東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々是日記/52歳の誕生日を『天冨良よこ田』で祝う。

時々、誰かが呟いたツイッターの中で、興味を抱くコトバに出逢う。

人は口からプラスのこともマイナスのことも言う。だから「吐」という字は「口」「+」(プラス)と「-」(マイナス)で出来ている。人がマイナスのことを言わなくなると「-」が消えて、「叶」という字になる。これを知ったらあなたの夢は叶うでしょう。

とても洒落ていて、朝からニヤリと頷いてしまったのだナ。
      ◇         ◇         ◇

2月17日の金曜日、麻布十番の駅を出るとあいにくの雨模様。タリーズコーヒーの前の道を真っ直ぐ歩く。いつも年越し蕎麦を戴いていた『更科堀井』を過ぎると目指す『天冨良よこ田』の入るビルに着いた。

此処はビルの外観からは想像もつかない程に素敵な佇まいの天ぷら屋さんだ。以前は鳥居坂下に在ったが、数年前に移転していた。

大きなカウンターではご主人が立ち、僕らは息子さんの立つ小さなカウンター席へ。こちらは、僕ら夫婦の他に働き盛りの若い青年二人の四人だけである。

目の前の鍋では胡麻油の香ばしい薫りが立ち上り、食欲を煽る。僕ら四人のためだけに天ぷらを揚げてくれるのだから、こんなに贅沢なことはないのだナ。
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プレミアムモルツの小瓶を戴き、乾杯。

そう、この日僕は52回目の誕生日を迎えたのだ。
もう何年も誕生日には天ぷらを食べることにしている。『みかわ』『天茂』『山の上ホテル』『近藤』等々、二月立春の末候の時季は、天ぷらを楽しむ。と言っても、四季を通して寿司と天ぷらは良く食べている。
天ぷらは季節の食材を味わうのに持ってこいの料理だからネ。

先ずは、前菜の胡麻ダレの野菜サラダから。
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紫蘇がアクセントとなり実に美味い一品だ。
天ぷらは海老から始まる。胡麻油の中でパチパチと揚がる音が素晴らしいBGMとなる。

海老頭は、天然の海老煎餅だ。
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香ばしくて食感も良い。此処では天つゆの他に塩、カレー塩とレモン塩が用意される。ギュッと絞った生レモン汁に小さじで三杯塩を盛る。
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塩と酸味の絶妙なバランスに、揚げたての天ぷらがまるで魔法にでもかかった様に美味しくなるのだナ。

カレー塩も大阪の串カツ屋で食べたことがあるが、本当は邪道かナなんて思っていたが、これがまた素晴らしく美味しい。
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此処の海老は『みかわ』よりも若干良く揚げている。ゆえに尾の部分も香ばしく戴けるのだが、海老自体の旨味を最大限に引き出している絶妙な揚げ加減なのだナ。

二本目のビールも空いたので、酒に切り替えた。
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福井の黒龍をお願いする。他にも僕の好きな京都の「桃の滴」も置いてあり嬉しい限り。

鱚(きす)の天ぷらもレモン塩が合う。
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サクっと噛むと中からホクホクの身が現れる。

ベビーコーンの登場。
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余り天ぷらで食べない食材だと思っていたが、生のベビーコーンは甘くて香りも良い。最初は何も付けずに食べ、二口目はカレー塩で戴いた。あぁ、最高!

椎茸は進丈を詰めて揚げてある。
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椎茸の香りが口一杯に広がった。

天つゆに浸したおろし大根は箸休めに丁度良い。これだけで酒もススむってもんだ。
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貝柱の紫蘇のり巻きは、レアに揚げており病みつく美味さだ。

アスパラガスはオーストラリア産とのこと。
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今の時季は国内産よりも甘くて美味しいのだそうだ。

此処の天ぷらは、最初何も付けずに食べ、続いてレモン塩、カレー塩と楽しむのが良いネ。アスパラガスも大正解だ。

酒を愛媛の「石槌(いしづち)」の純米槽(ふね)搾りに切り替えた。
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さらりとした甘口の酒だ。
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銀杏は、間の絹さやがアクセント。これ、素晴らしい味だ。
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スミ烏賊は、ネットりと柔らかく、甘い。火の通し方が絶妙だナ。

