東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々へべ日記/還暦を迎える渋谷のんべい横丁で吞む。

ラジオからアンジェラ・アキの唄う「津軽海峡冬景色」が流れている。最近、ユニクロのニットのCFでも耳にするが、聴けば聴く程に石川さゆりの切ないこぶしが恋しくなるのだナ。

それにしても、冬の唄は、真に寒い時季に聴きたいものだナ。

昼間の陽射しは眩しいが、風は肌に冷たい。出掛ける時に上着を持って行く季節になった。仕事場に向かう途中、彼岸花が咲いていた。
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「暑さ寒さも彼岸まで」と云うが、歩いているとまだまだ汗をかく。
樹々の上からは、最後のご奉公と言わんばかりに蝉の大合唱が聴こえて来る。

      手をあわせ 地蔵の如き 彼岸花    八十八

暮れ泥(なず)む秋の夕、遠い雲の向こうに季節の移ろいを感じる。
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天上から聴こえて来た蝉の声から、草むらに潜む虫たちの音色へと演奏が引き継がれて行く。

酒場へと続く路地裏にも白風が通り抜け、そこはかとなく金木犀の香りが漂っていた。
       ◇         ◇         ◇
さて、今日から三日間、渋谷のんべい横丁に於いて「60周年まつり」が催される。JR渋谷駅の北側の線路脇に在る小さな路地の飲み屋街だ。
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僕が「のんべい横丁」で呑み出してからもう30年が経つ。
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当時はまだギターを抱えた流しの姿もあった。還暦を迎えた横丁では、後継者が居らずに閉めた酒場も在るが、『会津』さんの様に45年も続く名店も在る。この店の店主、吉澤トシ子さんは、御歳90歳。今だ現役で店に出ており、横丁で最年長の経営者だそうだ。
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以前『シスター』と云う店が在ったが、姉妹の年齢を合わせると170歳くらいじゃなかっただろうか。ご高齢の為、店を閉めたっけ。
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『鳥福』は、写真家土門拳が撮った写真にも写っている。
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『ビストロ・ダルブル』や『Non』、『アミュレット-d』など時代の流れに沿う様に出来た店もすっかり横丁に馴染んでる。『Bar Piano』なんて異質な酒場も在るけどネ。

今回は、東日本大震災支援の振る舞い酒や記念の升の販売、酒場スタンプラリーなども企画されている。イベントの収益金は被災地、岩手県釜石市の「吞ん兵衛横丁」支援に充てるのだネ。

そんな記念すべきイベントを控えた昨晩、横丁の名店『鳥重』にお邪魔した。
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此処は一日三回転の予約制だが、午後六時の一回目に訪れるのは初めてだった。此処に通いだして30余年の間で、初めてでアル。
もっともかつては、午後六時に仕事が終わっていたためしもなく、九時半の最終回になんとか間に合うかどうかって感じだったものナ。

夕べは、吉田類さんの句会仲間の山崎千雪さんが一緒だった。
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渋谷が日々の生活圏だと云う千雪さんは、これまでにも何度か『鳥重』を訪れたいと思いつつ、中々予約が取れなかったそうだ。

僕は、ほぼ毎月通っているので、今回は千雪さんをお誘いした次第。

いつもは年齢層が高い『鳥重』だが、この日は僕ら以外全員20代の若者だった。きっとご両親が此処を贔屓にしていて、小さい頃から連れて来て貰ってた子らなのだろう。初訪のコも居たが、皆此処のルールを掌握しており行儀よくしていたナ。

先ずは、柔らかいモツのタレから始まる。
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鰻用の長い串に隙間なくギッシリと刺さった鶏レバーは、備長炭で香ばしく焼かれた部分と隣り合わせになりレアのままの部分が絶妙の食感を醸し出している。山椒を振りかけ、たっぷりの大根おろしを絡めて戴けば、口の中がパラダイスに変わるのだ。

お母さんの焼き加減が素晴らしいのだネ。
お次ぎは、天然のソーセージ、心臓だ。他店では、大抵ハツは半分に開いて串に刺す。故に中に直に火が通り、パサついてしまうのだネ。
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だが、此処は違う。十羽分のハツを惜しげもなく丸のまま焼くのだ。
こんがりと焼かれたプリップリのハツをひと噛みすれば、ジューシーな肉汁が弾けるのだ。本当に天然のソーセージを味わっている様だナ。

ビールを呑み干し、酒に切り替えた。此処は賀茂鶴と菊正宗の二種類。
この日は、菊正宗をぬる燗で戴いた。

この辺りで、「生を少々」戴くことに。
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新鮮な鶏ササミと白レバーを生で戴くって訳だ。
レバーが苦手な方も『鳥重』ならば、皆ウマイ、々々と食べるのだナ。
生姜とニンニク、それに塩胡麻油で食べるのだが、バカウマだ。
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甘いレバーは、まるでフォアグラの様だ。

最後は、合鴨を焼いて貰った。
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歯ごたえと肉の旨味を堪能しながら、酒もススむ。

お新香でさっぱりとし、最後は鶏スープで〆る。
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さぁ、これにて「鳥重劇場」の幕が降りる。路地には、既に二巡目のお客さん達が待っている。お母さん、ありがとうネ!
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毎月の事だが、本当に『鳥重』は美味いし、安いのだナ。
この日は、千雪さんがご一緒だったので、串は3本で終了した。
お会計も二人で3,400円だった。もう、天晴だネ。

午後八時前、早々に渋谷を後にして半蔵門線に乗った。

神保町の裏路地を歩き、酒場『兵六』の縄のれんを潜る。
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明日、50の大台に乗る“吞んだフル”君と京都帰りのバーバラ、酒朋ハッシーなどお馴染みの面々が集ってた。
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ちょっとピンボケだが、隅でズドーンッと決めている御仁も居たね。
写真家マキ姐さんも良い吞みっぷり!二の腕掴んで、どうしたのかい!
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男前の腕をアピールしているのかナ(笑)
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そんなこんなで、夜も更けて行ったのであった。

さて、今度の日曜日の句会は、千雪さんが兼題を出した。結構難しく悩んだが、皆さんの句が愉しみだ。もっとも、その後の酒が一番の愉しみなのだけれどネ。
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Commented by まきんこ at 2011-09-30 20:04 x
ひっひぇーええ!
二の腕続編画像があったとは…。
およよーん。
Commented by cafegent at 2011-10-03 12:01
まきんこ姐さん、こんにちは!

いっそのこと、「二の腕姐さん」で売り出しましょうか!(苦笑)
by cafegent | 2011-09-29 15:47 | 食べる | Trackback | Comments(2)