二年に一度の「神田祭」で、江戸の心意気に触れた。
2007年 05月 14日
まぁ、行けばどこかで会えるだろうと何の計画も無く出向いた訳だが、余りの人の多さに圧倒されてしまった。それもそうだ、この日は2年に一度、神田、日本橋、秋葉原、大手・丸の内氏子町会108カ所ものお神輿が80基近くも神田明神に宮入をする。当然、町の至る処で「宮入」を待つ各町会の神輿が待機しているのだ。
須田町まで来たら腹が減って来た。平日だったら『まつや』の手打ち蕎麦か『ぼたん』の鳥すきやきも良いが、日曜なので『薮そば』に行く事にした。
まずは、冷えたビールの大瓶を貰い乾いた喉を潤すのだ。山葵の効いた蒲鉾をアテにコップのビールが一気に無くなっていく。江戸前穴子の天ぷらで常温の菊正宗をいただく。神田薮はお猪口がとっても小さいので、お銚子1本でもチビリチビリと飲むことになる。2本目を呑み終わった頃を見計らって仲居さんが蕎麦を運んできた。この絶妙なタイミングが「蕎麦屋で呑む」の楽しみの一つなのだ。酒を呑まないお客さんのおそばはサッと持って来るのだが、肴をアテに酒を楽しんでいる客をちゃんと見ているのである。濃い味のつゆを少しだけ浸けてズズっと戴く。そばの味と喉ごしを堪能したら、もう幸せなのだ。日本酒が効いた胃をまた冷たいそばが冷ましてくれた。さて、外はまだ行列だ。祭りに戻るとしよう。
いざ、無事に「宮入」が終わると大歓声である。
いやぁ、興奮したなぁ。思わず彼らと一緒に神田明神の神様へ二礼二拍手一礼をしてご先祖様に感謝した。
境内で3基ほどの宮入りを見物して、外へ。神田明神下から東京医科歯科大の交差点あたりで『ビザール』のアッコちゃん達一行と合流。
さて、「宮入参拝」を終えた神輿は秋葉原駅前の「お祭り広場」でそれぞれ自慢の神輿振りを競う「神輿天国」に向うのだが、我々は所詮呑んだくれ、「お酒天国」に突入するか、と開いてる酒場を探しに町を彷徨うのである。神田明神下から妻恋坂へまたもグルグルと行ったり来たり。
そして、見つけたのが外神田6丁目の「まかない料理 まないた」だ。「12人入れますか?」に心良くOKの返事を頂いたモノのせいぜい6人しかすわれないお座敷が空いているのだ。が、そこは工夫次第でなんとかなるモノ。座敷の外に椅子を拝借して、何とか酒にありつけたのである。
「まかない料理/まないた紹介記事」
枝付きの枝豆をアテに生ビールが美味い。そのうち熱燗が何本もテーブルの上に転がり出している。そんなこんなでひとしきり酒が廻った頃に組頭の石津さんも仕事が終わったとの連絡が入ったので、一同銀座へ移動した。松坂屋の裏手のビルの4階『しゃくしゃく』と云う店へ案内される。15名近くになっていたが、今度はゆったりと個室でした。
宴が盛り上がってきたところで、徳さん登場。
徳太郎さんも組で頭張っているので、通り名がある筈だが、何故か「徳さん」と呼ばれていると伺った。石津さんは「小田二丁目」の頭で通称「小田二(おだに)さん」と呼ばれているそうだ。何だか面白い世界だなぁ。祭や木遣りなどを見ていると、その世界をもっと深く探ってみたくなる。
子供の頃、恵比寿の実家のお向かいさんが「榊原組」と云う鳶だった。夕方になると背中一面に彫り物をした兄さんたちに遊んでもらったりしたもんだが、あの頃は小さすぎて鳶とか祭に深く興味を抱かなかったが、歳を取るに連れてそう云う事に興味が湧いて来る。
近々、石津さん達に「江戸消防記念会」や町鳶の方々のお話を聞いてみたいものだ。