東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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1997年9月岩手県、種山ヶ原から綾里湾へ旅をしたナ。

宮沢賢治が書いた「風の又三郎」に種山ヶ原が出てくる。
岩手県奥州市、遠野市にまたがる種山物見山の裾野に広がる高原だ。

東北新幹線に乗り水沢江刺駅まで着くとレンタカーを借り種山バイパスを通り姥石峠を抜けて種山ヶ原まで出た。

車を降りて山道を歩いた。風も無く穏やかな初秋の午後、種山へと登る道には梨の林が続き、緩やかな坂道を登っていくと広い草原に出た。
足元のあちらこちらから虫の鳴き声が聴こえてきて、さながら合唱隊の様であった。
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草の斜面は、実に多くの起伏でありその眺めは海の様子にも似ており、我が心も大層おおらかになった。種山ヶ原の山頂は物見山で、人も居ない。廻りには夕日山、権現山などがそびえる。

この日は空気も澄み渡り、遠く早池峰山を望むことが出来た。星座の森に在る風の又三郎の像は、秋風に立ち向かう様に立っていた。

遥か遠くの景色を望むとイーハトーブの大地が続く。空の雲がゆっくりと北へと流れ、蒼い空に絵を描いていく。

山上の秋はゆっくりと陽を刻み、雲の隙間から午後の光が漏れてくる。空を飛ぶヒヨドリも長閑に啼いていた。野鳥や虫たちに挨拶を交わし、山を下りた。

国道を逃れて鬱蒼とする雑木林の道を走ると目の前に里山が広がってくる。赤松の木が高く伸びその前にささやかな藁葺き屋根の民家を見つける事が出来た。

東峰山の麓を抜けて五葉山神社を過ぎると気仙川に出る。此処は岩手が誇る清流であり、山女(ヤマメ)、岩魚(イワナ)、そして鮎が沢山生息し10月まで多くの釣り人で賑わう。僕自身釣りはしないのだが、川釣りを眺めるのは大好きだ。

夕暮れ間近、西日が川面にあたり輝いていた。陽が暮れる前に大船渡市に入り、小石浜と綾里の間に在る宿に泊まった。
当時からホタテ貝が有名で三陸鉄道南リアス線の駅は人気だったが、最近になり駅名が小石浜駅から「恋し浜駅」へと改名されたそうだ。
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今回の地震により気仙沼や陸前高田などで起きた大津波による被害は甚大だ。日を追う毎に被害の様子が伝えられているが、小さな町の情報が入って来ないのが気がかりでならない。

何日か滞在し綾里湾の漁師さんが作ってくれた魚料理が懐かしい。
帆立はもとより真鰯や平目など三陸で穫れた魚の美味しさは飛び切りだった。あの時の魚の味は今も舌が覚えている。あの美味さは東京の魚屋では手に入らないと思ったものだ。

あれから十数年の時が経つが、あの美しい風景は今も目に焼き付いている。今、懸命に被害者の救出が行われているが、東京からは義援金等の支援しか出来ない歯痒い思いに駆られている。
あの時世話になった漁師さんをはじめ多くの被害を被った方々の安否が心配だ。そして一刻も早い復興を望むばかりである。

日本はもとより世界中の人々が今回の震災被害に手を差し伸べてくれている。全ての人が四海兄弟(しかいけいてい)の心で、互いに助け合う事の出来る地球人なのだと実感している。ありがとう地球人!
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Commented by PONTA at 2011-03-17 13:04 x
PONTAといいます。
「海だとおもたれば ひかる雲だったじぇい ほぉー」
宮沢賢治の種山ヶ原(?)です。とても好きな詩です。

 今回の津波で青森・岩手・宮城の海岸まで壊滅的な打撃を受けました。
 私は岩手内陸のものですが、海に方に住む親戚は家を失いました。それだけで済みました。本当にそう思うしかないです。
 このように岩手の海岸に思いをはせ、復興を祈っていただけることありがたく思います。復興-必ず復興します-の折には、また、岩手・宮城・青森の海岸へお越しください。
Commented by cafegent at 2011-03-17 14:13
PONTAさま、ありがとうございます。

僕の知人も家を失いました。それでも海の近くで生まれたので、離れたくないと言ってます。今は県外の親戚宅に移りましたが、また戻りたいそうです。

僕もまた必ずあの海岸沿いに戻ります。そしてこの足で歩いてみたいと願うばかりです。

本当に素晴らしいお言葉、ありがとうございました。
by cafegent | 2011-03-15 17:38 | ひとりごと | Trackback | Comments(2)