東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々雑文雑多日記/歴史在る下宿『本郷館』が取り壊しか。

今朝は、アブラゼミがけたたましく樹々の上で鳴いていたナ。
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だが、蝉の声を聴いて、漸く8月に入った気がしたかもしれない。

      初蝉の響きに眠気何処へやら    八十八

初蝉、蝉の声、蝉時雨などは夏の季語だが、オーシンツクツクの法師蝉は秋の季語になるのだネ。

高浜虚子の詠んだ句に僕の大好きな素晴らしいものがある。

      秋風にふえてはへるや法師蝉

季重ねだが、情景が浮かぶのだナ。
      ◇         ◇         ◇   
さて、現存する我が国最古の木造三階建ての下宿である『本郷館』がいよいよ取り壊されることになった。

作家の林芙美子もかつて此処の住人に恋をして転がり込んだそうだ。
この建物の魅力に惹かれて下宿人となった人も大勢居るそうだ。
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明治38年に建てられた本郷館は、106年もこの地で学生たちを支え、多くの人々を見送ってきたのだろう。
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しかし、老朽化から家主は取り壊しを決め、2006年には住人35人に対して立ち退きを求めて提訴。

元住人や保存を求める人たちによる「本郷館を考える会」が結成され、〈歴史的文化財としての価値が高いので〉と保存を求めていた。
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結局は今月から解体工事が始まったらしい。東大生を中心に学生が多く住んだ下宿や古書店も、その多くが今はもう無い。

本郷館のスグ近くに在る旅館『鳳明館』は今も営業しているよネ。
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この辺りは本当に風情豊かな古き良き建物が多い。

以前、訳有って隣りの『求道学舎』に居た事が有った。
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此処は当時の風情を残した形で、コーポラティブハウスに生まれ変わったのだナ。

またこの近くにはおでんの『吞喜』(のんき)も在るので、良く行ったものだ。まぁ、いずれも独身時代の想い出だナ。

そう云えば、吞喜って創業明治20年だから、本郷館よりも古いんだネ。
『吞喜』も今月一杯夏休みなので、秋になったらまた行ってみよう。
by cafegent | 2011-08-02 15:18 | ひとりごと