東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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最近、涙腺がゆるんでいるのか、またまた唄で男泣きをしてしまった。

東京も梅雨入りして外の空気も湿度が高くなってきたけれど、そんな日曜の夕方に日比谷野外音楽堂で素晴らしいライブを観ることが出来た。

たまたま数ヶ月前に新聞で読んだ記事で、ホームレス寸前だった元落語家がシンガーソングライターとして活動している事を知った。頭の片隅にずっとその事が残っていた訳だが、2週間前に久しぶりに亀戸に焼き餃子を食べに出向いたら、店の壁にライブの告知ポスターが貼ってあったのだ。「50歳過ぎたら聞きたいライブ!/クーペ&Shifo」、そんな変なタイトルのライブだった。どっからどう見てもその風貌は、人差し指を立てて頬を縦に降ろすヤカラ、その筋のお方に見える。その白髪の短髪頭で無骨な顔のオヤジがクーペさん。故林家三平師匠の弟子だった頃は、林家クーペと云う落語家だった。酒とバクチなんかで林家一門を9回も破門されて、ついには落語家も辞めて、女房と娘にも愛想をつかされて孤独な人生に転落したそうだ。そんなロクデナシ男が25年ぶりに別れた娘から手紙をもらった事がきっかけで、詩を書き、曲を創るようになって本気で歌うようになったそうだ。元々唄が好きだったらしく、数年前から聖蹟桜ヶ丘駅の近くで『Stand by me』と云うライブレストランバーのマスターをしているが、やっぱり借金だらけだそうな。50歳を過ぎた常連さん達の救いの手でなんとかこの店もクーペさんも保っているらしい。そのクーペと一緒に唄を創り、歌っているShifoさんもほとんどバイト代も貰えていないそーだ。そんな彼らがライブを続け、自主制作でCDを発表していたら、東芝EMIのディレクターの耳に止まり、思わぬメジャーデビューとなっていった訳である。銀座博品館でのライブやニッポン放送主催で開いたコンサートが好評だった事から、急遽日比谷野音での追加ライブが決定したのだ。
それにしても、ホームレス寸前だった男が3000人も入る日比谷野音でライブを実現するなんて、まるで『タイガー&ドラゴン』の1話にでもなりそうな、無茶苦茶だが本当の話なのだ。

先週の朝日新聞でその事を知り、そう云えば亀戸餃子にポスターが貼ってあった事を思い出した。そんな訳で日曜の夕方、日比谷野音でクーペさんの唄を聴くことが出来た。唄によっては、Shifoこと岩永志保さんが歌う曲もあって、それも凄く良いのだけど、詩は全てクーペ作詞である。あんなハチャメチャな人生を送った男から、どーしてこんなにも素敵な詩が書けるだろうか。「俺は昔落語家だった訳だけど、今じゃ落伍者だよ」なんて事を言いながら、詩で切なくも、美しい歌を歌い上げるのだ。落語で云うところの、まくらがあって、詩の中にドラマが在って、オチがある。そんな進行で次々と歌い上げる。約2時間のライブは、笑いと涙を誘ういぶし銀のステージだった。やっぱり落語家の血も通っているのだろうなぁ。
金の悩みを唄った「もう駄目」、会社も家も居場所がない中年男を唄った「家に帰れないお父さん」、別れた娘から届いた便りを唄った「25年ぶりの手紙」等々十数曲のオリジナル曲を二人が歌い上げた。
ベタで直球玉のような詩は、観客全員の心をわし掴みにしただろう。実際に50を過ぎた観客も多く目立ったけれど、50前の僕だって、曲聴いて涙が出てしまった。年期の入っただみ声は、さながら和製トム・ウェイツだろうか。機会があれば是非みんなにも聴いてもらいたいブルースシンガーだ。いやぁ、本当に良かった、マイったよ。
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最近は、増田太郎さんの唄に感動したけど、クーペさんの唄にも惹かれてしまった。また、生で聴いてみたいものだ。一度、「Stand by me」のドアを空けてみようかな。それにしても、増田太郎もクーペもニッポン放送がプッシュしているミュージシャンな訳だが、ホリエモンで話題になるより、こーした活動で話題になるって云うのがラジオファン冥利に尽きるのだ。

「Stand by meサイト」


そうそう、7月14日(木)に青山スパイラルカフェにて『増田太郎ライブ』が決定した。一人でも多くの方に聴いてもらいたいからチャージ無しのカフェライブになった。21時から2ステージなので、是非みんなにも来てもらえると嬉しい限りです。
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by cafegent | 2005-06-13 16:45 | ひとりごと