東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々是日記/桜が見頃だネ。桜のハナシと野毛酒場!

今日も東京は青空が広がった。
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昨日より気温は低いそうだが、時折桜の花びらが舞う道を歩いていると気分も爽快だナ。
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今朝はカミサンが弁当を作ってくれたので、目黒川沿いの桜を眺めながら昼飯にした。
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橋の上ではご婦人方が大勢で桜並木を写生していた。
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沿道では、子供連れの主婦たちがもう花見に興じていた。楽しそうで何よりだ。

百花繚乱に咲き乱れる桜の花を眺めていると時々、梶井基次郎が書いた短編小説「桜の樹の下には」を思い出してしまう。

三十年程前に初めて読んだ時は、とても後味の悪い読後感だったと覚えている。
     ☆          ☆          ☆     
 桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!
 これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。
              ~中略〜
 おまえ、この爛漫(らんまん)と咲き乱れている桜の樹の下へ、一つ一つ屍体が埋まっていると想像してみるがいい。何が俺をそんなに不安にしていたかがおまえには納得がいくだろう。
 馬のような屍体、犬猫のような屍体、そして人間のような屍体、屍体はみな腐爛(ふらん)して蛆(うじ)が湧き、堪(たま)らなく臭い。それでいて水晶のような液をたらたらとたらしている。桜の根は貪婪(どんらん)な蛸(たこ)のように、それを抱きかかえ、いそぎんちゃくの食糸のような毛根を聚(あつ)めて、その液体を吸っている。
              ~中略~
 ――おまえは腋(わき)の下を拭いているね。冷汗が出るのか。それは俺も同じことだ。何もそれを不愉快がることはない。べたべたとまるで精液のようだと思ってごらん。それで俺達の憂鬱は完成するのだ。

 ああ、桜の樹の下には屍体が埋まっている!
 いったいどこから浮かんで来た空想かさっぱり見当のつかない屍体が、いまはまるで桜の樹と一つになって、どんなに頭を振っても離れてゆこうとはしない。
 今こそ俺は、あの桜の樹の下で酒宴をひらいている村人たちと同じ権利で、花見の酒が呑めそうな気がする。
     ☆          ☆          ☆
この作家の感性は凄い。桜の花が美しいのは樹の下に死体が埋まっているからだ、と云う空想を抱き、絢爛豪華な美と対峙した時に浮かぶ対極の死体のグロテスクさを感じることで花見の酒宴に興じる人々と同じ立ち位置に立とうとしているのだネ。
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桜は絢爛豪華に咲き誇り、人々を酔わせ踊らせる力を秘めている。
そして春の風に乗って潔(いさぎよ)く散って行く。そこがまた日本人の心の奥底に刻まれている太古からの美意識なのだと思う。
     ◇          ◇          ◇
閑話休題。

さて、先日酒朋ビリー隊長&ハラマユ嬢と桜木町で待ち合わせをした。

いつもならば「三杯屋」に向かうところだが、この日はお休み。そんな訳で『福田フライ』の斜め前に在る焼酎の店『新京』へお邪魔した。

ガラリと戸を開けると既にテーブルも奥席も満席でアル。こりゃ無理かナ、と思っていたが、ビリーがすかさずに階をアピール。

ツンデレ女将、口の片方だけを吊り上げた不敵な笑いの後、「それじゃね、上に行ってくれる?電気のつけ方判るネ!エレベーターの前でお願いね!」と畳み込まれる。
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靴を脱いで二階座敷に上がると貸切状態だ。
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冷蔵庫から瓶ビールを取り出し、乾杯!此処は自分で伝票に書くシステムでアル。
つまみを書いて、エレベーターで下に送る。

暫くすると、来たよ、来た来た!
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ズラリと女将の手料理がエレベーターに乗って来た。これだけ頼んでも1,100円なのだヨ。
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きのこ炒め、鳥モツ煮、じゃがラー油、くじら竜田揚げ、そしてペペロンチーノだ。
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一番高価なペペロンチーノが300円、此処は殆どが100円か200円と云うスバラシイ酒場なのだ。
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壁にメニューがズラリ!
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芋焼酎の桜島をボトルで入れて、さらに酒のアテを追加。
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出来ないモノは、伝言メモで。チジミにハムカツ、そして豚キムチを追加した。
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ボトルも綺麗に呑みほして、ご馳走さま!
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〆てお会計が4,800円也。ナント、一人1600円なのだから、嬉しいネ、楽しいネ。

いやぁ、いつもながら『新京』恐るべし!

風邪が治りかけだったので、僕はこれにて帰路へ。
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ビリー隊長は、『ホッピー仙人』へと消えて行ったのであった。
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Commented by しろくま1124 at 2012-04-07 11:30 x
昨日は、宇ち多でお楽しみの途中、まことに失礼をいたしました。
自由人様とビリー様にお会いできて、家内もとても喜んでおりました。
春は名のみの風の寒さ、どうか、ますますのご健勝とご健筆をお祈り申し上げます。
Commented at 2012-04-18 23:02 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by cafegent at 2012-04-19 17:22
工藤さん、こんばんは!

『兵六』、気に入って頂き光栄です。
また是非吞みに来てくださいませ。
by cafegent | 2012-04-06 15:17 | ひとりごと | Trackback | Comments(3)