東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々へべ日記/神保町二階の酒場に裏を返しに行かなくちゃ!

毎月28日は、目黒不動尊瀧泉寺の縁日が催される。

先ずは、仁王門を潜り、男坂を昇る。
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本堂へ進み不動明王にお詣りだ。時間が合えば、御護摩焚きを観ることが出来る。護摩の薪木を煩悩に見立てて、燃やしてしまうのだナ。

本堂の真後ろに廻ると、今度は大日如来像が鎮座している。
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こちらにもお詣りしないとネ。

此処は江戸の五色不動のひとつとして江戸城守護、江戸城五方の方難除け、五街道の守護に当てられた。五色不動とは、目黒、目白、目赤、目青、目黄だ。地名となっている目黒と目白は馴染み深いが、他のお不動様もちゃんと残っている。

お詣りの後は、縁日を愉しもう。たこ焼き、やきそば等々、沢山の屋台も出ている。
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おでんの屋台では、にごり酒なども用意していたナ。

境内では屋台の他に植木市も出るので、花好きには堪らない。

そして、今日10月28日は、年に一度の「甘藷まつり」が開催される。
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江戸時代、人々を食料不足による飢餓から救うため、さつま芋の研究をし、栽培と普及に尽力を注いだ蘭学者が青木昆陽だ。

さつま芋は「甘藷」(かんしょ)と呼ばれ、どんな土地でも根を付け育つので、青木昆陽は甘藷栽培を広めて歩き、「甘藷先生」と称されるようになった。
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青木昆陽先生の墓碑が此処に奉られており、先生を偲ぶ行事なのだネ。
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境内の一角には全国から集まったサツマイモ関係の方々の出店がでる。
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芋料理、芋菓子、そして忘れちゃいけない芋焼酎などだ。

今夜は甘藷先生を偲んで、薩摩の芋焼酎でも吞むとしようか。
      ◇         ◇         ◇
さて、先日もいつもの様に木場の『河本』から吞み始めた。
来月酉の市を迎えれば湯豆腐になるので、名残惜しいやっこさんをアテにホッピーを戴いた。
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右側のカウンターはいつもの面々が集い、楽しい会話が弾んでいる。

左側は、次から次と新しいお客さんが入って来たネ。何故か、三人組が多かったので、入れずに諦めた方々も数組あったナ。

小体の酒場は、一人で来ると良い。一人だと何とか詰めてくれたり、席をこしらえてくれるからサ。

午後8時、ドラえもん時計からお馴染みのメロディが流れて来た。
さぁ、店仕舞いだ。閉店と同時に出てくるキジオにご挨拶。
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じゃぁな、キジオちゃん。また来るよ!

真寿美さんにお勘定を済ませ、木場を後にした。

二軒目は、神保町『兵六』だ。
木場から神保町、コレもいつものコースでアル。
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喫茶『さぼうる』から三省堂書店裏口まで抜ける路地は古き良き神保町の面影を色濃く残している。

先日、東日本橋の鰻屋から立石ツアーをご一緒した佐藤君とG原さんも来ていた。酒朋キクさん、お馴染み荒木マタエモンさんも和んでる。
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知った顔ばかりになった頃合いに、トクちゃん登場。
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おやまぁ、すっかりマタエモン氏に感化されている!
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時折縄のれんの向こうから入り込む秋の風が、さつま無双のお湯割りで火照った顔に心地良い。良い酒場では、素敵な時間が流れるのだナ。
芋焼酎を二合戴いて、ご馳走様だ。

『兵六』から路地を駅の方に抜ける途中にジャズの店が在る。昼間は喫茶で、夜はバーとなる。その『BIGBOY』の脇の螺旋階段を昇ると英国様式のバーが在るのだナ。

最近、G原さんが贔屓にしており『兵六』『ラドリオ』『ミロンガ』などの後に行きつけているバーだ。

店の名は、『HIGHLANDS BAR IXI』(ハイランズバーワンイレヴン)と云う。
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英国のとあるサロンに迷い込んだかの様な設えの中で、ウィスキーなどを愉しめるのだ。
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先に移動していた佐藤君とG原さんは、窓辺の席で陽気だったなぁ。

地元育ちのマスターは、かつてすずらん通りに在った英国版画の専門店『北沢ギャラリー』を営んでいたらしい。きっと、英国への心酔が高じて、此処を開いたのだろうネ。

アメフット、少林寺拳法で鍛えた分厚い胸板にブラックジャケットとボウタイが似合う。まるで英国紳士そのものでアル。

そんなマスターに出して頂いた酒に心地良く酔い、話も弾んだ。
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ビールで乾杯し、スコッチウィスキーをオン・ザ・ロックで戴いた。

敬愛する坂崎重盛先生の著書に『神保町「二階世界」巡り及び其の他』が有る。神保町路地裏の二階は異界の入口か、はたまた別天地か。

今回もまたすっかりG原さんにご馳走になってしまった。
このバーは初めて訪れたのだが、居心地が良く酒もススンだナ。

近々、裏を返しに来なくちゃイカンね。

そうそう、この前若いデザイナーと吞んでいると、「『裏を返す』って何ですか?」と聞かれたのだナ。僕がいつも口にしているからだ。

以前、紹介したWEBマガジン「カーソル」の記事が有るので、それを教えてあげた。さて、今宵も粋に吞もうかネ。
by cafegent | 2011-10-28 12:16 | 飲み歩き