東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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駄文散文日記/我輩は猫でアル。文句あるか!

昨日と打って変わって今日は空も晴れ渡った。
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だが、気温も夏並みに上昇するそうだネ。バテぬようにしないとナ。

昨日の日記に漱石の『坊っちゃん』の事を書いたので、ついでに『我輩は猫である』を読み返した。休肝日の夜は決まって眠れないのでアル。
       ◇        ◇        ◇
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吾輩は猫でアル。名前はまだ無い。
だが、此奴だけは勝手に「バカ三毛」と呼んでいる。主人でもないのにでアル。毎日毎晩、吞んだくれている、ただの近所の阿呆なのだ。

どこで生れたかとんと見当がつかぬが戸建て住いの家族の元で過ごしている。物心ついた時から、此処でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
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吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは吞ん兵衛と云う人間中で一番体たらくな種族であったそうだ。そう、この阿呆のことだ。この吞ん兵衛というのは時々我々を捕えて煮て喰うという話でアル。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ此奴の掌に載せられてスゥッと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。
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掌の上で少し落ちついて吞ん兵衛の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始めあろう。この時、妙なものだと思った感じが今でも残っている。此奴、掌に酒をしたためていたのだニャ。我輩すっかり酩酊だ。

まず毛をもって装飾されべきはずの顔がツルツルしてまるで酒徳利だ。その後、他の猫にもだいぶ逢ったがこんな変竹林な顔には一度も出会わした事がない。のみならず顔の真中があまりに突起している。そうしてその穴の中から時々じゅるりと汁を垂らしているのだナ。花粉症だかなんだか知らないが、どうも気色が悪くて実に弱った。これが人間の現代病というものである事はようやくこの頃知った。
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吾輩は今まで向う横丁の仲見世へ足を踏み込んだ事はない。
『宇ち多゛』の煮込みとは、どんな味なのかは無論知らない。もつ焼だって、聞いた事さえ今が初めてである。彼奴らは何故並ぶのだらう。

猫の足は有れども無きがごとし、どこを歩いても不器用な音のした試しがない。空を踏むがごとく、雲を行くがごとく、水中に磬(けい)を打つがごとく、酒場で寝息を立てず屈するがごとく、〆にらーめんを食えど家人に気付かれず、がごとし。
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ただ行きたいところへ行って聞きたい話を聞いて、舌を出ししっぽをふって、髭をピンと立てて悠々と帰るのみである。

ことに吾輩はこの道に掛けては日本一の堪能でアル。
小林まことの『What's Michael?』にあるマイケルの血脈を受けておりはせぬかと自ら疑うくらいである。

マイケルは時として踊って誤摩化すが、吾輩のしっぽには神祇釈教(しんぎしゃっきょう)恋無常(こいむじょう)は無論の事、満天下の人間を小馬鹿にする一家相伝(いっかそうでん)の妙薬が詰め込んである。

この家の廊下を人の知らぬ間に横行するくらいは、仁王様がところてんを踏み潰すよりもカンタンである。この時吾輩は我ながら、わが力量に感服して、これも普段大事にするしっぽのお蔭だなと気が付いて見るとただ置かれない。吾輩の尊敬する「しっぽ大明神」を礼拝してニャン運を祈らばと、ちょっと低頭して見たが、どうも少し見当が違うようだ。
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なるべくしっぽの方を見て三拝しなければならんのだが、しっぽの方を見ようと身体を廻すとしっぽも自然と廻ってしまうのだナ。
追いつこうと思って首をねじると、しっぽも同じ間隔をとって、先へ駆け出すのだ。
まるで吾輩の手に合えない。しっぽを巡る事七回半にして、くたびれたからやめにした。
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今朝もこの馬鹿な吞ん兵衛が、我輩を手招きするじゃないか。指を突き出されるとどうしてもその方へと進んでしまうのが玉に傷でアル。
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或る日の午後、吾輩は例のごとく路地へ出て午睡(ひるね)をして大虎になった夢を見ていた。
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我輩、『宇ち多゛』の奥席に座り、梅割りを舐めている。
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宗さんに向かって大声で「ニャンこつ、良く焼きカラ塩でッ!」なんて怒鳴っているのだニャ。煮込みの皿もすっかり綺麗に舐め終えている。

猫が豚喰って良いのか、なんて古参の常連に云われたが、そんな事はお構い無しでアル。我輩にはこのしっぽが付いているのだ。このしっぽでちょいちょいと此奴の頬を叩いてやれば良いのだ。
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猫だろうが、今は大虎なのだ。タイガータイガー、じれっタイガー!などと叫んでいたら、頭上からズコッと寶焼酎の一升瓶が降りて来た。
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気を失う寸前に朦朧(もうろう)と宗さんの声が聴こえて来たような。
「さぁ、もう梅5つ半だから、このくらいにしときナ!」

そのまま、宇ち多゛のお母さんに首根っこを掴まれて、水かめに放り投げられたところで目が覚めた。
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おや、今日は13日の金曜日か。こりゃ悪夢を見る訳だニャ。

さて、我輩は水がめに落ちぬよう気をつけて、今日も陽がな一日を過ごすとしようかニャー!
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Commented by fukusan11 at 2011-05-13 15:22 x
最後の2枚、本当に一升瓶が降りてきたかのよう(笑)。付ける文章によって、本当に白目(猫目?)をむいているように見えますねえ。

実はゆうべ、勝手に自由人さんの夢を見てしまいました! 東銀座駅で一度お見かけしただけで、あとはこのブログの写真でお姿を拝見しているだけなのに、なぜか夢の中では図々しくも一緒にお食事させていただいておりました(苦笑)。いつか実現するといいなあと勝手に思っておりまする☆
Commented by cafegent at 2011-05-13 16:16
fukusan11さま、こんにちは!

ツイッターのフォローも復活し、ひとまずホっとしております。

震災の復興にはまだまだ時間はかかりますが、確実に前に進んでおりますネ。

東京は広い様で狭い都市なので、また何処かの駅ですれ違うかもしれませんネ!(笑)でも、いつか愉しいお酒を酌み交わしましょうネ。約束ですよ!
by cafegent | 2011-05-13 14:57 | ひとりごと | Trackback | Comments(2)