東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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NYセレンディピティ(日記の箸休め)

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マンハッタン44丁目。5th アヴェニューと6th アヴェニューの間に老舗の『アルゴンキンズ・ホテル』が在る。
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此処はロビーに毛足の長い看板猫が居り、我が物顔で客に接する。
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かつて、ドロシー・パーカー、テネシー・ウィリアムズやアーウィン・ショーと云った文豪達が夜な夜な編集者の原稿催促から逃れ、スウィートルームやレストラン、バーで酒宴を繰り広げていた。そんな名残の絵も沢山壁に描かれている。
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此処の一階には、外からも入れるバーが在る。
ホテルも古いがこの『BLUE BAR』もこの街では、老舗だ。バーテンダーもフロアの方も年季が入ったベテランばかりだ。

毎回仕事でNYを訪れる度に、『BLUE BAR』のドアを開ける。タクシーのクラクションや道路工事の騒音など、このドアひとつで都会の喧噪から逃れられるのだ。

パイナップルジュースとライウィスキーで作ったカクテル「アルゴンキン」も食事前の一杯に丁度良い。

今回は慌ただしいスケジュールが組まれ、僅か三日間の滞在だった。
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仕事が終わり、BLUE BARでやっと一息つくことが出来た。朝早くから陽が暮れるまで仕事に追われ、もう明日帰国になっちまった。
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カナディアンクラブで作って貰ったマンハッタンのオン・ザ・ロックが五臓六腑に沁みる。

「結局、今回もまたセントラルパークに行く事が出来なかったナ..」

カウンターの止まり木に座り、独り溜め息まじりに呟いていると、老バーテンダーのジョージが口の両端だけを上げながら、ニヤリと笑う。

そして、グラスの中の氷にミントの葉を一枚浮かべながら囁いた。

「大丈夫だよ、ほら。此処にセントラルパークが見えたじゃないか!」

ジョージの粋な計らいで、慌ただしい三日間の疲れが一気に消えた。

此処で40年以上酒を作っているジョージは云う。一流のバーテンダーの条件なんて、酒の処方なんかじゃないのだ、と。

さらに、こう続けた。

「要するに大切なのは人間への接し方なのだ。行くところがない人に、行くところがあると思わせるのだナ」

さぁ、ジョージ、もう一杯。僕に飛切りのマティーニを作っておくれ。
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by cafegent | 2011-10-03 16:24 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)