東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々是日記/風立ちぬを観て、アヒルストアへ!

   “Le vent se lève, il faut tenter de vivre”
       風立ちぬ、いざ生きめやも

宮崎駿監督の五年ぶりの新作映画「風立ちぬ」を観た。
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渋谷の映画館で観たのだが、宮崎アニメにしては珍しく子供より大人の方が多かった。
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映画の主人公である堀越二郎は実在の人物であり、宮崎監督は初めて実在の人物をモデルにした映画を製作したそうだ。

堀越二郎とは、七試艦上戦闘機、九試単座戦闘機、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)の設計などを手掛けた航空技術者だ。もっとも僕はこの映画の発表時まで知らなかったが、国産旅客機YS11の設計も行い、東大宇宙航空研究所の講師や防衛大教授なども歴任した方らしい。YS11機は幼い頃、札幌東京間の度に乗っていた飛行機だったので、実に親しみが湧いた。

宮崎監督は、堀越二郎の半生に同時代に生きた作家堀辰雄の小説「風立ちぬ」の話を盛り込んだところが面白かった。
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小説「風立ちぬ」は堀辰雄自身の自伝的小説であり、語りべの「私」が晩夏の避暑地で節子と云う美しい女性と出逢う。そして、彼女に恋をして、生活のメドが立ったら結婚しようと決め、婚約をした。だが、彼女は結核を患っており、高原のサナトリウムで療養しなければならなかったのだネ。

最初の章から最後の章まで、「風」の流れを感じる小説だった。

作中に登場する「風立ちぬ、いざ生きめやも」という有名な詩句は、ポール・ヴァレリーの詩『海辺の墓地』の一節を、堀辰雄が訳したもの。

死の訪れを感じている婚約者を支えながら、懸命に生きなければならない。堀辰雄は実際に婚約した1年後に彼女をサナトリウムで亡くしており、彼女と出逢った軽井沢の避暑地でこの小説を書いたそうだ。

航空技師堀越二郎と薄幸の美少女菜穂子との恋を織り交ぜ、そこに二郎の夢の世界が絡み合う、なんとも不思議な映画だった。

関東大震災が起きた後の東京復興の勢いと戦争へと突き進む日本帝国の姿が、東日本大震災以後の今の日本と重なり合うのだナ。

自民党の圧勝で「憲法改正」への懸念が高まるばかり。映画を見終えて、この先の日本の姿がどの方向に向かって行くのか、重く心に残った。

ただ、ひたすら純粋に美しい飛行機が作りたい。主人公の二郎は幼い頃からの夢を実現し、航空機の設計に取り組む。だが、実際には戦争に使われる道具に過ぎず、飛び立ったら戻っては来ない。兵隊たちを死の谷へと運ぶゼロ戦を作った。

この映画では戦闘シーンが少ない。宮崎監督は、戦争をあえて描かないことで「戦前回帰」しそうな今の政治思想へのアンチテーゼを試みたのだろうか。
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映画のキャッチコピーに書かれた「生きねば。」の文字は、実に強い。

東日本大震災を乗り越えて懸命に生きている人たち、原発事故で生まれた街を離れて生きている人たち、これから未来を生き抜く全ての人たちに向けて訴えているのかもしれないネ。
     ◇          ◇          ◇
閑話休題。

さて、昨日は映画を観終えた後、渋谷のワイン酒場『アヒルストア』に出掛けた。

午後6時半、店を訪れると既に満席で賑わっていた。
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相変わらず凄い人気だなぁ、と思いつつ奥の樽席へ。
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今回は酒朋コカ爺ぃこと小梶さんが予約を入れてくれた。それに僕ら夫婦と「元秋元屋冷蔵庫前、現在やきや」のユリちゃんの4人だった。

先ずはハーフパイントのビールで乾杯!
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猛暑に戻った東京の夕暮れ、ビールが旨いネ。
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最初の一皿は、玉ねぎのパイから。
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白ワインは微発泡で辛口、甘いタマネギに良く合うのだナ。

続いて、ポテトサラダを戴く。
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独特のポテサラは必ず頼んでしまう。

和歌子さん手作りのパンは、フランスパン、カンパーニュ、それに胡椒の効いたフランスパン。
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どれもが本当に美味しい。このパンに合わせるのは、パテだ。
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付け合わせの大根のピクルスもさっぱりとして美味しかったなぁ。

白の次は赤ワインを抜いてもらった。
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そして、ブーケガルニが効いた塩もつ煮込みの登場だ。
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シロやハチノスが良い塩梅で煮込まれていた。汁をたっぷりとパンに浸して口へ。あぁ、もう堪らん。この煮込みも病みつく美味さだったナ。
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店主の輝彦さんにお次のワインを選んで頂く。
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三本チョイスして戴いた中から、ジュラのビオワイン「アルボア・ピュピヤン」をセレクト。
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ロゼの様な赤ワインは独特の酸味で飲む程に味が変化するのだ。

そして、デーンと登場したのは丸ごとピーマンの肉詰めトマトソース。
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このボリュームに圧倒され、お腹も十分に満足したのだナ。

『アヒルストア』は本当に居心地が良い。料理は何れもボリュームがあり、ワインに合うものばかり。手頃な価格帯も実にウレシイ限り。

ビオワインのことは、輝彦さんに伺えばベストな物を薦めてくれるし、言う事無しだネ。
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最後はデザートのカボチャのケーキを戴いて、ご馳走様!

店の外では次々と席が空くのを待つ方々が訪れていたネ。
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輝彦さん、和歌子さん、美味しい料理とワイン、ありがとうございました。
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そして、コカ爺ぃに感謝多謝!また次回もヨロシクね!
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輝彦さんが上梓した本も購入したし、ビオワインをもっと知ろう。

『アヒルストア』を出た我々は、書店『SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERS』を訪れた。此処、SPBSは出版社と本のセレクトショップが一緒になった所なのだ。コカ爺ぃは小さなサボテンの鉢植えを買っていた。カミサンも欲しい本を見つけてゴキゲンだった。

続いて向かうは道玄坂百軒店のラブホの前のロック酒場『WOKINI』(ウォキニ)へ。
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此処も気心しれた酒場でアル。ジン&ソーダを戴きながら、80年代のロックに酔いしれた。
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コカ爺ぃがリクエストしたドナルド・フェイゲンも懐かしかったし、店主の黒瀧光祐クンも元気そうでなによりだったナ。
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二杯目のギネスを飲み干して、ご馳走様!

この夜の三軒目は渋谷駅近くの雑居ビルの上だ。『Bar Music』のドアを開けると心地良い音楽が響いていた。

此処は元カフェ・アプレミディの中村智昭さんが三年前に開いた店。
今はムジカノッサを主宰し、DJや選曲家として活動する傍ら、この店を営んでいるのだネ。
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実家が広島市で60年も続く自家焙煎珈琲の店『中村屋』と云うだけに、此処の珈琲も評判だネ。
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真夏の夜、カイピリーニャが旨い。雨上がりの渋谷は、昼間と変らない程に人で溢れていた。夕べはそんなにヘベのレケにならなかった。都会の雑踏を抜け、家路へと戻ったのでアール。
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Commented by mkokochiki at 2013-07-27 09:08
やっぱり涙なしには見れなそうな映画だなぁ・・・。
アヒルストア気になるわ~。
by cafegent | 2013-07-25 14:24 | 食べる | Trackback | Comments(1)