東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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ワインのアテに、とびきり美味いフレンチモツ煮込はどうだ。

久しぶりにオールナイトで映画を観てきた。「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」は娯楽作品として大いに楽しめた。月末の資金繰りや諸々の雑事を忘れるのには、こんな映画が丁度良いのだ。冒険活劇ながら、随所で笑わせてくれる処が観ていて疲れないのである。ただ、第1作、第2作を観ていないと話が見えない箇所も在るので前作を観てからの方がより楽しめるだろうなぁ。

明け方4時、六本木ヒルズから歩いて帰ると空が気持ちよく澄んでいる。家に近づいてくるにつれて、空の色が明るくなり始めている。夏の気配を漂わせながら、夜明けが早くなってきた。
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蒼い空が少しづつ薄くなってくるのをぼんやりと眺めているのも心が和み中々良い気分になるものだ。

先日、銀座のカウンターフレンチを紹介して頂いたのだが、日記にも記した通り、それはもう実に素晴らしかった。
で、僕の場合、美味いモンを食べると同じ様な料理を立て続けに食べたくなる癖があるらしい。そんな訳でまたも美味しいフレンチを求めて夜の街へ繰り出した。
さて、フランス料理と云えども、酒のアテになる料理が一番好きなので、どうも堅苦しいレストランよりもビストロの方が行く機会が多い。

その日も本当は代々木駅近くのフレンチビストロ『煮込みや なりた』に行きたかったのだが、あいにくの満席で「今日は、ごめんなさい」との事だった。で、北参道方面に去年の暮れにオープンしたビストロ『ダルテミス』と云う店に行ってみることにした。
原宿で数年前から営業しているフレンチレストラン『ラルテミス』の姉妹店なのだが、そちらの評判も結構良いので期待に胸踊ってしまった。
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信号待ちをしていると通りの向うに光るネオンサインは、さながらパリのビストロかオイスターバーの様な雰囲気を醸し出している。あの安っぽいネオンサインが、どうにもこうにもパリなのである。

中に入ると天井が高く、壁の至る所に「サヴィニャック」のポスターが貼ってある。壁の鏡の使い方も天井までのワインセラーもパリに居る様だ。小さな雑貨類も無造作な感じが作り過ぎてなくすこぶる居心地が良い。
女性のマネージャーの方も僕のぶしつけな質問に快く応えてくれたり、薬を呑む時にさ湯を持って来てくれたりと気遣いが嬉しい方だった。今朝、サイトで観てみたら彼女は浜田三奈子さんと云う方で、広告代理店からこの世界に移り、青山の『ブノア』でソムリエをしていたらしい。あぁ、『ブノア』の山鳩が美味かったなぁ。まぁ、どうでもよいか。

店って、味が良いのは当たり前であって、彼女の様な人が居るから、また逢いに行こうかなって云う気になって通うようになるのだ。えっ、人の温かさに飢えているのかなぁ、俺。

まずは前菜に「ダルテミス風サラダ」を頂いた。
(それにしても写真が暗くて失敗だ。トホホ。)
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海老、アボカド、トマト、卵をレタスに合えたサラダだ。僕はマーシュと云うサラダ菜が好きだが、素材の歯ごたえにはこのシャリシャリのレタスの方が合うのだなぁ。うん、美味い。

そして、次の料理が登場。
席に着いて、メニューを見た時にこれまた凄いモノが目にとまったのだ。その名も「カン風 トリップ」。
何それ?眺めながら、頭の中がぐるぐると回ってくる。
「アチョーッ!アッチャチャチャチャチャー〜ッ!!」とブルース・リーが草キメて、ブっ飛んでる姿が浮かんでしまうのだ。
はて、何だろうと聞いてみるとトリッパの煮込みだった。蜂の巣やセンマイなどがじゃがいも、人参などと一緒に煮込んである。
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他の店だと大概がトマト煮で出て来るトリッパだが、ここでは酸味の効いた独特の味わいの淡白なスープで仕上げており、これまた絶品。例えて云うならば、ここのモツ煮込みは、さしずめ『鈴木屋』か『忠弥』の塩モツ煮込みフレンチバージョンだろうなぁ。パンが進む進む。
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メイン料理は、「カスレー」にしてみた。
この店のメイン料理の中に「ブーダンノワール」と云う豚の血を凝固させて腸詰めにしたソーセージがある。
スペイン料理にも同様な豚の血のソーセージがあり、たまに恵比寿の『ティオ・ダンジョウ』にて食べさせてもらう。でも、これかなり濃厚な味わいなので好き嫌いがハッキリと分かれる食材だ。

