大人の渋谷探訪 その3
2004年 09月 03日
青山学院から渋谷に向かって246を進んでいくと宮益坂に降りる道と六本木通りとぶつかる道とパルコの方に向かう道に分かれる交差点に出る。パルコ方面の道を右に折れてバカ高いバーガー屋のクア・アイナを過ぎた辺りに「DERORI」は在る。
「デロリ」とは、画家岸田劉生が最初に用いた表現で「グロテスクだが美しい」と云った意味合いの言葉だ。美術専門誌「芸術新潮」から引用すると、「デロリ」とはすなわち、日本美術の中にあって“濃厚で奇っ怪、卑近にして一見下品、猥雑で脂ぎっていて、血なまぐさくもグロテスク、苦いような甘いような、気味悪いほど生きものの感じを持ったもの”、と記されている。岸田劉生が描いた「麗子像」は、まさしくデロリそのものな訳ね。
で、「DERORI」はまさにそんな雰囲気の店である。料理がとても美味しいので食事に来る連中も多いのだけれど、この変な雰囲気の中で不可思議な連中がどこからともなく現れて、いい感じで酔っぱらっているのが、この店の居心地の良さを語っているかな。昨日はこの店の和子さんの誕生日という訳で沢山の客が集まっていた。なんだか来た奴全員がシャンパンを1本ずつ空けていた様な気がする。前に友達が、綺麗な女だと思って真剣に口説いていたら男だったんだけど、それもこの店だった。そして、そのコ、昨日も飲んでいたし。和子さんの料理もさることながら、この店の魅力はサロンのマダム的存在のおタキさんとやんちゃなアキオさんの二人に尽きる。
たぶん、この店を訪れる大半の連中は、二人に逢いに来るのだと思う。まぁ、僕もその中の一人だけどね。
ひとみさんとアキオさんもいい感じで酔っぱらっていたなぁ。先週はアキオさんのバースデーパーティだったけれど、イギー・ポップ張りに全裸になって踊っていた。アキオさん万歳!!
そして、おタキさんは、眼鏡の上から黙ってその光景をみながら、坦々とお酒を作っているんだよね。いつも見ていて飽きない光景だな。
寡黙なおタキさんにも万歳なり。
DERORIの店内
DERORIのホームページ
そして、僕らはこれから次のバーに場所を変えることにした。