東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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味だけじゃない処が名店たる所以。良い店には、自然と足が運ぶのだ。

「けんもほろろ」と云う言葉がある。
まぁ、「にべもなく、キッパリと」と云う意味に使われるのだが、僕はずっと「剣もほろろ」だとばかり思っていて、凄いと思っていた剣先がいとも簡単にホロロと欠けてしまう、との意味だと勝手に解釈をしていたのである。(しかし、僕と同じ見解の人もかなりいるみたいだ。)
ところが、これがまったくもって違っていたのだった。

江戸時代にこれに似た「つっけんどん」と云う言葉の慳貪(けんどん)とキジの鳴き声が愛想悪さげで「ケーン、ケーン、ホロロロロ〜」と聞こえることから、「けんもほろろ」と云う言葉が生まれたのだそうだ。
しかし、こーゆー事をちゃんと調べている人たちは偉いねぇ。
ほんと!凄い限りです。
「科学技術のアネクドート/けんもほろろ」

それで、だ。
最近良くこの「けんもほろろ」に断られる店が多くなった気がするのだ。
青山通りのスパイラルビルの脇の路地を入ったピザ屋に入ろうと思った時には、「ウチは、予約も無しじゃぁ、無理ですよ!!」って、まるでこちらがお伺いを立てなくては駄目なくらい高飛車な態度で断られてしまったのだった。
で、無性に腹が立ち(じゃなく)腹が減ったので、恵比寿から白金台に向う途中にあるピッツェリア『パルテノペ』にタクシーすっ飛ばして行ったのである。ほーら、ここは、ちゃんとしていた。
「予約が一杯で多少待つ事になりますが、何とか席を作りますね。」と言ってくれたのである。嬉しいじゃないか。こっちだって幾らでも待ちますよ、って気になるのだ。
「つっけんどん」のピザ屋は、東京ミッドタウンにも出店していたが、ますます勘違いしなければ良いが。まーどーでもいいけど。

中目黒から祐天寺に向う角にあるもつ焼きの『源』も「今日はもう見ての通りダメですねーッ!!」って、「けんもほろろ」に断られ、歩いて『ばん』に行き、おもてなしの暖かさにグっと来たのだった。『源』は、祐天寺の「忠弥」と「ばん」を足して2で割ったような、味は良い店なのだが、あの入口での対応は無いだろう、と思うくらい冷たい態度だったなぁ。
少なくても「すいませんねぇ、わざわざお越しいただいたのに。次回は先にお電話でもくださいな」ぐらい言ってだなぁ、店の電話番号でも教えてくれれば良いのだが。

例えば、青山『立ち飲み なるきよ』や恵比寿『ほりこし亭』などは、数在る店の中でわざわざこの店に足を運んでくれたんだから、何とかしてでも席や場所を作ってあげよう,って言う思いやりが感じられる。
だからこそ、こっちだって狭い中でだって、彼らに感謝しながら呑んでいるのである。そーゆー店は自然に足が向くよなぁ。

まぁ、中には店そのものが小さすぎて、なお且つ大人気の名店だから急に思い立って行っても入れない事もある。代々木の駅近くにあるワイン・ビストロの『煮込みや なりた』なんぞがそう云う店だろうか。

先日も8時半頃に美味いフレンチが喰いたいと思い立ち代々木まで行ったのだが、まるでフレンチ料理店の人には見えない、そうだなぁ昔バンドやってました的なフロア(カウンターのお客さんに、じゅんさんと呼ばれていた。)の方に「今日は無理ですねぇ。」とけんもほろろに言われてトホホとなった次第。でも、そのあとここを知っている友人のみんなから「あそこは、狭いからちゃんと電話してからじゃないと駄目だよ」って言われてしまい、「なるほど、そうなのか」と実感した次第。

だが、しかし美味いものは頭に浮かんでしまうとどうしても食べないと気が済まないタチなので、昨日はちゃんと席を確保してもらい美味いワインと料理を楽しむ事が出来たのだった。(当然、予約をしたのだが。)
数日前に「けんもほろろ」に断られた事も忘れて、キンキンに冷えたビオワインの白をお願いした。
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2005年のミュスカデ白、ギィ・ボサールの作るドメーヌ・レキュだ。
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葡萄の香りも高く、キリっとした口当たりは梅雨間の晴れた夕暮れにピッタリくる。
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まずは、「エスカルゴ」を戴いた。ガーリックバターがかなり効いていて、肩肘張らないビストロらしい味わいに満足なのだ。ワインも進むなぁ。
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二皿目は「サラダニソワーズ」。ツナ、アンチョビ、卵の入ったグリーンサラダに酸味の効いたドレッシングがマッチしており、実に爽やかである。女性だったら、このサラダ一皿で十分夕飯になるんじゃないだろうかって程のボリュームだ。
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3皿目は「フォアグラのパイ包み」。でっかいパイが登場したが、中にたんまりとフォアグラと鶏肉が詰まっていた。そして最後に「豚とラムとじゃがいもの煮込み」を戴く。
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これにはオススメのグラスワイン、ル・ガラピアンの2000年を合わせてみた。さっぱりとした赤ワインが濃厚な肉料理にマッチするのだ。それにしても凄い量だ。さすがの僕も腹一杯になった。
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これだけ食べて、〆て一人5,000円なのだから、かなりのコストパフォーマンスだろう。この店、味もボリュームも申し分ないがワインがとにかく安いのが驚きだ。
そしてさりげなく用意されるカトラリーもクリストフルの銀食器だったりするのだ。
こんな店が街の名店なんだろうなぁ。あぁ満腹で満足だ。

シェフのなりたさんも気さくな方だし、あの店の忙しさを目の当たりにすれば、この前入れなかったのも十分理解出来た。
次回も「けんもほろろ」に断られないよう、また予約をして来るとしよう。
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by cafegent | 2007-06-19 17:20 | 食べる