東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

日々是日記/星子に酔い、弓張りの月に吠える。

その昔、AZB(アーチェットベー)なる二人のユニットと仕事をしたことがあった。もう随分昔の事だナ。

鉄を使ったオブジェは可成りのインパクトを放ち、確か映画の装置をお願いしたのだったか、何の仕事をしたのか今はもう定かじゃない。

だが、その頃彼等がインテリアを手掛けたバーが麻布十番の仙台坂上と二の橋の間に在った。当時の僕は飯倉片町で仕事をしていたので、時おり六本木で呑んだ帰りに鳥居坂を抜けて、その酒場『スターバンク』で酒を戴いた。

僕が27歳ぐらいだったから、もう25年以上も前のことになる。西麻布のタイレストラン『ライステラス』の店主も確か、あの頃モヒカン頭で目立っていたのを思い出す。白金台に住んで居たので、良く自転車かっ飛ばしている彼を見かけたっけ。

あれから何年もの時が過ぎ、スターバンクで仕事をしていたバーテンダーのデニーさんが外苑前にバー『HOWL』を開いた事は知っていた。

芋洗坂の中腹に在った『六本木東風(トンフー)』を経て、『スターバンク』で酒を作っていたデニーさんが開いたバーと聞いただけで、こりゃおいそれとはドアを開けられないナ、と自分勝手に思っていた。

その昔、仕事仲間だった友人が背伸びして外苑前のと或るバーでデートをしていたのだが、その店は彼の予想を遥かに上回る程の値段だったらしい。公衆電話から僕に電話を架けてきて、わざわざお金を店の外まで持って行ったことがあった。

そのバーのカクテルブックなる本も持っているが、僕は背伸びしてそのバーRで飲むことはよそう。そして40歳を過ぎたらドアを開こうと決めた。

そのバーはそれから、何店も支店を開き、その内別に行かなくても良いかと思ってしまった。

同様にデニーさんのバーも、いつか堂々と扉を開くことが出来る年齢になった時に飲みに行くことにしようと思ったのだ。そして、僕ももう来月で53歳になる。

デニーさんが生み出した梅リキュール「星子」は、他のバーや家では飲んでいるが、先日ようやく『Bar HOWL』の扉を開けて、星子のカクテルを味わった。


神保町の酒場『兵六』で、偶然ライターの森一起さんと遭遇したので、彼を誘って外苑前まで移動した。
b0019140_14165395.jpg
先ずは、ホット星子で五臓六腑を温めた。
b0019140_1413091.jpg
スパイシーな香り高き星子は、湯で割ると更に芳醇な香りを放つ。

店名の「HOWL」(吠える)は、詩人アレン・ギンズバーグの詩から取ったそうだ。
b0019140_1411578.jpg
壁にはその詩が掛けられていた。
b0019140_14121754.jpg
野鳥好きの僕はアメリカ大陸をバイクで旅したデニーさんは大自然に対する思いからも何か言葉に出来ないものを感じた。
b0019140_1481561.jpg
そして、梅にはウグイスだろ、と星子のダイキリ「ホーホケキョ」を作ってくれた。実に旨かった。
b0019140_14182146.jpg
東京中の酒場を縦横無尽にハシゴしているが、本当に心に沁みる酒を戴いた。そして、懐かしい話も出たりして、社会に出てからの自分が走馬灯のように脳裏に浮かんだのだナ。
b0019140_14183737.jpg
デニーさん、ご馳走様でした。これからも宜しくお願いします。外に出ると冷たい風が顔に当たり、火照った躯を引き締めてくれた。
b0019140_14184796.jpg
一起さんもお付き合いして戴き、感謝多謝!

夜空には伊達政宗の兜の様な三日月が輝いていた。弓張りの月に向かって吠えた夜であった。
トラックバックURL : http://cafegent.exblog.jp/tb/19878283
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by cafegent | 2013-01-22 14:21 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)