来週末、西麻布BAR AMRITAに美女たちが集結だ。
2007年 05月 25日
『UNFEIGNED 2007 阿部隆一ポートレイト EXHIBITION』と題した個展で、西麻布『AMRITA』での2回目の展覧会だ。
いつも彼からのDMが届くとデスクの前の壁に貼っておくのだが、どうもそこに描かれている女性に魅了され、吸い込まれてしまうのだ。
生身の裸体よりも絵の方がそそられるのは、観る者の妄想が勝手にその絵に付加されるからだろうか。
阿部隆一の描く女性は普通のポートレイトの画家とはかなり違う視点で表現されている。それは、たとえば下腹部の微妙なふくらみとか脇腹にぷくっと乗っかった肉の陰影だったり、お尻のたわわさだったりするのだ。他の画家だとすっきりと奇麗に見せようとするであろう女性の微妙な部分を彼はあえてアピールするが如く筆を駆使して丁寧にじっとりと描いてる。
初期の作品からどんどん独自のスタイルも確立してきているのも興味深く、ずっと彼の作品を追い続けてしまう理由のひとつだろう。
フランス特有のコミック・アート「バンデシネ」(バンド・デシネ)の影響を深く受けていた初期の作品は在る意味ポップで大人の絵本的な技法スタイルだと思っていたのだが、今ではその漫画特有の太い線で描く輪郭線が無くなり、強調する部分とラフに描ききらない部分とが見事にマッチしている。ここ数年の間に自らの作風を大胆に変革させてしまい、単なるポートレイト作品では無い現代美術として語るべき画風に作家の自信が伺える。
もう3年半程前になるが、スパイダーマンをはじめとしたマーベルコミックスに登場するヒーロー、ヒロインたちをテーマにしたアート展『We are MARVEL Fan Club』を渋谷パルコにてプロデュースした事があるが、その展覧会でもスパイダーマンをモチーフに作品を描き下ろして頂いた事が在る。あの頃から徐々に今の作風に移行しようとしている雰囲気が感じられたが、あそこで描かれてたスパイダーマンは彼女の着替えを天井で覗きながらジーッとただ黙って隠れているしかない様子で、まさにあの作品はアメコミの世界や大人の絵本たるべき「バンデシネ」の精神を彼なりに解釈した素晴らしい作品だったと云える。
そろそろ世間はもっと彼の作品を高く評価するべきだ。そして、TOKYOと云う枠を越えてWORLD WIDEに出て行く様な予感がしてならない。
「阿部隆一オフィシャルサイト」
阿部隆一展覧会
『UNFEIGNED 2007 RYUICHI ABE PORTRAIT EXHIBITION』
会場:BAR AMRITA
Open : 8:00p.m. 〜 4:00a.m. (日・休日定休)
Add : 港区西麻布2-13-15 大山ビルB1
Phone : 03-3409-3301