ここでは、この「ブーダンノワール」のリンゴソース和えと云うメニューが在ったが、これだけだと結構ヘビーだと思ったので、それが少し入った料理をオーダーした。「カスレー、鴨のコンフィーと自家製ソーセージ」である。僕はどこの店に入っても「リエット」と「カスレー」がメニューに記されていれば必ず頼むのだ。これが美味い店は大抵贔屓にして通うことになる。要するにワインのアテに最高なのだ。
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このソーセージは、他の店でも良くリンゴのコンポートとかと合わせたりしているが、よっぽどリンゴとの相性がいいんだろうなぁ。
そう云えば、新宿伊勢丹と先日オープンした東京ミッドタウンの中にアラン・デュカスの『be』(ブーランジェピシエ)なるパンと食材の店があるのだが、ここではこの血のソーセージを使ったハンバーガーを売っている。この「ブーダンバーガー」、食べるまでは抵抗があったが、店員さんのアドバイスで食べる前にパンをトースターで温めてみた。いざ食べてみると、これがまた病みつく味でおウチでワインにピッタリなのだ。まぁ、濃厚な味ってことには変わらんが。興味が湧けば、1個1,260円なり。

話がそれたが、ここのカスレーは凄いボリュームだ。どの料理もボリュームがあり、それがまぁビストロたる所以だが、女性ならば3人でシェアしても十分だろう。
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土鍋で白インゲン豆とお肉を煮込む南仏田舎料理なのだが、この中に鴨のコンフィーとさっきのブーダンノワール、白ソーセージがじっくりと煮込まれているのだ。
比較的どの料理も味が濃い目なのだけれど、ワインにはとても合う味付けだった。同じ代々木にある『レストラン・キノシタ』もガツンと濃い味の「男のフレンチ」と云う感じで大好きなのだが、ここの味はとても上品なのだ。

あぁ、満腹。なれど、デザートも食べたいと「チェリーのクラフティ」と珈琲を戴いた。
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クラフティのあのしっとりモチっとした食感って日本人にはたまらんよなぁ。
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どの店にも美味い料理が必ずある。それを目当てに行けばハズすことなど絶対に無い。で、その料理に一番合うワインを選んでいくのだ。
「リエット」をアテにワインをやるならば松濤の『ラボ』に行く。
シュークルートや冬のジビエ料理なら、乃木坂の『シェ・ピエール』。ガツンと行きたきゃ『ローブリュー』の豚足パン粉焼きと豚すね肉のコンフィだろう。田舎風パテが食べたくなれば、東京ミッドタウンに出店した名シェフ、ジョエルの『レストランJJ』しか浮かばない。
あと最近、気に入っているのが白金の『シェ・トモ』の野菜だ。これがまた、素晴らしく美味い。野菜の味そのものを楽しむことが出来る。
そして、この『ビストロ ダルテミス』の「カスレー」と「カン風 トリップ」は僕の楽しみの一つになった。

ワインも手頃な価格だし、キッシュやフレンチフライなんかのアテもあるので、ちょっと呑もうかと云う時にも使える店だ。天井まであるワインセラーのハシゴを登ってワインを取る姿も眺めていて楽しい限り。夜中の1時まで開いているのも呑んだくれたちにはピッタリだ。

『ビストロ・ダルテミス』は、期待した通りの美味しい料理とやり過ぎない程度のおもてなしは、肩肘張らずに楽しく食事して酔える処だった。次回はビオワインでも呑みながら、気の合う仲間たちとゆったりとした時間を楽しみたいものだ。

『ビストロ・ダルテミス』
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by cafegent | 2007-06-01 17:52 | 食べる