先日また新橋に在る小さな小さなお寿司屋さんにお邪魔して来た。
駅前の新橋駅前ビル2号館の地下一階に在るのだが、廻りが殆ど酒場なので雰囲気が異質だ。
先月もご一緒した酒朋キクさんとの再訪だ。
此処『すし処まさ』は、店主の鈴木優さんが一人で切り盛りしているカウンター三席のみの寿司屋だ。
一日3人の二回転のみなので、多くても6人しか食すことが出来ないのだ。時々無理をして4人で利用する組も居るそうだが、可成りキツいだろうネ。故に予約を取るのも必死なのだ。今では一年半以上も先じゃないと予約が出来ない程だそうだ。
僕の場合は訪れる度に幾つか予約を入れることにしている。但し、難点もある。酒に酔っているので、一体いつの予約を取ったのかを忘れてしまうのだナ。で、優さんに電話して再確認する始末。まったくねぇ。
先月は、この三人席の真ん中でヘベのレケとなりご主人の目の前で寝落ちしてしまった。記憶がなくなって当たり前か。トホホ。
先ずはビールで乾杯だ。
この日の魚も美味しそうだナ。
ご主人、店が狭いからと携帯カメラ用魚眼レンズを貸して戴けるのだ。コレを装着して写すと、ホラご覧の様な写真が撮れるのだヨ。
凄いネ、愉しいネ。
さぁ、先ずはアイナメの薄造りから。
歯ごたえ良し、実に美味し。
お造りは、かつお、牡丹海老。旬のかつおは美味い。
目には青葉 山ほととぎす 初鰹
今の季節に相応しい名句だネ。
山口素堂が詠んだこの句には、季語が三つも入っているが、目で青葉を眺め、ホトトギスの啼く声に耳を澄まし、これで初鰹を食すことが出来たら最高なのになぁ、と詠んだのだろうか。この頃の江戸っ子は「女房を質に入れてでも、初鰹を喰いたい」と思っていたのだからネ。
この日は、誕生日の方をお招きしたので、ささやかな祝いの酒宴となった。しかも誕生日の本人持参の「黒龍」の特選吟醸を開けて貰った。
お猪口も持参。
コレは、錦糸町の『松徳硝子』が作るうすはりグラス。
蛇の目のコースターが透けるのがナイス!
店主の優さんと一緒に祝いの乾杯だ。
いつも思うが、優さんは本当に腰が低く、人当たりが良いのだナ。
寿司も美味いが、此処で過ごす時間のなんと心地良いことか。この至福の二時間を愉しみたいから、何度も足繁く通うのでアル。
続いて自家製の濃い豆乳で作った豆腐。
正に大豆の風味を味わう自慢の一品だネ。
今度は、牡丹の花の様なメバチマグロの登場だ。
これは、自分で炙って戴く。
マスタード風味のタレが、これまた合う。粒マスタードを裏漉しして同量の醤油で伸ばし、酢を少しだけ足すそうだ。
そして、京都の北、舞鶴で採れた岩牡蠣。
これも酒に合うが、次に出たホタルイカが最高でグィグィと酒がススんだのだナ。
さぁ、ここから握りが始まるのだ。
先ずは、本マグロ赤身のヅケから。
赤身の味が引き立つなぁ。
お次ぎは、香川県の赤貝だ。
愛知県の赤酢で〆たご飯に合う。
長崎県産の墨イカも美味い。
そろそろ墨イカの時季が終わるネ。
生鳥貝は裏をほんのりと炙ってくれた。
むふふ、の美味さ!
このアジも脂の乗り具合が良い。僕は小肌も大好きなのだナ。
この仕事が、目にもイイネ。
根室産のウニで握りが終了。
最後に鉄火巻きを戴いてご馳走様だ。結局、一升瓶も空になったネ。
あぁ、今回は店の中で寝落ちせずに済んだ。前回呆れてたキクさんもホッとしたかナ。
優さん、ご馳走さまでした。また、夏にお世話になります!
続いて、向かったのは神保町のビアバー『ユーロスターカフェ』だ。
此処は、キクさん手作りのスモークハムを食べる事が出来る店なのだ。
ハイ、ドヤ顔のキクさんとビールで再びカンパイだ!
だが、しかし。何と言うことでしょう!
ワタクシ此処の店で、すっかり寝落ちしていた。
気を取り直して、目覚めのビールを戴き復活!
三軒目は、神保町の酒場『兵六』の暖簾を潜る。
あいにくの満席状態だったので、暫く立ち飲みとなった。
ここでバーバラが登場し、合流。
さつま無双の湯割りで一献。
あぁ、良き友たちと酌む酒の美味いこと。五臓六腑に沁み渡るなぁ。
最後は酒朋トクちゃんとズドーンッ!とネ。
さぁ、これが怒濤の9連休のスタートだったのだナ。