東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々雑文雑多日記/新聞の拾い読みから幾つかネ。

夕べは木場の『河本』にて酔い始め。
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凍てつく風がガラス戸をガタガタと鳴らし、隙間風が背中から襲ってくる。それでも顔の方は、おでんを仕込む練炭の熱で温たかいのだナ。

ジョッキ一杯に注がれたホッピーをゴクリと呑み進むうちに躯が中から解ける様に温まって来ると云う訳だ。

この日は、ライターの森一起さんとモツ好き息子の永遠(トア)君にもお会いした。

暖簾を仕舞う午後八時までお邪魔して、看板猫にご挨拶。此処の猫ちゃん達はちゃんと閉店時間を知っている。心得た様に常連席カウンターの上で伸びをして寛ぎ出すのだネ。
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真寿美さん自慢のホッピーは、3杯呑むと可成り効いて来るのだネ。
店を出て平野橋から吹く風にあたり、酔いを冷ますのだ。

木場から神保町へと地下鉄で移動した。
喫茶『さぼうる』の路地裏を歩き、『兵六』の暖簾を潜る。
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いつもの面々が集い、愉しい酒を呑んで居たナ。

        ぬくもりに眼鏡曇りし寒の入り
       ◇        ◇        ◇
さて、新聞の拾い読みから幾つか。

1月8日の朝日新聞の『天声人語』から。
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〈地域の小学生との食事会に出たご高齢が、箸使いのお粗末さを嘆いていた。〉正しい持ち方が出来ずに突き刺したり、口元まで運べなかったりだそうだ。

〈永六輔さんが、最近は料理番組に出るタレントがきちんと箸を使えないと叱っていた。「親が教えていない。先生も注意しない。結局、いい年をして満足に箸が使えない」〉と苦言を呈す。
最近の内閣府の調査でも、18歳以上を対象に調べたら、正しい持ち方を答えられたのは54%だったそうだ。

箸の持ち方が正しく出来ていても、「迷い箸」「刺し箸」「寄せ箸」などの無作法が沢山有る。
〈そんな箸に欧米人は神秘を見たらしい。フランスの思想家ロラン・バルトは「箸をあやつる動作のなかには、配慮のゆきわたった抑制がある」と言った。それに引きかえ西洋のナイフとフォークは、槍と刀で武装した狩猟の動作である、と〉語ったそうだ。

僕も子どもの頃は、ちゃんとした持ち方が出来なかった。たまたま高校の頃に始めた茶道で正しい持ち方を覚え、それ以来意識している。

一度正しい持ち方を習得すると、「これ以上に料理が掴み易い持ち方は無い」と実感出来るのだナ。

一番上手に使えて、見た目にも美しい正しい箸の持ち方、もっと徹底して教えてあげなくちゃネ。
       ◇        ◇        ◇
先月、僕の日記でも取り上げた故・関口良雄さんの名随筆『昔日の客』が、朝日新聞日曜版の書評欄で紹介されていた。
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〈深夜に読了。感慨というべきか、闇の中で、この本が描く、恐らく今では取り戻せないだろう世界に思いが広がり、しばし眠れなかった。〉らしい。

まだ携帯もインターネットもなく、娯楽と言えば「読書」ぐらいだった古き良き時代に文豪たちが多く住む東京・馬込の近くに古書店を開いた店主の随筆集だ。

ともすれば書店の棚の隅で忘れられてしまいそうな無名の古書店主の随筆集の復刻版が、全国紙でこの様に取り上げられた事に驚くばかり。
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朝日新聞の編集委員、四ノ原恒憲さんの書評の締めくくりが、とても洒落ていた。
〈すべては30年以上前の物語。そんな時代もあったんだ。電子図書で騒がしい年頭、「本」の意味をまた考える。〉

ホント、その通りだネ。そして、今年もまた素晴らしい本たちと出逢いたいものだ。

昔日の客』(2,310円)は、夏葉社より発売中。

さて、もう一冊面白い本を見つけた。
アートディレクション界の重鎮、長友啓典さんの『装丁問答』だ。
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レコード好きたちが、レコードショップで「ジャケ買い」をする様に本屋さんで、本を「ジャケ買い」する喜びと愉しみを体験したくなる一冊だ。

トモさんが手掛ける装丁本も素敵だが、和田誠さんや祖父江慎さん、田中一光先生等々の装丁本と出逢ったトモさんの本への愛情と装丁の魅力を語ったエッセイだ。
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この朝日新聞出版の『朝日新書』の装丁デザインについても書いていたが、トモさんらしいユーモア溢れる評論が面白い。

巻末、黒田征太郎さんと伊集院静さんがトモさんに贈った文章も良かったナ。

長友啓典著『装丁問答 (朝日新書)』(819円)は、朝日新聞出版より発売中でアル。
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by cafegent | 2011-01-14 14:41 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)