こほろぎのこの一徹の貌(かお)を見よ
俳人・山口青邨が詠んだ一句だ。東京の街でも夕暮れあたり、草むらでコオロギの集(す)だく声が聴こえる時季となったネ。
リーンリーンと鳴く音色はどこか心和むのだが、この句ではたじろぐことなく、実に堂々とした、それこそ「一徹の顔」をしたコオロギの姿が浮かぶのだ。
「お前もブレるなよ!」と一匹の路傍のコオロギに叱咤激励されているかの様だ。
◇ ◇ ◇
昨日はいつも神保町の酒場『兵六』に集まる酒朋キクさんやハッシーたちと共に大人の遠足へと出掛けた。
今回はまだまだ残暑厳しくて暑気払いをもう一度しようとアサヒとキリンの二大ビール工場見学ツアーを楽しむ事にした。
朝、新宿の都庁近くの大型バス乗り場から出発。
東京スカイツリーを横に眺めながらバスは高速道路を一路茨城方面へ。
道もスムーズ、1時間で守谷市に在るアサヒビール茨城工場に到着。
広大な敷地ではビオトープなどを創り、ビール作りに最適な環境を保っている。
イナちゃん、工場の職員に扮して記念撮影だ。
なかなか、お似合いだネ。
三面マルチスクリーンでアサヒビールが出来るまでの工程を映像で拝見した。
上映が終わりスクリーンが下がると目の前は見事なビオトープの池が広がっていた。
一通り工場を見学させて戴き、お待ちかねの試飲でアル。ビールはなんてったって鮮度が命、この工場で出来たばかりのビールをこの場で飲めるのだから美味いに決まっているのだネ。
エレベーターで地上60mのAIMタワーが試飲会場だ。
関東平野を一望しながら飲むビールは最高だったナ。
先ずはスーパードライを戴いた。あぁ、美味い。朝から飲むビールは格別だネ。
イナちゃんやハッシーと乾杯!
キクさんもありがとうございます!
今回はミッちゃんの友人二人も参加。
酒好きはスグに打ち解けますナ。
今回は、国内でライセンス生産しているドイツのレーべンブロイの生も飲む事が出来た。
三杯目はダルビッシュが宣伝しているスーパードライブラックだ。
缶ビールの美味しい注ぎ方も教えて貰い皆さん大満足。
ハッシーも色々と質問してましたナ。
昔のラベルのビアマグもナイスだネ。
天気にも恵まれ、最高のビール日和となった。
アサヒビール茨城工場を後にして、我々が向かったのは鹿島灘の港町、那珂湊(なかみなと)だ。
1時間半程バスに揺られ、到着。
市場で岩牡蠣を剥いてもらった。
どうですか、見事でしょ!
クリーミーで美味かったなぁ。
キクさんもペロリ。
カミサンは夕飯のおかずを物色中でアル。
おや、キクさんたちも何か捜しているご様子。
さぁ、昼飯は『市場寿司』だ。
4人づつに別れて新鮮な魚介の握りを楽しんだ。
冷えた生酒も戴いた。
ハイ、カンパ〜イ!
生タコ、秋刀魚、タチウオ、サワラなどを握って貰った。
身がデカく、一貫で二人分ぐらいのボリュームだ。
生しらすも甘くて美味かった。
腹も満たし、海沿いを散歩。
市場で蛤と天然のブリを手に入れてバスに戻った。
隣りの大洗町の海へ移動。
めんたいこでお馴染み「かねふく」が運営する『めんたいパーク』に立寄って、めんたいこ作りの工場を見学した。
午後3時半、取手市に在る『キリンビアパーク取手』へ到着。
ほぉ、此処でハートランドビールを作っているのだネ。
ビール作りの工程は午前中にアサヒの工場でも拝見したが、こちらでは絞ったばかりの麦汁を試飲させて戴いた。
ビールの苦味を感じるジュースって感じだったナ。
この仕込み釜の部屋の中が物凄く暑いのだナ。
工場のバスにて工場内を見学。
この貯蔵タンクの中に出来立てのビールが沢山詰まっているのだヨ。
そして、また試飲でアル。
此処で造られているハートランドビールを飲まない訳にはいられない。
爽やかな口当たりでクィクィと喉を通ったナ。
一番搾り等も戴き、大満足だった。
「大人の遠足」二大ビール工場見学は無事に終了。
キクさんはグッさんと握手を交わす。
僕はこんなトリック写真を楽しんだ。
そして、ハッシーもパチリ!
嵐大好き娘のイナツキーはもちろんコレで決まり!
最後は牛久に在る『シャトーカミヤ』でワインや電気ブランを飲んで一路東京へと戻った。
この牛久ビール、買えば良かったなぁ。
帰りは上野で降りた。キクさんやハッシーは東大農学部の弥生キャンパス内に在るバー『S』へと向かったが、僕らは那珂湊の市場で仕入れた魚介を早めに調理しないとならなかったので帰宅した。
蛤は酒蒸しと網焼きにした。
ブリのカマは塩焼きにして切り身は照り焼きだ。
家に帰っても酒宴は続いたのであった。
朝から12時間の旅、酒浸りの大人の遠足は大いに満足したのだナ。
この次は「兵六散歩の会」の横須賀散歩が控えているし、秋もまた大いに呑みそうだ。