今朝の朝日新聞コラム「天声人語」に出ていたのだが、〈いまの季節、「探梅にでかける」と書いたら、俳句好きの方からお叱りをいただくはめになる。〉とあった。
梅を捜して歩くことを「探梅」という。俳句では冬の季語であり、立春を過ぎた今の時季には使わない。まだ一つ二つの花が咲いた梅を、寒さが残る冬の終わりに野山に探し求めることをさす。
今年は例年に比べ寒い日が長く続き、最近になって漸く梅の花が咲き始めたところだから、「探梅にでかける」と言いたくなるのも判るよネ。
だが、俳句の世界では「観梅」や「梅見」という季語に変るのだナ。梅を探し歩くと云うよりは、庭の梅を賞でる感じかナ。
さらさらと衣(きぬ)を鳴らして梅見哉 漱石
正岡子規が病に伏せる中、漱石が子規に宛てた明治32年に詠んだ句だ。
◇ ◇ ◇
昨日17日、僕は53歳の誕生日を迎えた。社会に出てから、あっと云う間の30年が過ぎたのだナ。
カミサンは仕事に出掛けたので、いつもの公園に野鳥観察に出掛けた。
毎朝観る鳥たちが、変らずに居ることを確認するとホッとする。
この公園には小鳥を襲う猫も沢山居るし、鳩だって食べてしまう猛禽類のツミやハヤブサなども居るからネ。
二時間程、公園内を歩き、一通りの鳥が居ることを確認した。
そうそう、昨年の12月末以来姿を見せなかった鷽(ウソ)を久しぶりに見つけた。
桜の木の高い場所から鳴く声を聴いたので、探して歩くと二羽のメスが居た。
桜の芽が出て来たから、それを食べに舞い戻って来たのだろう。
午後は家の掃除を済ませ、野方の『秋元屋』へと向かった。
四時開店の秋元屋では、知った顔ばかりが並んでいたネ。
兵六仲間の内田クンとカンパイ!
半焼きタン、半焼きハツをアテに生ビールが旨かった。
酒を三冷ホッピーに切り替えて、ホッピーバースデー!なんちて。
ぼんじり塩と白レバータレも美味。
柚胡椒がイイんだナ。
豚ばらを味噌ダレで焼いて戴き、トマト割りで合わせてみた。あぁ、至福だネ。
一時間半の秋元屋を満喫し、駅前路地の『やきとり きさぶろう』へ。
二階の奥席で再びカンパイ!
鶏レバ刺しも美味しかったなぁ。
そしてマタェモンさんは、ドーンッ!とネ。
愉しい酒宴を終え、我々は高円寺まで歩くことにした。酔い覚ましに良い距離だ。
高円寺で有名な『大和鳥』を通過して、高円寺へ到着だ。
三軒目にお邪魔したのは、最近話題の立ち飲み酒場『きど藤』だ。
武蔵小山の繁盛店『晩杯屋』の板場に立っていた方が仲間と二人で開業したそうで、なるほど晩杯屋同様に懐に優しい酒場だネ。
そして、酒の肴の種類が豊富だし、呑んべい心をクスグる様な炙りしめ鯖やカニグラタン、カレーなんてのも有る。
愉しいひとときはあっと云う間に過ぎて行く。
今週も高円寺で呑むから、また『きど藤』へ来よう。
駅方面へと戻り、天ぷらの『天すけ』に寄ろうか悩んだが、頭から『ニューバーグ』が離れない。
そんな訳で、一人ハンバーグのサービスセットで誕生日を祝った。
これが、ホントの「ハッピーバーグデー」なんちて!
シンゴ君とユキちゃんから誕生日祝いに阿佐ヶ谷『うさぎや』のどら焼きを戴いた。
コレ、僕の大好物なんだよネ。本当にウレシイ限りでアル。
家に戻ると岡山の義父から酒が届いていた。
岡山と云えば『天満屋』だネ。
うさぎやのどら焼きは、餡の甘さも控えめで、美しく焼かれた皮と見事に調和しているのだ。
甘い物を食べながら呑む酒も好きなのだナ。
「奇跡のりんご」で知られる木村秋則さんの指導のもとに栽培された岡山特産「朝日米」で仕込んだ純米吟醸「奇跡のお酒」をしみじみと味わった夜であった。
誕生日のお祝いメッセージを送ってくれた皆様、本当にありがとうございました!
これからも日々呑んだくれの道を精進して歩むのだ。