日々是日記/東京の初夏の風物詩朝顔市へ!
2015年 07月 08日
七夕の日に降る雨を『催涙雨』と言う。彦星(牽牛)と織姫の涙が雨になったものと云われている。それは、二人が逢った後に再び別れるときに流す惜別の涙か、逢えなかったときに流す涙だとか。どちらにせよ随分とロマンティックな話だネ。
入った店は『Cafe de RaMo』と云う店でワインとアボ豚料理の店だった。「アボ豚」とは、アボカドオイルで育てた豚だそうで、イベリコ豚の様なブランド肉なのだネ。
そして、夕方5時になった。言問通りを鶯谷駅方面に戻り、根岸の居酒屋『鍵屋』の口開けにお邪魔した。店に到着すると丁度賢太郎さんが暖簾を出しているところだった。
僕らの他にも朝顔の鉢を抱えたお客さんが入って来た。朝顔を間違えない様に女将さんが札をつけてくれた。嬉しい心遣いに感謝!
入口側の焼き台前に座り、桜正宗のぬる燗をお願いした。「鍵屋」では数種類のお猪口が有るのだが、僕にはいつも一番大きなぐい飲みが出てくるのだナ。これだと、ついつい呑み過ぎてしまうのだヨ(苦笑)
年季の入った分厚い楓(カエデ)のカウンターを前にすると、自分がこの酒場に見合う年齢になったのだナ、としみじみと感じてしまう。
お通しは、お馴染みの煮豆だ。
心太が酒のアテになるなんて粋だよネ。
開け放たれた玄関の暖簾越しから時折心地良い初夏の風が流れ込んでくる。首の後ろに風を感じながらぐい飲みを口へと運ぶのだ。
そこへ香ばしく焼かれた鰻のくりから焼きが登場した。
二本目のぬる燗と共に冷や奴が来た。
口開けから15分も経たない内にカウンター席も小上がりの卓もお客さんで一杯になった。またもや朝顔市で鉢を買って来た方が居て、入口脇には朝顔の鉢だらけになっていた。
合鴨串も焼いて戴いた。賢太郎さんの塩加減が実に上手いのだナ。
三本目の徳利も空いたので、ご馳走さま。
午後6時半、外はまだ明るい。言問通りを渡り階段を昇りJR鶯谷駅へ。此処から秋葉原経由で神保町へと移動した。
地下鉄の階段を昇ると四角い空が見えた。暮れ泥(なず)む東京の空では、彦星と織姫が無事に出逢えたのだろうか。
喫茶『さぼうる』や『ラドリオ』『ミロンガ』の在る路地を抜けて、酒場『兵六』の縄のれんを潜る。馴染みの顔が既に呑んで居た。
友人のカミサンも合流し、七夕の夜の酒宴は愉しく続いたのであった。