東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々是日記/結婚記念日に旨い寿司で酔う!

四月も20日を過ぎ、暦では「穀雨」を迎えたネ。穀雨とは春の雨のこと、その名の通り穀物を育むのに「恵みの雨」となる訳だ。
春の長雨は「春霖(しゅんりん)」と云うが、熊本での雨は続かないで欲しいと願うばかり。
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一年の季節を72種類に分けて表現する七十二候では「葭始生」(あし、はじめてしょうず)の時季。春爛漫の桜が散り、今度は水辺に葦(あし)が生え始めた頃となる。芽吹いた葦は、これから夏に向かってどんどんと背を伸ばすことだろうネ。

     日の当たる水底にして葦の角(つの)   高浜虚子

葦の角とは、葦の若芽のこと。春先の水辺に咲く若芽は角のように尖っており、牙の様にも見えることから「葦牙(あしかび)」とも呼ばれている。葦の角も葦牙も共に水温む春の季語でアル。

    葦牙(あしかび)のごとくふたたび国興(おこ)れ

現代を代表する俳人、長谷川櫂さんが東日本大震災の後に読んだ句集に収められた一句だが、尖った剣のごとく天に伸びる葦の如く、再び国が復興することを願う前を向いた名句だナ。

今回の熊本地震のニュースを目にしていたら、この句を思い出してしまった。
     ◇           ◇           ◇
閑話休題。

一昨日四月二十日は、我が家の結婚記念日だった。毎年、この日は美味い天ぷらを食べに出掛けていたのだが、今回はカミサンが寿司を希望したので、知り合いがオススメしてくれた銀座の寿司店にお邪魔した。

場所は銀座のコリドー街の一角、大好きなバー『ロックフィッシュ』が入っている雑居ビルの三階だ。午後6時半、タイミングよくビルの一階でカミサンと合流出来たので、二人でエレベーターに乗り込んだ。

小さな入り口にえんじ色の暖簾が下がっている。
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洒落た手書きの『鮨処やまだ』の文字が染め抜かれていた。

ガラリと戸を開けるとカウンター8席程の小体の寿司店だった。美しい木造りのカウンターの中から格闘家の如くガッシリとした身体つきの大将が笑顔で出迎えてくれた。その奥では多分大将のお母君だろうお方が店を手伝っていた。
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先ずは喉が渇いていたので、生ビールをお願いした。

小体ながら清潔感溢れる店の上品な雰囲気は、さすが銀座の寿司店ならではの設えだ。無事にこの日を迎えられた事への感謝を込めてカンパイをした。冷えた生ビールをゴクリ!クゥーッ、美味い!

此処は握りのみの直球勝負の店でアル。大将にお任せし、僕らはひたすら握りを喰い酒を呑むのだナ。

先ずは、マコガレイの握りから。
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口に入れた途端に旨味がじわっと広がった。粕酢と米酢を合わせた酢飯は、固めに炊いてある。大将、大きな体とは裏腹になんとも軽く酢飯を握るのだネ。魚の味を存分に発揮できるようにご飯がハラリと口の中で解けてゆくのだ。

二貫目は、クロムツだ。
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旨味が凝縮されていて、思わず二人で唸る程だった。続いて、アオヤギだ。こりゃ、早速日本酒を戴こう。酒も大将にお任せだ。岡山・倉敷は十八盛酒造の地酒「多賀治」を注いで貰う。おぉ、程よい辛味と呑んだ後の爽快感が実に旨い酒だ。貝の旨味の余韻を直汲みの純米酒が包み込むって感じかナ。

四貫目も貝でアル。
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トリガイも最高だ。

続いて豊後水道で獲れた関イサキだ。こちらも数日間寝かせたのだろうか。イサキの柔らかい白身は、ねっとりと旨味が増しているようだ。
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最近、熟成肉が大流行りだが、此処の大将も熟成にこだわっている。だが、いちいち説明などせずに淡々と握り、差し出してくれるのだネ。だから、こちらは出されたら直ぐに口へと運び、感動し続ければ良いのだナ。ゆえに、酒もススむススむ。もうクィクィとグラスが空いていく。

