日々是日記/たまには若者に交じって巷の繁盛店へ!
2017年 07月 05日
この半夏生の時季に花を咲かせるのがハンゲショウ(半夏生、半化粧とも記す)で、葉の半分ほどが白くなるので、半分化粧を施しているように見えるからだ。
関西では、ちょうど鱧(ハモ)の季節になった頃だ。
あぁ、「鱧の落とし」(骨切りした鱧を湯の中に落とし、冷水で締め梅肉で食す)も葛粉をまぶして吸い物にした「ぼたんはも」夏の季節に欠かせない一品だ。
そう云えば、先日NHKのテレビドラマ『みをつくし料理帖』を観ていたら、「ふっくら鱧の葛叩き」という料理が登場した。
ハモハモ言っていたら、徳島の居酒屋『小島』で食べた鱧料理が食べたくなったナ。
◇ ◇ ◇
先日、巷で評判になってい店に行ってみた。この歳になると中目黒や代官山、学芸大学など若者たちが賑わうエリアから足が遠のいている。その中でも、新規オープンの店となると余程の知り合い関係じゃないと、億劫になってしまうのだナ。だが、友人たちが挙(こぞ)って足繁く通っていると聞いたので、重い腰を上げたのでアル。
いつものように武蔵小山の酒場『牛太郎』からスタートだ。
牛太郎に来たら、先ずはコレを食べなくちゃ!
此処は煮込みも美味い。居酒屋のもつ煮込みと言えば、味噌が効いた濃い味が主流だが、牛太郎は玉ねぎの甘さが際立っている。優しい味が沁みたシロやフワなどがたっぷりと入っており、パンチの効いたとんちゃんとは対極の味わいだ。とんちゃんと煮込み、この二品が絶妙な酒菜のコンビネーションとなり、酒のグラスがどんどんと空いていくのだナ。
ハツ、ガツ、テッポウ、タン、なんこつなどの焼きとん串もスバラシイ。
さて、程よく飲んだので、後ろで待つお客さんに席を譲ろう。この店では、後ろの待合席で待つことも大事なのだ。初めて訪れた方々も、待ち席で先客の注文の仕方やタイミング、帰り際の食器の片付けなどを黙って眺めていれば覚えてしまうからネ。
随分と日が長くなった。午後7時だと云うのにまだ空が明るいネ。牛太郎を出て、26号線を夕日の沈む方へと歩いた。目黒通りの信号を渡り、左斜めの道へ入ると学芸大学駅の方へと続く。担担麺でお馴染みの『香気』の角を左斜めに進みUFJ銀行の前を右手に入ると、目指す店に到着だ。
初めてだったが、近くに友人の酒場も在るからスグに判るだろうとタカを括っていたら案の定迷ってしまった。店名の記された看板を探していたのが失敗だった。酒朋のライター森一起さんに場所が判らないので教えて、とラインで送ったりしながら、路地を何度もグルグル回ってしまった。そして、改めて「立ち飲み」だったよナ、「イタリアン」だったよナ、と視覚と嗅覚を再度発揮して店々を見て回ると、漸く辿り着いたのだ。
其処は、角地に立つ新しいビルの一階。オープンエアな間口で、ひと際賑わっている酒場だ。そう、此処が今回初訪問の立ち飲みイタリアン『あつあつ リ・カーリカ』だ。
学芸大学で評判のイタリア料理店『リ・カーリカ』『カーリカ・リ』に続く3店舗目となる新店は、この春にオープンしたばかりだが、既に連日大賑わいとなっている。
この日も午後8時前に訪れたのだが、L字型のカウンター席も壁際の席も満杯だった。こりゃ駄目かナ、と思っていたらタイミングよく壁際のお客さんがお会計を済ませて出てきてくれた。
細長い木のカウンターの下にはフックが付いているので、バッグを掛けて狭い通路を妨げないようにするのだネ。それでもオープンキッチンに面したメインのカウンター席と壁際の間は狭いのだ。双方にお客が立てば、その間をすり抜けるのは至難の技でアル。それでもボウタイ姿が可愛いスタッフの男の子は器用に往き来してワインや料理を運んだり、接客に勤しんでいたナ。
ワインはビオワインが中心で、700円から1,200円の幅で白・赤を数種類セレクトして用意している。もちろん、スパークリングも有るし、ビールや日本酒も有るのだヨ。ビールは冷蔵庫からセルフで出して栓を抜く。
料理も冷菜と温菜がそれぞれ10種類ほど、それにパスタが数種類あるのだネ。小体の店なので、これ位の品数が丁度良い。
さぁ、ワインはイタリア産の「レ・コステ・リトロッツォ」の赤を戴いた。
このワインに合わせたのが、ズッキーニとからすみのサラダだ。
お次は王様しいたけの熟れクリームソテーが運ばれてきた。
豚ロースの塊を丸焼きにしたアリスタが焼けていると聞いた。「アリスタ」とはギリシャ語で〝最高のもの〟という意味。トスカーナ地方に伝わるおもてなしの伝統料理なのだネ。
シェフ自慢の一品は、売り切れ御免のスペシャリテなので、来訪したら真っ先に残っているかどうかを聞いておくと良いかもしれない。
ウヒョッ!こりゃ凄いネ!
白ワインと肉汁が極上のソースとなり、白いんげん豆に旨みが染み込んでいる。あぁ、幸せなひと時だ。
此処は午後7時から、深夜3時まで営業しているのだヨ。
さて、次々とひっきりなしにお客さんが店を訪れる。外で待っている方々も見受けられるし、此処は立ち飲み酒場だ。長っ尻はイケナイね。ご馳走様でした!此処は本当に噂に違わず素晴らしい店だったナ。また、近いうちにお邪魔します。これからは、もう少し億劫がらずに新しい店にも顔を出すようにしなくちゃナ!
と、再び武蔵小山を目指して歩いたのでアール。