東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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扇橋師匠の「ねずみ」を聴いて左甚五郎に触れたくなった。

先日、浅草の喫茶『アロマ』にて入船亭扇橋師匠にお会いした。その時、師匠が最近出版した単行本を手に入れて毎晩寝る前に少しづつ読んでいた。
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噺家渡世―扇橋百景
九代目入船亭扇橋師匠の半生を綴った『噺家渡世 扇橋百景』は、師匠の人柄も伝わり、また俳人としての一面も改めて深く知る事が出来たので大いに楽しめた。
先週末に丁度読み終わって、巻末に師匠の十八番でもある「ねずみ」が掲載されていたので、改めてCDで聴く事にした。

江戸の名工、左甚五郎が、旅の途中で世話になる旅籠「ねずみ屋」のために人肌脱いでねずみの置物を彫るのだが、そのねずみが生きているようで街中の評判となり客が大勢やって来る、と云う一席である。

久しぶりに聴いたのだが、流石に大ベテランの噺は何度聴いても素晴らしい。師匠はラジオなんかに出ているのを聞いていると、只の助平な親爺さんかと思うのだが、落語は凄いね。

で、急に左甚五郎の作品を見たいとの衝動にかられ、日光は東照宮まで「眠り猫」を観に行くことにした。
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浅草からスペーシアに乗って2時間、あっという間に着いてしまった。日光はゴルフで行って以来なので、かなり久しぶりである。先に鬼怒川温泉郷に行って温泉に浸かりのんびりと旅の気分を味わうことにした。
東照宮は鬼怒川から電車に乗り、「下今市」(しもいまいち)駅で乗り換えて東武日光駅まで行く事になる。まぁ、大して時間も掛からないので、慌てることもない。
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バスで神橋まで行き、そこからのんびりと歩くことにした。
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霧雨が降っていたが石畳の坂道は雨に濡れてとても美しく映った。
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「東照宮」は徳川家康を奉祀する神社であるが、陽明門や五重塔など国宝、世界遺産に登録される程の素晴らしい建造物や彫刻作品を見る事が出来る。
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境内に入ってすぐ目に止まるのが、「神厩舎」(かみうまごや)だ。これは徳川家康が関ヶ原の合戦の時に乗馬した馬を奉納した馬小屋だそうで、建物の廻りをグルリと八面に猿が取り囲んでいる。そう、あの「見ざる・言わざる・聞かざる」の彫刻だ。なんでも「猿は馬を病から守る」とされていたので、厩舎に飾られたらしい。
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「陽明門」をくぐり、石鳥居に行く前の奥社入口を護るのが、かの左甚五郎作の「眠り猫」である。
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子供の頃に見た以来なので、かれこれ40年ぶり位になるだろうか。おや、こんなにも小さかったっけ?
なんとも穏やかな顔で眠っている猫だが、実はスヤスヤと眠っているふりをしながらいつでも飛びかかれるように家康公を護っている、とも聞いたことがある。
さすがは左甚五郎の彫った猫、美しいコが通る度に片目を開けていた。(ウソです、はい。)
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石段を登り、石鳥居まで来た。
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家康の墓である「銅宝塔」も雨の中でとても神秘的に煜っていた。
再び「眠り猫」の前まで戻って来ると、結婚式の最中に出くわした。
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白無垢の花嫁ななんとも美しかったが、「東照宮」で結婚式が出来るなんて知らなかった。うーん、羨ましい限り。
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「東照宮」には、動物以外にもたくさんの霊獣の像が飾られている。
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象のような姿の蜃(しん)、龍、麒麟、龍馬、唐獅子、仙人を乗せた鯉、等々挙げればきりがない程だ。
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これらを眺めているだけでも来た甲斐があったと云う物だ。
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今回、もう一つ楽しみにしていたのが、日光山輪王寺「薬師堂」の内天井に描かれている竜の絵だ。天井一杯に描かれた巨大な竜は「鳴き竜」と呼ばれていて、竜頭の下で拍子木を打つと、鈴の音の様なシャリーン、ン、ンッという鳴き声が聞こえるのである。
この鳴き竜の声を聞いた後に自分の干支の像にお祈りすれば願いが叶うとも言われている。来年は僕の干支「ねずみ」年だ。
竜の声を聞いた後に「ねずみ」の像へお祈りをし、「子歳守本尊御影」のお守りも手に入れた。
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腹が減ってきたので東照宮を後にして、日光山内の杜に佇む『明治の館』まで散歩がてら歩く事にした。
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ここは明治時代にアメリカ人貿易商の別荘として建てられた石造りの邸宅で今では有形文化財に指定されている洋館だ。
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洋食屋らしく「ハンバーグステーキ」はとても美味しかったが、ことさらパイントグラスで出されたビールが休日の午後にはたまらなく旨かった。
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気持ちよく酔い東武日光駅から電車に乗り込むと斜め前の席にとても素敵な美女がこっちを向いているではないか。おぉ、これはひょっとして新しい出会いになるかなぁ、と思っているうちにさっきのビールが効いて来た。コチとらウトウトと寝りこけてしまったのである。

しかし夢の中では、彼女としっぽりとヤっているではないか。おっとこれは幸せ、早速「鳴き竜」のご利益が効いたかな。
よし、ならばハリキラなければ、ってむんずほぐれず絡まって頑張っていたのだが、遠くからぼんやりとアナウンスの声が聞こえる。
すると今までしっぽりヤっていた筈の美女がそそくさと服を着出しちまった。
何でぃ、こちとら未だイッテないんだぞ。と言ってみたものの夢の中。

愛しの美女はスっと踵を返し、「あんたねぇ、シモいまイチだから!」って電車を降りちまいやがった。
あぁ、グヤジい!ッと唸った処で目を覚ますと車内アナウンスが大きく叫んでいた。「下今市、シモイマイチ〜」。

あぁ、トホホと、一路東京へ戻ったのであーる。
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by cafegent | 2007-09-06 17:50 | ひとりごと