お次は三重の鰆(サワラ)の握りだ。
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そろそろ旬が終わりの魚だが、絶妙な仕事ぶりに脱帽だ。

続いて登場したのは、椎茸の握り!それも今話題の徳島県阿波の「しいたけ侍(ざむらい)」を焼いて握りにしてくれた。
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水分を極力抑えた栽培方法で旨味を濃くした椎茸なので、香りも高く自然の旨味がぎっしりと詰まっており、酢飯との相性も抜群だった。この握りは大将の自慢の一つだそうだ。納得だナ!

そして帆立貝の握りだ。
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旨い!続いて車海老だ。
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茹で具合も良く、海老の甘みが際立っていたナ。

海老の余韻に浸りながら酒を口に運んでいると目の前で大将が大きな北寄(ホッキ)貝を切っていた。そしてそれを炙りにしている。見ているだけで、涎が垂れそうになった。

ホッキ貝の炙りも大将の自信作だそうだ。
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ホッキに目がない僕らは、このピンク色の貝の旨味の虜でアル。あぁ、口いっぱいに大海原が広がっていく。今まで食べたホッキ貝の中でも一番好きかもしれないナァ。
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酒は三重の「瀧自慢」を戴いた。
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生原酒無濾過の純米吟醸は、三重の山田錦と神の穂を掛けて仕込んだ酒で、スッキリとした口当たりで握りとの相性も良いネ。

続いて細魚(サヨリ)の握りだ。
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これは何日間熟成させたのだろうか。むふふ、の美味さだナ。

そして春子鯛(カスゴダイ)だ。
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これも春の魚で「桜鯛」ともよばれているネ。今しか味わえない魚を最高の仕事で仕込んでくれているのだから、幸せ独り占めって感じだヨ。

十三貫目は関アジだ。
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こちらも佐賀県沖豊後水道の一本釣りの真アジだネ。ギュッと締まった身は、ヒラメや鯛以上に美味かった。

そして、大将が自信を持って「お次はメインの小肌」と言う握りの登場だ。
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おぉ、文句なしに旨い!絶妙な〆具合で、まるで160キロの直球ストレートを受けた様な衝撃だ。
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最後は卵焼きを戴いた。
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帆立と北寄貝、トリガイをすり身にして作った卵焼きは濃厚な味わいで素晴らしかったナァ。

まだまだ呑み足りなかったので、もう少し握って貰うことにした。
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蝦蛄(シャコ)も旨い。
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このキンキの炙り(だったかナ)も美味かった。
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酒は長野の「鼎(かなえ)」の純米吟醸を戴いた。
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カミサンは秋田の「天寿」純米吟醸の生酒だ。鼎はフルーティな吟醸香が素晴らしく、キリッとした酒だったナ。

そして熟成させたマグロの握りを戴いた。
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何日間熟成させたのかは聞かなかったが、旨味が何倍にも増している。これも酒がススむナァ。

続いてホワイトアスパラガスの握りだ。
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香ばしく焼かれた上に細かい削り節が乗っていて美味かった。

追加の最後は穴子の握りだ。
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ふっくらと仕上げてあり、ツメもあっさりとして素晴らしい味だった。

存分に食べて呑んだ。やまだ劇場、最高に素敵なひとときだったナ。カミサンも終始笑顔だったし、良い結婚記念日となった。

他のお客さんも居たのだが、大将仕事の手を止めて店の外まで見送りに出て来てくれた。こんな気遣いも僕らを幸せにな気分にしてくれるのだネ。
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大将、ご馳走様でした。次回、また違う季節に訪れよう。またお気に入りの店が一軒増えた。

そして、階を降りて『ロックフィッシュ』のドアを開いたのでアール。
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シュワシュワ〜ッとカンパイ!では、またネ!
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by cafegent | 2016-04-22 16:39 | 食べる | Trackback | Comments(0)