃんに黒ビールを注いでもらいニコニコ顔。Qちゃん、吹き出しちゃ駄目ですヨ。
この二人は何処の部屋の親方でしょうか。てっきり名古屋場所かと思いました。(ウソです!)
ワタクシのカメラはすっかりバニーちゃんの股間に釘付けデス。
中盤、ウッチーがやって来て、またまた乾杯だ。
荒木サン、毎年お馴染みとなったピッチャー呑みですナ。
全部しっかり呑み干して大満足!
これも夏の風物詩ですかナ。
どうしても、カメラはバニーに向いてしまうのだナ。
其処へ大きなカミキリムシが飛んで来た。
その黒い姿は、きっとひとみ姐さんなのだろうネ。僕らが余りにも愉しそうに呑んでるので、たまらなくなってやって来たのだろう。
最後はオースティンが締めくくり、ひとみさんも喜んで一緒に呑んでくれた事だろう。
千葉の京子さん、簑笠庵の京子さんと山本さん、白石さん、一平さん、うさぎちゃん、ビリー隊長、Qちゃん、荒木さん、フルちゃん、ウッチー、ハッシー、トクちゃん、ユリちゃん、岩崎さん、酒場番長、松井さん、キクさん、みっちゃん、オースティン君、ワタクシ、そして主役のひとみ姐さん、総勢22人の素晴らしい宴となったネ。
皆さん、暑い中ありがとうございました。
そして幹事のキクさんとみっちゃん、お疲れさまでした。
九段会館を後にした呑んだくれ一行は、そのまま神保町へと歩いた。
店主、真人さんの病みあがりがちょいと心配の『兵六』へ。
僕は、あれだけ呑んだのにまたビールです。
こんな大人数は入れるのだろうか、と心配もヨソになんとか入れてしまうのだから凄いよネ。
この時季、団扇は欠かせませんネ。
そして、餃子もハズせません。
宴は更に『銀漢亭』へと続いた。
一年前の七夕の夜、ひとみ姐さんと最後に呑んだのが此処だったネ。
浅草から酒朋ミヤッチも駆けつけてくれて、店内は更に大賑わいだ。
ひとみさんの人柄が本当に偲ばれるネ。
皆と別れて僕は表参道へ出た。殺伐とした都心の風は熱波の様だナ。
ひとみさんと良く一緒に呑んだ『立ち飲み なるきよ』へ。
店主の成清と外で呑んだ。一年ってあっと云う間だナ。まだ、こうして呑んでいるとひとみさんがやって来そうな感じだヨ。
酒場番長矢野兄が『ビブラビ』で呑んでると云うので、覗いてみた。
久しぶりに逢う友が大勢いてなんだか懐かしかったなぁ。
マリコも元気そうでなにより。
店主のミッちゃんも変わらずだネ。
昔はよく皆で、ひとみさんと呑んだよネ。
夕べはそんなひとみさんの軌跡を追いかけながら、街の酒場をクローリングしたのだった。
ひとみ姐さんが好きだった祐天寺の『ばん』にも顔を出さなくちゃナ。
森一起さんの『今日のアテ』を読んだら、また泪が溢れてしまったヨ。参ったなぁ。
「今日のアテ」