東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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新聞拾い読み/この季節に聴くと心に沁みる『東京』

今朝は一段と冷え込んだネ。雨に混ざってみぞれが降ったみたいだ。
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少し前までの陽気が嘘のように空が白くなり、木々も赤や黄色の葉を土に落としている。
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今日の朝日新聞朝刊を読んでいたら、随分と懐かしいグループが紹介されていた。
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1974年に『東京』を唱い、大ヒットを飛ばしたフォークグループ「マイペース」だ。

       ♪東京へはもう何度も行きましたね
       君の住む 美し都
       東京へはもう何度も行きましたね
       君が咲く 花の都♪

このフレーズが今もまだずっと僕の耳に残っている。

中学高校時代を札幌で過ごした僕は、東京に出てきて随分と都会の垢に染まった。当時、付き合っていたガールフレンドを札幌に残し、そのまま理由も無く別れてしまったっけ。

そして劇団員だった女の子と出会い、恋に落ちた。二人で通った池袋の古い居酒屋で僕は初めてホッピーを知った。その店では、お代わりする度にレモンスライスの半切れが増えて行く。

店主が元浅間山荘事件を指揮した機動隊員だったそうで、他の客たちは真面目にレモンを残していたナ。だけども金が無い彼女は、茶目っ気半分、懐具合半分で時々レモンを食べてしまう。

歳上で東京育ちの少し生意気なコにホッピーの味や男としての立ち振る舞いなどと云う物を色々と教わったなぁ。

80年代に入り僕は社会人になった。当時はバブル全盛期、バブル経済とは無縁だが六本木の街は朝まで浮かれていた。夜が明けるまでディスコで踊り、酒を呑んだりして過ごしていたナ。或る時乗ったタクシーのラジオから聴こえてきたのが、マイペースの唱う『東京』だった。

空が明るくなり、霞町交差点から首都高速の下を曲がり白金トンネル方面へ向かう中、僕は無性に寂しくなってしまった。

       ♪いつまた会えると 聞いた君の言葉が
       走馬燈のように めぐりながら
       僕の心に 灯を灯す ♪

この歌詞が車窓の景色とシンクロして、何年も前に札幌に置いて来たコを想い出して目頭が潤んできた。

早いもので、あれからもう30数年が過ぎて行ったのだナ。

この歌は、BIGINなど多くのミュージシャンにカヴァーされ、今も時々耳にする。もちろん、僕のiPodにも入っているので、改めて『東京』を聴いた。歌詞を追いながら、赤く染まる街路樹の下を歩いていると、やっぱり無性に切なくなってしまった。

活動を再開したマイペースのメンバーは、皆50代半ばを過ぎている。
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活動をしていた70年代初頭の頃の素直な思いと青春の熱気を今になって再び考えるようになり、50代の「やり残し」感が募って、活動再開に至ったと言う。

この歌に反応するのは、きっと僕の様な50歳前後の連中だろう。
活動再開をしたマイペースが出したCDは、新譜ではなくトーク集だそうだ。ラジオNIKKEIから発売された「聴く新書」シリーズのひとつ。

「名曲『東京』を生んだ男達 マイペースな奴ら」と題した彼らのトークである。

興味を抱いたオヤジ連中は、是非とも応援してあげようじゃないか。

たまには、酒場の話を脇に置いておくのもイイかもネ。
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「ラジオNIKKEI/名曲『東京』を生んだ男達 マイペースな奴ら [CD] マイペース(伊藤 進・森田 貢・根 次男)」

「YouTube/東京」
by cafegent | 2010-11-17 14:56 | ひとりごと