東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々ヘベレケ日記/春の夜、十条赤羽ハシゴ酒の旅!

      願わくば花の下にて春死なん
             其の如月の望月のころ
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願いが叶うならば、如月の満月の頃に満開の桜の木の下で春逝きたい

現在放映中のNHK大河ドラマ『清盛』の中で、朝廷鳥羽上皇の妻、璋子(たまこ)と恋仲になって武士の道を捨てて逐電(ちくてん)した佐藤義清(のりきよ)は、後の西行法師となった。

その西行がお釈迦様の命日である2月15日(如月の望月)の頃に自分も逝きたいと詠んだ歌だ。実際に西行が亡くなったのは2月16日だが、ほぼ願い通りの如月の望月の頃だったので、2月15日も西行忌が行われている。

平清盛と西行とは同い年であり、実際に仲が良かったそうだネ。

今年の1月にお亡くなりになった日本画家の巨匠、小泉淳作さんは西行のこの歌が好きだったらしい。2010年、画伯が五年もの歳月をかけて描いた12面の桜のふすま絵が完成した。
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東大寺本坊に納められた大作は実に見事だ。桜や蓮(はす)の花で40枚のふすまが埋め尽くされた。

大作の完成から2年後に逝ってしまったが、制作当時から「最後の大作になるだろう」と語っていた。
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今、街中に舞う桜吹雪を眺めていたら、小泉淳作さんの桜のふすま絵と自身が自ら書いた西行法師の辞世の歌を思い出した。
     ◇         ◇         ◇
閑話休題。
今週の火曜日は、酒朋ビリー隊長と十条駅にて合流した。

目指す先は、駅から程近い居酒屋『斎藤酒場』だ。
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紺地に白抜きの暖簾を潜るともう満席。だが、タイミング良くテレビ下の大勢さんが席を立ってくれた。

最近は、何故かこのテレビ下が多いのだナ。先ずは「冷やしビール」の赤星を戴く。
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此処は壁に貼られた品書きに「冷やしビール」と書かれている。このなんとも云えずホノボノとした感じが好きなのだ。実際に冷水の瓶ビールクーラーで冷やされており、頭キンキンにならない絶妙な温度加減で冷やされているのが見事なのでアル。

いつもは殻付き落花生のお通しが、今日は炒り豆腐。ちょいと塩っぱい辺りが酒の肴に最高なのだネ。
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生セロリと旬の若筍煮を戴いた。
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ビールの次は、酒を冷やで戴いた。
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僕らと同時に入ったお隣さんとも酒の話で盛り上がる。
そして、後から同じテーブルに座った方は、なんと酒場の友、栗山さんのご友人だった。いやはや世間は狭いと云うか、繋がるのだナ。

斎藤酒場は、次から次とひっきりなしに混んでいる。
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二杯目の酒をクィと呑み干してお勘定にして貰った。

十条駅から電車に乗って赤羽へと移動。
外の風も生温い。この日は日が暮れても暖かかったネ。

OK横丁を抜けて『まるます家』へ向かう。

一瞬満席かと思いきや、階段下のカウンターが2席空いていた。
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ジャン酎(ジャンボ酎ハイ)をお願いしたら、二階から若女将が降りて来た。「おや、アレ持って来ますねーッ!」と奥に行ったので、すかさずモヒートにして貰った。そう、若女将が取って来てくれたのは、ジャン酎モヒートを更に美味しく飲ませるアンゴスチュラビタースだ。
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元は、銀座『ロックフィッシュ』の店主間口さんのオススメなのだネ。
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まるます家名物、鯉の洗いとホヤの塩辛を戴く。
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どちらも酒がススムのだ。
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そして、今が旬の菜の花のからし和えも戴いた。

ジャン酎モヒートもあっと云う間に空いたので、お会計。
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いつもいつも美味しい酒と料理、ご馳走様でした。

続いて、横丁を左に折れて『丸健水産』へ。
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もう閉店間際だったが、若旦那が快く入れてくれましたナ。

地元の酒丸カップとおでんのセットを二つお願いする。
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もちろん、僕のにはちくわぶを入れて貰う。
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酒も燗にしなかったので、スグ吞める。ぐふふ。

いつもは丸カップ2つが定番だが、店仕舞いが近づいていたので、この日は1つで我慢。ビリー隊長も上機嫌!
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酒を指2本分残し若旦那の処へと持って行く。

熱いおでん出汁とにんにく七味を入れて貰うのだナ。
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あぁ、堪らん美味さ。むふふ、だネ。

久しぶりの赤羽をもう少し楽しみたいと思い、もう一軒。最後は馴染みの『喜多屋』へとお邪魔した。
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階段側の入口を開けるともう誰も居ない。
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反対側では、いつもの自転車ホッシーが酒を片手に陽気だったなぁ。
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僕らもチューハイを戴いて、ホッシーと合流。楽しい十条赤羽ハシゴ酒となった。

さぁ、この日も四軒ハシゴして、一人2,865円だった。ナント、一軒当り700円ちょっとなのだネ。驚きだね、まったく。

気心しれた酒朋たちと吞む酒の美味いこと。安くて美味くて、居心地も良い。これだから、下町の酒場巡りはヤメられないのだナ。
by cafegent | 2012-04-12 17:12 | 飲み歩き