日々ヘベレケ日記/雨降る中、青春18の旅!
2015年 09月 10日
野分(のわき)の風が吹き荒れて、秋霖(しゅうりん)が続いている。
台風が浜松を直撃していた昨日、僕は今日が最終日の青春18きっぷを使い切るために列車の旅に出た。まさか、栃木に大雨警報が発令されるとは思いもよらなかったので、品川駅から東海道本線に乗り黒磯へと向った。
宇都宮まではグリーン車が有るので、快適な「居酒屋グリーン」を堪能することにした。品川からの旅は新幹線に乗る場合は駅弁「貝づくし」を買うのだが、コレが意地悪く新幹線の改札の中にしか売っている駅弁屋が無いため、普通列車の旅の場合は「深川めし」弁当にすることが多い。
さて、駅弁と缶ビールを持ってグリーン車に乗り込むとなんと通路まで人が立っており大混雑だ。これはグリーン車に乗った意味が無いじゃないか。だが、次の新橋駅でドッと人が降りたのでソコからは二階席の窓側に座ることが出来た。朝の通勤時は、結構な数の会社員がグリーン車を利用するのだネ。
列車が上野を出発したところで、缶ビールをプシュッと開けた。
大粒のアサリと煮穴子も旨そうだ。おや、何かが違う。何か足りない気がするナァ。と、じっくりと俯瞰で弁当を覗き込むと漸く気が付いた。
そう云えば、この深川めし蓋のデザインがいつもと違っていた。そしてネットで検索してみると、この弁当は「NRE大増」が作っていた。折り詰めで有名な「日本ばし大増」が駅弁として売り出していたのだネ。
あぁ、ガッカリだ。馴染み深い深川めしは、JR東海パッセンジャー製だったのだ。こちらはちゃんとハゼの甘露煮が入っているのだナ。だが、こうやって一度ミスをしておけば、次回からは間違えることはない。と気持ちを切り替えてあさり飯を頬張るのだった。
鹿の湯は、芭蕉が「奥の細道」の旅の途中で立ち寄った温泉だ。
石の香や夏草赤く露あつし
那須の史跡「殺生石」の近くにこの句碑が建っている。芭蕉が殺生石の有る場所を訪れ詠んだ句だが、この辺りの硫黄臭の強い温泉により夏草が赤く枯れて露も熱かった様子を句にしたのかナ。
温泉に浸かる前にかぶり湯を頭からかぶるのだ。硫黄の匂いが立ち込める湯場には、温度が41度、42度、43度、44度、46度、48度の6つの湯船が有る。僕は順番に総ての湯に浸かる。腰まで1分、胸まで1分、首まで1分を各湯船で行うのが良い。そうそう、砂時計も貸してくれるので利用すると好い。46度と48度は初めての人にはススメられないかナ。44度ぐらいで慣れてくれば、次へ進んでみよう。
湯船の縁で休みながら、48度に三度浸かり湯を出た。木枠の窓の外では雨が激しくなっていた。流れる川も激しく揺れている。
「鹿の湯」公式サイト
再びバスに揺られ、黒磯駅へ。此処からまた各駅停車の列車に乗って宇都宮駅へと向った。
JR宇都宮駅から田川を越えて真っ直ぐ東武宇都宮駅方面へと歩く。
先ずは『めんめん』の羽根付餃子を戴こう。
よし、もっちりした皮が美味い『香蘭』に決めた。
本町の交差点を左折し中央通りへ。二本目の路地を曲がった所に地ビールが美味しい『BLUE MAGIC』が在る。
此処は店の奥に併設された醸造所のタンクを眺めながらビールを愉しめるので、醸造所で飲んでいる気分を堪能出来るのだナ。二杯目は、とちおとめ苺を使ったビールだ。
暫くすると数人のお客さんが入って来た。女性二人組は、4種類のクラフトビールが味わえる「本日のテイスティングセット〜異味四飲〜」を楽しんでいる。
最後に「U.S.Aペールエール 初秋バージョン」を戴いた。こちらも飲み易いビールだったナ。今回は三杯ともブルーマジックが製造したビールを味わった。
外へ出ると雨が一瞬止んでいた。
こりゃもう雨を振り切って走ろう。と目の前の細い路地へダッシュ!
そう、居酒屋『庄助』の口開けに向ったのだ。
入口正面のカウンターに腰を降ろした。大雨となったこの日も此処は相変わらず繁盛している。奥の座敷席もテーブル席も総てが予約で埋まっていた。カウンターの数席を残して殆どが予約席だった。
おしぼりで顔にかかった雨を拭い、ホッと一息。会津の酒「末廣」をぬる燗で戴いた。
続いて、新秋刀魚の刺身を戴いた。
三本目の酒をお願いすると、そこへカニクリームコロッケが登場した。
ハフハフしながらゆっくりと噛めば、サクッとした衣の間からトロリとカニのベシャメルソースが口へ溢れるのだ。あぁ、至福のひとときだ。
続々と予約のお客さんが入って来る。外の雨は激しさを増して来た。これは早めに切り上げた方が無難だナ。と、三本目のお銚子が空になったところでご馳走さま。
秋から冬になったらきのこ鍋の時期となる。また、その頃にお邪魔するとしよう。通りに出るとタイミングよく客を降ろしたばかりのタクシーを拾うことが出来た。
強い雨にフロントのワイパーも役に立たない様子だ。濡れた路面にクルマのヘッドライトが照り返し、余計に前が見えにくくなっている。それでもタクシーのドライバーさんは慣れた手つきでハンドルを操り僕を無事に宇都宮駅へと送り届けてくれた。感謝!
ところが、駅へ入ると東海道線が豪雨のために止まっているではないか。さぁ、困ったと別のルートで東京へ戻る術を模索していると、そこへ場内アナウンスが響いた。なんと新幹線での振替輸送を開始するとのことだったのだ。すかさず、新幹線の改札へとダッシュ!この日、二度目のダッシュだったナ。
駅員さんに「新幹線振替乗車票」を戴いて改札を抜けた。そして東京方面行きのホームを目指し再び階段を駆け上る。
東京駅からは再び青春18きっぷを用い、目黒まで移動した。予定より二時間も早く戻れたので、再び武蔵小山の酒場へと向ったのでアール。