東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々是日記/近づく春『寿司いずみ』で至福。

火曜日は仕事場を6時半に出て、目黒の住宅街にひっそりと佇む寿司の名店『いずみ』へとお邪魔した。
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いつもの様に入口には「準備中」の札が出ている。そう、此処は開業以来47年間、ずっと準備中なのだネ(笑)

大女将や女将さんの笑顔に迎えられ席に着いた。

先ずは、サッポロ赤星でカミサンと乾杯!なんせ、今回は誕生日祝いの酒席だからネ。
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この季節の定番名物「茶ぶり海鼠(なまこ)、海鼠腸の漬け入り」で、いずみ劇場の幕が上がる。

続いて、蟹入り玉子焼き。
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松葉蟹の内子(オレンジ色)とタラバ蟹の内子(紫色)のツメ。卵は奥多摩地鶏を使用しているそうだ。

早々に日本酒に切り替える。

ボクは秋田県山本酒造の「しぼり山本」を戴いた。
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公的種米の秋田小町9号で仕込んだ酒は、結構ガツンとくる味わいだ。

カミサンは、広島「本州一」の土居杜氏が移籍して第一弾の「旭鳳」の初しぼり。酒米「中生新千本(なかてしんせんぼん)」を100%使用した特別純米生酒とのことだ。こちらも濃い味だナ。

次の料理は、大将の故郷伊東辺りで「ヤッパタ」と呼ばれているクロシビ魳(カマス)が登場。
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梅肉醤油でヅケにしており、サッパリとして新しい食感だ。

奄美大島海峡沖で捕れた38キロ物のキハダマグロの赤身と真イワシの刺身が出る。
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刺身は、新玉ねぎの擦りおろしと和芥子(わがらし)で戴くのだナ。
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(写し忘れたので前回の画像でご勘弁!)

お馴染み白子の蒸し物は、通称「痛風蒸し」と呼ぶ。
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真鱈の白子のブツ切り、一週間味噌に漬けたあん肝のブツ切りを裏ごしした白子で茶碗蒸しにしている。
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上にかかっている餡は沖縄の海苔だ。

新作は、一番たぐり湯葉。愛知県の伊藤さんが作る湯葉だそうだ。
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ちなみに一番たぐりの次に取る湯葉は、汲み上げ湯葉、引き上げ湯葉と云う。鯖のつみれは、キウイを鯖で巻いている。サバがキウイの酵素により柔らかくなるのだそうだ。
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赤山椒を少し振りかけても美味い。本がえしの出汁と合わせてあり、実に奥深い味だったナ。
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奄美大島でマーガンと呼ばれている藻屑(モクズ)蟹の蘇鉄(そてつ)と大豆の合わせ味噌を塗って紹興酒で蒸す。仕上げはバルサミコ酢で。
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身を食べた後の蟹甲羅に燗酒を注ぎ吞む。堪らなく美味い。
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そして、最後に残った酒を皿に注ぎ、バルサミコ酢と合わせると、なんとも風味豊かかな食後酒のデザートワインの様に変化した。大将の冗談かと思いきや、実に美味い酒になったのだナ。

次の酒は石川県吉田酒造の「手取川」大吟醸二回火入れ酒。
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米は早稲品種の石川門に五百万石を掛米している。

此処から舞台は第二幕。酒の珍味へと移るのだ。

大将は「痛風まっしぐら」改め「殺人コース」と命名。
まぐろの酒盗と鰹の酒盗、共に二年物。
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蝦夷鮑(えぞあわび)の肝の醤油と紹興酒漬け。
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そして真鱈の生肝漬け。
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酒がススまない訳がない!

酒は越後村上の大洋酒造が造る「越の魂」純米吟醸に移る。
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爽やかな酸味が珍味とベストマッチだったナ。

お次は、真鱸(すずき)のからすみ、鯔(ぼら)のからすみ、鯔の卵巣の味噌漬けだ。
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本当に痛風を通り越して、殺人級だネ!(笑)

ここで大将が「ラヴィ・アン・ローズ」と言う酒を出してくれた。
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「明鏡止水」でお馴染み長野県の大澤酒造が寿司いずみの握りに合う酒として開発したのだそうだ。2012年7月に発売し、既に完売。美山錦米で仕込んみ二回火入れした純米酒で、口の中に爽やかな果実香が広がった。
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通常の酒よりアルコール度数が低く、実に飲み易く寿司米に合う味だが、この名前は何とかならなかったのだろうか?買う時にちょいと恥ずかしいよネ(笑)

