東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々是日記/目黒『寿司いずみ』で冬の至福を味わう。

浅草の「浅草寺」の境内では、明日から冬の風物詩『羽子板市』が催される。昔から羽子板は、「邪気を跳ね返す板」と云われ女の子の健やかな成長を願う風習として伝わって来た。
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羽子板市では、伝統的な押絵羽子板の他に時勢を表した変わり羽子板なども数多く並び実に華やかな光景だ。昔は良く贔屓(ひいき)の歌舞伎役者を描いた羽子板を飾る酒場なども見かけたが、最近はめっきり減ったかもしれないネ。

今年一年の締めくくりを飾りに小さな羽子板でも買いに行こうかナ。

世田谷では、恒例の『ボロ市』が昨日から始まった。スカパラの川上つよしさんは、時代物の磁器の盃を幾つか見つけたと呟いていたナ。

僕も昨年、珍しい日本手拭いを見つけて嬉しかったことを思い出した。人の波を押し分けて、掘り出し物を見つけた時の嬉しさと云ったら、もうタマラナイ。そんな日の夕暮れは赤提灯に入りたくなるのだナ。
      ◇         ◇         ◇
夕べは、目黒の住宅地にひっそりと佇むお寿司屋さん『いずみ』にお邪魔した。此処は季節の変わり目毎に訪れている。

先ずはサッポロ赤星で喉を潤す。
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昼飯を抜いたので、胃がキュゥッと鳴った。
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最初に出て来たのは、ハリセンボンの皮で作った煮こごりだ。

堅く尖った独特な棘は300本以上も有るそうだ。
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それを一つ一つ手で取るので可成りの労力を伴ったとキンちゃんが苦笑いをしていたネ。

続いて、ズワイ蟹の身をほぐしたカニ玉だ。
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オレンジのツメはメスの内子、紫のツメはタラバ蟹の内子。
あぁ、さっそく日本酒が欲しくなる。

最初の酒は、宮内庁御用達の「惣花」だ。
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キレがあってスッキリした純米吟醸だ。
刺身は能登富来(とぎ)海のブリと真サバ。
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ブリは13.5キロの大物だったそうだ。
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これを和芥子と擦り卸し玉ねぎで戴くのだナ。

続いて、ブリの脳天。
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これ、食感も良く酒に合う。
そして、蝦夷鮑(えぞあわび)だ。
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利尻の昆布をたっぷりと食べて育ったアワビは、何もつけずそのままで戴くのだ。
口の中一杯に利尻昆布の味が広がり、一気に北の海にワープさせてくれるのだ。

さぁ、『いずみ』の名物は親方自慢の創作料理だ。
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今回は「痛風蒸し」とのこと。
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真鱈(まだら)の白子のヅケ、あん肝の味噌漬け、白子の擦ったもので作った茶碗蒸しでアル。

酒は島根県安来(やすぎ)の純米吟醸「月山」(がっさん)だ。
月山と云えば山形だと思いがちだが、こちらは富山の月山富田城(とだじょう)から由来している。佐香錦で作った酒は、口当たりが柔らかくクィクィ吞める酒だ。

本マグロのほっぺたと紅玉リンゴをマグロの酒盗でヅケにして、それを法蓮草やくちなしなど緑の寄せ菜で作った木の芽味噌で焼いたものが登場。美味過ぎて写す前にペロリだった。

お次ぎは、奄美大島でマーガンと呼ばれるモクズ蟹だ。普段は森の中に生息しているが、秋が来ると産卵の為に海に降りて来る。約一ヶ月半しか味わえないのだヨ。
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このマーガンの身に奄美のソテツ味噌を塗り、紹興酒で蒸す。そこにバルサミコ酢で仕上げるのだネ。

身を食べ終えた後、甲羅に燗酒を注いで吞む。
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この蟹甲羅酒が絶品だった。この時季ならではの嬉しい一品だ。

こちらは、伊豆伊東で捕れたマンボウの肝和え。
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マンボウの身は可成り淡白だが、肝がスバラシィのだネ。これも酒がススむ。

