日々ヘベレケ日記/四万六千日、浅草を呑む
2016年 07月 14日
あぁ、もう何度も書いているのだが、黒門町の桂文楽師匠の十八番(オハコ)の落語『船徳』を聞かないと僕の夏は来ない。
毎年、七月の九日・十日の二日間に開かれる浅草のほおづき市は「四万六千日」と呼ばれいる。この間に浅草の観音様にお詣りすると、46,000日お詣りしたのと同じだけの功徳が得られるとされているのだナ。これはなんともトクした気分に浸れるのだナ。しかし、よくよく考えてみれば、一度お詣りをすれば、その後126年間はお詣りしなくてもご利益が有るってことだよネ!ハテ?
九日、土曜日は朝から文楽師匠の落語を聴いて気分を盛り上げた。本当は浴衣姿で出かけたいものだが、外は生憎の雨降りだ。浴衣は梅雨が明けるまでお預けとした。
午前中だと云うのに、浅草は尋常じゃない人だかりだった。沢山の外国人観光客の渦を掻き分けて、雷門から仲見世をまっつぐと歩く。
仲見世を脇にそれて、国際通りへと歩く。
明治期に創業した老舗の風格は、通りから「どぜう」の文字が見えた辺りから胸が高鳴ってしまうのだ。
今回は、ドジョウが初めてだと云う我がカミサンも初挑戦だ。
昼を少し回った時刻にお邪魔したが、幸い待つこともなく入ることが出来た。解放感溢れる店内には時折外からの風が入り込み、心地良い。
お運びのお姉さんが「マグロぬた」を届けてくれたので、冷酒もお願いした。
肴をつまみながら酒を酌(や)っていると、お待ちかね「どぜう鍋」(丸鍋)が運ばれてきた。
山椒と七味を振り掛けて熱々を口へと運ぶのだ。あぁ、夏は京都のスッポン鍋と東京のどぜう鍋に限るナァ。骨まで丸ごと入ったドジョウは歯ごたえがよく、シャキシャキのゴボウとの相性も抜群だネ。
二人前のどぜう鍋を食べ終える頃に「うざく」がやって来た。
4本目の冷酒と共に「ヌキ」(ほねぬき鍋)が運ばれて来た。
こっちは、ドジョウを捌いて丁寧に骨を取り除いてあるから、ドジョウが初めての方でも比較的食べ易いのだナ。
よし、ドジョウもたっぷりと味わったし、〆にしようか。ダンディさんとカミさんは蒲焼と白飯を頼み、僕は鰻重をお願いした。
ペロリと平らげ、ご馳走さま。
再び浅草寺近くまで戻って来た。雨も降ったり止んだりだナ!
次に向かったのは『サンボア・バー』だ。
仄かに感じる柑橘香が、美味いハイボールを口へと導いてくれるのだ。
ジトッとした梅雨の鬱陶しさを払拭してくれるようだナ。
僕はミントジュレップにして、カミサンはモヒートをお願いした。
ご馳走さまでした。見送ってくれた若手のバーテンダー君とパチリ!
ほろ酔い気味の躯を癒そうと、甘味処へと向かうことにした。
この季節、冷たいかき氷を求めてどの店も混んでいるのだろうナァ、と人気の「花月堂」や「梅むら」「いづ美」は素通りだ。
そしてお邪魔したのは、新仲見世通りに在る「かと里」だ。此処は食堂ながら、甘味処としても人気を誇っている。
僕は宇治金時のかき氷を選び、カミサンは宇治金時白玉にして、ダンディさんは宇治金時ミルクに白玉の追加をお願いしていたヨ。
良い塩梅に炊いてある小豆が美味い。