「いずみ劇場」は、いよいよ終盤へ。握りの始まりだ。
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まずは、カワハギ肝のせから。
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天然のカワハギは本当に美味いネ。
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続いて、金目鯛の漬け。

今回の小鰭(コハダ)は4種類の酢〆で戴く。
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最初は赤酢〆。
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小鰭のジン酢〆。ライムの香りが素晴らしい。
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小鰭の米酢〆。
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最後は、小鰭のきび酢〆。あぁ、幸せだなぁ。

続いて、白魚の握り。
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江戸の仕事を再現しているのだネ。

こちらは、海苔のお吸い物。
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海苔の香りに心和むのだナ。

黒皮カジキの漬けを和がらしで戴く。
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スポーツフィッシングでお馴染みのブルーマリンは、この黒皮梶木でアル。

これは、墨イカ。
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ねっとりと甘く美味い。
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本マグロの血合い際は、中トロの一番美味い部位だ。

こちらは、筍の炙り。
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香ばしい匂いが堪らないナ。

〆鯖は、赤酢で〆た後に昆布〆にする。
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いやぁ、参った。実に美味い。
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さっぱりと、瓜の漬け物と沢庵で口休め。
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再び金目鯛の漬け。美味いなぁ。
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こちらは、青柳。横から見たらサイの角だナ。

酒は群馬の永井酒造が造る銘酒「水芭蕉」の吟醸が登場。品のある吟醸の香りがいつもながらに素晴らしい酒だナ。まるで、口の中に白梅の花が咲いた様な気分だ。これも握りとの愛称が抜群だった。
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イクラは昆布と醤油の冷や出汁の漬け。
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金目の白子と真子を酒と醤油とみりんで煮た沢煮。滋味だなぁ。

そして、お待ちかね焼き白子。
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むふふの舌ざわりに頬が緩む。
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そろそろ、腹が膨れてきたが、煮蛤は外せない。
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もちろん、この煮穴子もネ。三長流のツメで戴く。

最後は絶滅した「アサクサ海苔」で巻いた干瓢巻で締めた。
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江戸時代から大森海岸に於いて多摩川の伏流水で作っていた海苔だが、今では幻となっていた海苔を古賀重美さんとその仲間たちが十年の歳月をかけて復活させたそうだ。

海苔は胞子で作られるらしく、鹿児島の出水(いずみ)産の海苔を北海道で加工処理している。

海苔は「アサクサ野口種」と「スサビ種」が有り、現在全国の養殖海苔の99%以上がスサビ種と云う品種で作られている。

そんな中、現在二カ所でしか作られていないらしい。
網の消毒から加工に至るまで一切の添加物や薬品を用いず無酸処理で手間を惜しまずに作っている貴重な海苔なのだネ。一番摘みだけに1枚300円もする海苔を今回50枚手に入ったそうで、この本物の浅草海苔で巻物を戴いたのだナ。
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生産者の古賀さんは残念ながら2009年にお亡くなりになられたが、この幻の海苔は復活され今も作り続けられている。
太陽の光を浴び、アミノ酸が出来ているので、甘く濃厚で風味も良い。

握りは全部で19貫戴いた。
さぁ、これにてこの夜のいずみ劇場の終演だ。

正月のお節料理以来だったが、本当に此処は素晴らしいひとときを過ごすことが出来るお寿司屋さんだナ。

大将の食に対する意欲と情熱を駄洒落混じりにたっぷりと堪能し、酒も大いに愉しんだ。あぁ、満足満腹だ。
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帰り際、大将から誕生日のお祝いにと名物の太巻きを戴いてしまった。
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最後の最後まで温かいおもてなしに感謝!

此処は季節毎に食べに来るのだが、歩いて帰れるのが何より便利なのだナ。夜風に酔いをさまし林試の森公園を抜けて武蔵小山駅へと歩く。

路地に入り、行きつけのバーで酒を戴いた。

今年も素敵な誕生日を祝って貰った。カミサンに再び感謝しなくちゃ!
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by cafegent | 2013-02-20 19:47 | 食べる | Trackback | Comments(0)