「四万六千日、お暑い盛りでぇございます」古典落語でお馴染み黒門町の桂文楽師匠の十八番(おはこ)『船徳』の語りだネ。
毎年、夏になるとこの噺をCDで聞いている。と云うよりも、これを聴かなくちゃ僕の夏は来ないのでアル。
浅草、浅草寺では昨日と今日に「ほおずき市」が催されているが、毎年この時に浅草の観音様にお詣りをすれば、四万六千日もお祈りしたことと同じだけの功徳が得られると伝わっている。
今日も東京は朝から良い天気に恵まれたので、僕もお詣りへと出かけた。
ちょうど一週間前から座骨神経痛に見舞われて、右足が痛くて歩くのもままならない状態なのだが鎮痛剤が効いている間は多少痛みも和らいでいる。その間を見計らって地下鉄に乗って浅草寺まで足を伸ばしたのだナ。
平日だというのに、宝蔵門の先も人で溢れていたナ。賑わう人々の後に並んでお詣りをしよう。
思いのほかスムーズに列が流れ、時間も掛からなかったナ。
無事にお詣りを済ませると浅草寺から「雷除守護」のお札を賜ることが出来る。
よし、これで座骨神経痛が早期に治ることを願うとしよう。
境内をぐるりと回り、ほおずき市の賑わいも楽しんだ。
浅草寺の喧騒を抜けると、裏路地は平日らしさを取り戻していた。
『浅草サンボアバー』の扉を開けると、いつものように凛とした空気が漂っていたナ。帽子を脱いでカウンターへと進む。此処で最初に頼むのは、決まってハイボールだ。
いつも「初心忘れず、の気持ち」で丁寧に作ってくれる、その姿も酒の旨味を増幅させるのだナ。
この時間に飲むハイボールは、どうしてこんなにも美味しいのだろう。
キリリと冷えたグラスを手に取り、口へと運ぶ。おぉ、仄かな柑橘の香りが鼻腔を刺激する。
ゴクリ、炭酸の泡が僕の喉を刺激する。ふぅ、汗ばんだ肌に一筋の涼が沁み込んでいくようだ。
遅めのランチは、評判の100%ビーフのハンバーガーにしようか。
これもハイボールに合う一品だネ。
さぁ、神経痛が目を覚まさないうちに早々に引き上げるとしよう。