帆立貝もご覧の通り、中はレア。
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ブログを書いていると言うと包丁を入れてレア具合を見せてくれた。
こんなちょっとした気遣いが、嬉しいのだネ。
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筍もサクサクで、甘い。

ふきのとうの苦味は、春の訪れを舌で楽しませてくれる。
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冬の間にじっくりと蓄えた栄養分が春の芽となって我々の躯を支えてくれる食材だもの。
マゴチより小さなメゴチも天ぷらならではの食材だネ。
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夏のギンポウも美味いが、江戸前の天ぷらに欠かせないのは、このメゴチか。

此処の穴子は、しっかりと揚げてある。
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カリッとした食感と共に香ばしい薫りを堪能出来る。食材によって実に細かく揚げ具合を変えており、只ただ驚かされる。
この香ばしい薫りに酒もススむ。
また、丁寧かつ軽快に説明などをしてくれて、本当に居心地が良い。

酒が空いたので、もう一度「石槌」をお願いしたら、残りがもう一合に満たないとのことだった。おや残念と思っていたら、半端な残りなのでと、徳利に注いでくれたのだネ。
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あぁ、なんて嬉しいサプライズ。増々、惚れてまうやろう!
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ご主人の元でしっかりと修行を積んだことが、ちゃんと身についているのだネ。素晴らしい。

お酒を運んでくれたお母さんは北海道出身とのことで、僕は余計に親近感が湧いた。家族で懸命に営む姿は、清々しい限りだネ。
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茄子を戴き、もう一度海老が揚がった。そうか、最初に海老頭が二つ出たものネ。
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今度は天つゆで戴いた。むふふ、の美味さ。
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以上で、お任せの天ぷらは総て揚がったのだが、銀杏とふきのとうを再度お願いした。

〆の食事は、妻が天茶で僕はかき揚げ丼をお願いした。
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海老のみのかき揚げ丼は、柚子の香りがほんのりと効いてペロリと食べ終えてしまった。
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天茶も一口戴いたが、こちらも美味しい。次回は天茶にしよう。
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フレッシュな苺をそのまま使ったシャーベットは、甘過ぎず大人の味わいで素晴らしかった。

最後にご主人も「次回は、こちらのカウンターもお願いしますね」とご挨拶され、最後の最後まで幸せな気分で誕生日を祝うことが出来た。

料理屋は味もさることながら、人をもてなす心遣いも重要だネ。そんな意味では、此処『天冨良よこ田』は、至福の一軒だろう。

ミシュランも時には素晴らしい店を選ぶのだネ。

心も躯も十二分に温まり、麻布十番から武蔵小山へと移動した。
路地裏の階段を昇り、馴染みの酒場へと潜り込む。
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キルホーマンのウィスキーは蒸留所の開設から7年が経ち、漸くじっくりと熟成された酒が出て来たのだネ。
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この夜はギムレットを始め、数々のお酒を店主の西川さんにご馳走になってしまった。
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あぁ、52歳のクソ爺ぃになっちまったが、誰かに祝って貰えるって幸せだなぁ。

外に出ると雨は雪へと変わっていた。沢山の皆さんに感謝しながら、雪の舞う中を歩いた夜であった。
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Commented by miyanocchi2 at 2012-02-20 14:56
おめでとうございます。
楽しく誕生日をお祝いできるのは幸せ者だー!
Commented by terute at 2012-02-21 11:02 x
お誕生日おめでとうございます!天声人語代わりに毎日閲覧させてもらってます!(土日休刊ですけど・・)自分も東京をさま酔い歩いてる気分になってとっても楽しいです!これからもお元気で!
Commented by cafegent at 2012-02-21 15:10
ここちきサマ、ありがとうございます!

愉しく酒が吞めるのも、幸せ者でーす!
Commented by cafegent at 2012-02-21 15:12
teruteさま、こんにちは!

嬉しいおコトバ、ありがとうございます。
家に居ながら酒場巡り、スバラシイ!
でも、いつか一献願いますネ。感謝!
by cafegent | 2012-02-20 13:11 | 食べる | Trackback | Comments(4)