暦の上ではディセンバー、じゃなくて「立秋」に入った。七十二候では「寒蝉鳴」(ひぐらし、なく)の頃。寒蝉(ひぐらし)が鳴き始める時季と云う訳だ。
それにしても、連日東京も暑い日が続いている。体温より温度が高いのだから、こりゃ身体も変になるよネ。
蜩(ひぐらし)は夏の蝉だけれど、俳句では秋の季語でアル。夏の夕暮れ時、カナカナカナ、と鳴く蜩の声は涼しげで、猛暑の中でひとときの涼を感じることが出来るのだナ。
蜩の鳴いて机の日影かな 正岡子規
◇ ◇ ◇
さて、昨日は大人の遠足、青春18きっぷを使って小旅行を愉しんだ。
先ずは、東京駅構内グランスタに入っている『はせがわ酒店』へ。車内で呑む酒を買い込む前にカウンターの日本酒バーコーナーへ。
此処は朝7時から美味しい日本酒を楽しめるのだナ。通勤の方々を尻目に、朝酒は旨い。
高知の浜川商店が造る「美丈夫 舞 純米大吟醸うすにごり」を戴いた。フルーティな味わいで爽やかな発泡の酒で、この季節にうってつけの一杯だったナ。
酒と肴を買い込み、酒朋キクさんとマタェモンさんと改札で合流した。
快速アクティのグリーン車に乗り、いざ「居酒屋グリーン」の出発だ!
キクさんがハワイで見つけて来たハワイアンビール柄のアロハは、最高に旅気分を高めてくれるネ。
僕はキリンクラシックラガーからスタートだ。
崎陽軒のシウマイをアテにビールが旨い。
スキットル2本持参のキクさんが旨いハイボールを作ってくれた。
キンキンに冷えて最高だ。そして、日本酒は高知の酒。
アリサワ酒造の「文佳人」は、辛口で旨い。
マイNMBE猪口で、いい旅夢気分でアル。車窓からは海が見えてきた。
居酒屋グリーンは熱海まで。此処からはローカル線で伊東へと進む。
午前11時、伊東駅に到着だ。
気温は既に36度、空気がモヤって見えるのだナ。
駅前の道では、巣立ちしたばかりのツバメが親鳥にくっついて飛び廻っていた。
此処まで来たのだから海へ出よう。
だが、僕らはスグ「もつ焼」の文字に惹かれるだネ。
川沿いの老舗旅館『東海館』は渋い佇まいだ。
僕らもこんな処に泊まってみたいものだナ。
うみねこの群れを眺めながら、海岸へ。
砂浜は人で一杯だった。
最近の海水浴はテントが多いのだネ。
潮風の中、海岸散歩を終えて、朝のスナック街を抜ける。
さぁ、今回の目的地『福みつ』さんに到着だ。
此処はラーメンと餃子の店だが、昭和がそのまま残っている渋い佇まいの名店だ。
朝8時から深夜まで開いており、漁を終えた漁師が朝酒を楽しんだり、近所のオバちゃんたちの憩いの場にもなっているのだネ。
キクさんは青春18きっぷの旅に必ず此処を訪れるそうだ。そんな訳でキープしている寶焼酎の紙パックのご相伴に預かることにした。
焼酎は水と濃い抹茶で割るのだネ。
粉の抹茶を丁寧にお湯で点ててくれるのがウレシイ限り!
小さな巻貝の尻高(シッタカ)は楊枝でクルリと出して口へ放り込む。
あぁ、伊東に来た甲斐が有ったネ。最高に美味い酒のアテだ。
茄子とインゲンの煮浸しも美味い。
此処は昼間はクーちゃんこと久美子さんが一人で切り盛りし、朝から酒が呑めるのだ。そして、夜はクーちゃんのお母さんが交代で入り、深夜までラーメンと餃子を作ってくれる。
最近まで年中無休だったのだが、お母さんも80歳を過ぎて無理がたたらない様に月に1度だけ休みを設けたそうだ。それだって凄いことだネ。完全に脱帽でした。
小降りの鯵の干物も美味い。
冷や奴も良い酒のアテだネ。此処は黙って座れば、どんどん料理が出てくるのだヨ。まるで、有楽町の『ミルクワンタン鳥藤』の様だネ。
汗をかきかき、クーちゃんはせっせと料理を作ってくれる。
今度はチーズ揚げワンタンだ。これまた美味かったなぁ。長ネギたっぷりの卵焼きも最高だった。
たらふく食べて、抹茶割りもクィクィとススんだネ。
〆にはやっぱりラーメンでしょ。
昔懐かしいガラスープの醤油味に細麺がベストマッチ。
分厚いチャーシューにメンマ、そしてナルトだネ。このシンプルさが素晴らしいのだナ。
あぁ、大満足の『福みつ』さんでした。クーちゃん、ありがとうございました!感謝多謝!
キクさん再び焼酎をキープしたので、また行きましょうネ!
酔い覚ましに再び海へ。
海岸沿いを歩き向かったのは公衆浴場『汐留の湯』だ。
公衆浴場と言っても伊東温泉の源泉掛け流しの湯でアル。
入浴料も250円で、貸しタオルも無償で貸してくれるのが、これまたウレシイ限り。
伊東の海を一望出来る銭湯でたっぷりと汗を流し、リフレッシュできた。
今回は静岡まで遠出をせず、これにて東京へ戻ることにした。
伊東を後にして、熱海から再び居酒屋グリーンへ。
残った酒を飲み干して、神田へ向かったのでアール。