日々へべ日記/神保町二階の酒場に裏を返しに行かなくちゃ!
2011年 10月 28日
先ずは、仁王門を潜り、男坂を昇る。
本堂の真後ろに廻ると、今度は大日如来像が鎮座している。
此処は江戸の五色不動のひとつとして江戸城守護、江戸城五方の方難除け、五街道の守護に当てられた。五色不動とは、目黒、目白、目赤、目青、目黄だ。地名となっている目黒と目白は馴染み深いが、他のお不動様もちゃんと残っている。
お詣りの後は、縁日を愉しもう。たこ焼き、やきそば等々、沢山の屋台も出ている。
境内では屋台の他に植木市も出るので、花好きには堪らない。
そして、今日10月28日は、年に一度の「甘藷まつり」が開催される。
さつま芋は「甘藷」(かんしょ)と呼ばれ、どんな土地でも根を付け育つので、青木昆陽は甘藷栽培を広めて歩き、「甘藷先生」と称されるようになった。
今夜は甘藷先生を偲んで、薩摩の芋焼酎でも吞むとしようか。
◇ ◇ ◇
さて、先日もいつもの様に木場の『河本』から吞み始めた。
来月酉の市を迎えれば湯豆腐になるので、名残惜しいやっこさんをアテにホッピーを戴いた。
左側は、次から次と新しいお客さんが入って来たネ。何故か、三人組が多かったので、入れずに諦めた方々も数組あったナ。
小体の酒場は、一人で来ると良い。一人だと何とか詰めてくれたり、席をこしらえてくれるからサ。
午後8時、ドラえもん時計からお馴染みのメロディが流れて来た。
さぁ、店仕舞いだ。閉店と同時に出てくるキジオにご挨拶。
真寿美さんにお勘定を済ませ、木場を後にした。
二軒目は、神保町『兵六』だ。
木場から神保町、コレもいつものコースでアル。
先日、東日本橋の鰻屋から立石ツアーをご一緒した佐藤君とG原さんも来ていた。酒朋キクさん、お馴染み荒木マタエモンさんも和んでる。
芋焼酎を二合戴いて、ご馳走様だ。
『兵六』から路地を駅の方に抜ける途中にジャズの店が在る。昼間は喫茶で、夜はバーとなる。その『BIGBOY』の脇の螺旋階段を昇ると英国様式のバーが在るのだナ。
最近、G原さんが贔屓にしており『兵六』『ラドリオ』『ミロンガ』などの後に行きつけているバーだ。
店の名は、『HIGHLANDS BAR IXI』(ハイランズバーワンイレヴン)と云う。
地元育ちのマスターは、かつてすずらん通りに在った英国版画の専門店『北沢ギャラリー』を営んでいたらしい。きっと、英国への心酔が高じて、此処を開いたのだろうネ。
アメフット、少林寺拳法で鍛えた分厚い胸板にブラックジャケットとボウタイが似合う。まるで英国紳士そのものでアル。
そんなマスターに出して頂いた酒に心地良く酔い、話も弾んだ。
敬愛する坂崎重盛先生の著書に『神保町「二階世界」巡り及び其の他』が有る。神保町路地裏の二階は異界の入口か、はたまた別天地か。
今回もまたすっかりG原さんにご馳走になってしまった。
このバーは初めて訪れたのだが、居心地が良く酒もススンだナ。
近々、裏を返しに来なくちゃイカンね。
そうそう、この前若いデザイナーと吞んでいると、「『裏を返す』って何ですか?」と聞かれたのだナ。僕がいつも口にしているからだ。
以前、紹介したWEBマガジン「カーソル」の記事が有るので、それを教えてあげた。さて、今宵も粋に吞もうかネ。