ブリの肝臓をお茶で炊いた一品。
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炊いた時に出来るタレが本当に美味しかった。

さて、痛風まっしぐらな珍味で酒を愉しむ。
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左はカツオの酒盗、右はマグロの酒盗。これに合わせる酒は、明鏡止水の「M10」だ。
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2010年に仕込んだ酒で、まだ蔵から出ていない純米吟醸でアル。

味噌漬けと塩漬けのからすみ二種と卵黄のべっ甲漬け。
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酒が止まらなくなる珍味だネ。
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さぁ、ここから握りが始まる。
先ずは、めったに食べられない青鱚(アオギス)から。
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青鱚は、東京湾では、昭和28年に絶滅したそうで、鱚よりも白身の魚に近い。北九州の豊前海の漁師がたまに水揚げされるのを『いずみ』に送って貰っている。モッチリした食感で美味い。

カワハギの肝乗せ。
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云う事無しの美味さ。

此処に来たら絶対に食べたい小鰭(コハダ)を戴く。
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先ずは、赤酢で〆た小鰭。
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続いて、白酢で〆た小鰭。
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そして、黍(きび)酢で〆た小鰭。むふふ、でアル。
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こちらは、東京湾の入口で水揚げされた太刀魚を炙りで。香ばしく酒に合うのだナ。

箸休めに黒乗りお吸い物。
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海苔の香りがスバラシィ。

握りは、陸奥湾で捕れた天然の赤貝。
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味が濃く、美味い。

酒は、宮城県塩竈の「阿部勘」を戴く。
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伊藤杜氏の弟子の平塚杜氏が仕込む純米吟醸だ。結構フルーティな香りで吞みやすい酒だったナ。

金目鯛のヅケ。
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三宅島と大島の間の水深4~500mの深場で捕れるので、「深場金目」と呼ばれているそうだ。美味いのなんの、南野陽子!

ムツの赤ちゃんを赤酢おぼろで。
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「おぼろ」とは、江戸の頃の保存法でアル。これを再現しており、いつもは車海老のおぼろを戴くが、今回はムツだ。

お次ぎは、北九州豊前海のカゴ漁で水揚げされたワタリ蟹。
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岡山ではガザミと呼ぶカニだ。そのまま素蒸しにしただけなのだが、旨味が身に凝縮されていた。

さぁ、津軽海峡のはえ縄漁で捕れた大間の本マグロだ。
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これを14日間熟成させた一番食べ頃の大トロだ。
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スミイカも甘くて美味い。

こちらは、能登ブリのスナズリだ。
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脂の乗りも良く、至福の味だ。

魳(カマス)の昆布締めの炙り。
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炙りは本当に酒に合うのだナ。
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本マグロのヅケ。
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金目鯛の腹の炙り。シアワセ独り占めだ。

握りの最後は、伊勢海老の炙り。
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上に乗るのは、卵のヅケと海老の肝を和えたもの。あぁ、云う事無しの美味さでアル。

〆は巻物をお願いした。
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山葵の効いたかんぴょう巻で、この日のいずみ劇場は終演を迎えた。
正月のお節料理もお願いしたし、また年が明けたら訪れよう。

この後は、夜風にあたりながら、ノンビリと武蔵小山駅へと歩いた。

バー『Syu-On』の階段を昇り、一日の終わりの酒を戴いた。

先程までずっと魚料理に日本酒だったせいか、無性にウィスキーを欲していた。
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先ずは、「イチローズモルト」をオン・ザ・ロックで戴く。
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あぁ、躯に沁みて行く。

続いて、珍しいバーボン・ウィスキーを戴いた。
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「ヴェリーオールド・セントニック」は、冬の番人と云う意味。寒い日に打ってつけの辛口のバーボンだ。
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最後は、アイラ島ブルイックラディ蒸留所のウィスキーで〆た。
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夕べは、結構吞んだが、今朝の目覚めも良かったなぁ。しっかりと食べたからだろうか。これで今日も頑張れるってものだナ。

夏の『寿司いずみ』
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by cafegent | 2011-12-16 15:08 | 食べる | Trackback | Comments(0)