東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々是日記/我が家の極々私的記念日に神田で酔う。

七十二候では、「天地始粛」。てんち、はじめてさむしと読む。
そろそろ暑さも鎮まる時季が来たと云う訳だナ。酒朋キクさんから届いた文京朝顔市の朝顔は、今朝も元気に花を咲かせていた。
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先日京都で求めた朝顔の手拭いをキッチンに飾っていたが、そろそろ秋の柄に変えてみよう。
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日本手拭は安価で四季折々を彩ることが出来るから、良いのだネ。

昨日の夜は新月だったので、月は見えなかった。今夜は美しい三日月を眺めることが出来るだろうか。

今日、吉田博画伯が昭和16年に製作した新版画『新月』を手に入れた。
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元々水彩画の作品を描き続けた吉田博は、渡米渡欧の後の明治40年に水彩の『新月』と云う作品を第一回文展に出品し、三等賞を受けている。
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         (こちらは、国立近代美術館蔵)

この新版画の『新月』は、以前からカナダのコレクターに譲って欲しいと頼んでいたのだが、ずっと断られていたので、実に嬉しい。

吉田博の晩年64歳の時の作品だが、瀬戸内海に浮かぶ舟のマストから望む三日月の何とも美しいこと。漆黒の空では無く、夕暮れ時の三日月と云うのも素晴らしい。

吉田博は、「東京十二題」「日本アルプス十二題」、また「スフィンクス」に代表されるエジプトのシリーズなど、精力的に版画作品を発表したが、版画を始めた大正9年頃に好評だったのが、「帆船」のシリーズだった。
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この『新月』は、当時の瀬戸内海の帆船を再び思い描いて製作したのだろうか。僕の勝手な想像だが、そんなロマンもまたこの一枚の版画から生まれるのだナ。

「月」は、秋の季語でアル。

さて、この版画を眺めながら吞む酒も旨いだろうナァ。
       ◇        ◇        ◇
先週の金曜日、神田出世不動通りに在るイタリア料理店『リストランテ・シャイー』へ伺った。
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この日は、カミさんの誕生日と入籍記念日でもあったものだから、流石に立ち飲み屋じゃマズいだろうと予約を入れたのでアール。

此処のオーナーシェフ大坂政寿とは、もう随分長い付き合いになる。

彼が旧日本テレビ近くのレストランで料理長をしていた時に、友人を通じて知り合った。'97年、そろそろ独立をしたいと云う時期だったので、一緒に表参道に店を出した。その店がカフェ主体の形態だったので、2年後の'99年に銀座8丁目にワインとイタリア料理の店『テイスト!シャイー』を開店したのだナ。

銀座の家賃の高騰や丸10年経ったこともあり、我が社は店を閉じた。
こうして、シェフは満を持して独立したって訳だ。
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今も銀座時代に飾っていた店名の額は、僕の仕事場に架けてある。

銀座時代の大坂ファンも多く残っており、彼は店の名前をそのまま引き継いでくれた。

そして、この神田の『シャイー』も丸3年が経つのだネ。

銀座時代からの定番は、オリーブオイルの効いたシジミの味噌汁だ。
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これを最初に飲むことで胃に膜をはり、悪酔いしないのだナ。

そして、シェフからスパークリングワインを戴いた。
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先ずは、カミサンに誕生日おめでとうだネ。

一皿目は、北海道産の新サンマ。肝と梅干のソースでカルパッチョに。
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パクチーが良いアクセントになって美味い。

続いて、白ワイン。
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「グロプラン・デュ・ペイナンテ・シュルリー」は手頃で美味しい。
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良くオイスターバーなどで出されるネ。ナント地方のグロ・プラン種はライムの様な酸味が特徴的だ。

モンサンミッシェル島から届いたムール貝にもピッタリの白だったナ。
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しかし、凄い時代になったものだネ。フランスの世界遺産でもあるモンサンミッシェルはムール貝の産地で有名だが、それを旬の時季に空輸して東京で食べられるのだからネ。

小粒だが、プリプリして旨味も凝縮されていて実に美味かった。
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ボトルトップに描かれたロワール地方の長閑な風景も良いなぁ。

二皿目は、新イカだ。
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アンチョビとケッパーでさっぱりと。

続く、ワインは、赤でアル。
「センティメント・トランブスティ」の2007年だ。
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こちらもトスカーナのトランブスティ産だ。
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サンジョヴェーゼが主体で、ジビエや赤身の肉に合うワインだネ。
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ルビーの様な琥珀色のワインは、ホロホロ鳥のソテーに。
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イチジクのソースが、これまた絶妙だ。

寡黙な大坂シェフは、一人で厨房に立ちフライパンを振る。
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その合間に料理に合ったワインを開けるのだナ。

〆のパスタには、白ワインを合わせた。
「フェリーヌ・ジョルダン ラングドッグ・ルーサンヌ」の白は、2010年物。適度な酸味とフルーティな香りは、食欲をソソるのだナ。
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そして、シェフが意表をついて出して来たのは、トマトのグラッセと白桃のカッペリーニだ。
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甘い桃が冷製のパスタに合うのだろうか、と躊躇したのも束の間、この新しい味にスグ魅了された。
また、ラングドッグのルーサンヌ種にもバッチグーのパスタだった。
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デザートと珈琲は、パスさせてもらい、もう少しワインを楽しんだ。

『リストランテ・シャイー』を贔屓にしてくれているピーコさんが、9月に成城ホールにてシャンソン&トークのリサイタルを催すそうだ。
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時間を作って、是非伺おうかナ。

美味しい酒とワインを堪能し、素晴らしい記念日を迎えたナ。
大坂シェフ、心から有り難うネ!

神田からタクシーを飛ばし、神保町『兵六』の暖簾を潜った。
いつものホッコリとした日常に戻ったのであった。
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あぁ、我が家もこれで丸三年は過ごせたのだナ。狗馬之心を以て、我がツレに尽くすとしよう。
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Commented by キク at 2011-08-30 16:54 x
ご入籍3周年おめでとうございます。
「我がツレに尽くす」⇒みんなが監視してるよ。早速、5日間の禁酒計画の実施ですな。
Commented by cafegent at 2011-08-31 15:31
キクさん、ありがとうございます。

5日間休肝日、さてどうしたものか!トホホ。
by cafegent | 2011-08-30 16:21 | 食べる | Trackback | Comments(2)