日々是日記/根岸『鍵屋』で夕暮れ酒!
2014年 05月 22日
今回の展覧会では、ローマから戻った69歳のバルテュスが亡くなる2001年までの晩年を過ごしたスイスのロシニョールに在る「グラン・シャレ」内のアトリエが展覧会場内に再現された。画家がどんな空間で絵を描いていたのか、あたかも其処に本人が居るかの様に当時の道具も含めて再現されていた。
今月25日のNHK「日曜美術館」にて「バルテュス 5つのアトリエ」が放映されるので、来週以降は可成り混むだろうネ。
展覧会は6月22日(日)までなので、皆さんも是非観ては如何かナ。
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閑話休題。
今週は東京に居たので、馴染みの酒場へと出掛けてみた。
目黒からJR山手線に乗って鶯谷へ。改札を出るとまだ空は明るかった。午後五時半を廻り、鶯谷の北口ラブホテル街を歩く。そして、当然のお約束の様に年齢不詳のお姉さん方に声を掛けられる。どうみても40代かそれ以上だと思うが、1980年代に流行ったボディコンシャスな衣装を身に纏った三人が立っていた。
二十四時間営業の居酒屋『信濃路』に夜遅く立ち寄ると、そのどうみてもプロの女性とそのヒモなのかマネージャーなのか微妙な男が一緒に酒を飲みながら談笑している光景を目にする事が有る。そんな訳で、なるべくならば女性たちは南口へ出た方が良いかもネ。
言問通りを渡り、鶯谷駅下の交差点の手前の路地を入る。またスグ左手に折れると目指す酒場『鍵屋』の暖簾が見える。
開け放たれた玄関から暖簾越しに初夏の風が店内へと入り込む。その心地良い風に乗る様に僕もスゥーッと中へ入った。
五時口開けだが、既に多くのお客さんが入っていた。小上がりにもお客さんが居り、辛うじてカウンターの角に独り座ることが出来た。
分厚い楓(カエデ)の木のカウンターはモノ言わぬが、自然に客の背筋を伸ばしてくれるかの様だ。此処に座ると自分も随分と大人になったものだと再確認出来るのだナ。
この日のつまみは煮豆だった。夏になると心太(ところてん)になったり、煮こごりが出たりする。何れも酒がススむものばかりに心が弾むのだ。
名物・鰻のくりから焼きは、この時間で売り切れだった。これは残念。だが、合鴨塩やきを串打ちしたとのことで、そちらを焼いて戴いた。
これからの季節は、冷や奴や煮こごりで一杯酌(や)るのも良いネ。
この日は父娘で一献傾けているお二人と隣り同士になった。
そして、この素晴らしき東京の居酒屋を選んだお父さん、最高だよ。本当にカッコイイ!
「バルテュス展」紹介のサイト