東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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九月の八王子、「鶯啼庵」の楽弁当で故人を偲ぶ。

 先日、古い友人クリ坊こと栗原浩兄の十回忌を偲ぶ為に八王子の墓苑『萩霊園』へ集まり、お墓参りをした。
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幸い空は秋晴れ、大きなみどりの山がお墓を優しく包んでいる様だ。
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同級生の斎藤さんは、50を過ぎたと云うのに今も相変わらずバイクとロックに浸っているかのい出立ちだったなぁ。

 クリ坊は、元は貴兄のバンド仲間であったが、一緒にテニスをしたり映画や音楽などの趣味を通して仲良くしてもらうようになった。バイクが好きで、ハーレーの輸入元へ就職したが、そこで出会ったみどりさんと結婚し、その後に『ハリウッド・ランチ・マーケット』へ転職した。

 当時、クラブキングが発行した小さな写真集『SMILE ROCK』の中の広告。ハリラン・スタッフの集合写真の中に笑顔のクリ坊の姿が残っており、少し前久しぶりに富塚兄と一緒にページを開いたばかりだった。
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 十年はあっという間に過ぎてしまったが、小言爺ぃのクリ坊の姿は今でも深く残っている。テニスをしても、キャンプをしても、いちいち何かと怒られていた気がする。
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お参りの後、そんな他愛無い話を思い出しながら、昼食の宴となった。
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座敷には懐かしい『鶯啼庵』(おうていあん)の懐石、楽弁当が用意されていた。三段の重箱の抽き出しの中には彩とりどりの種々の前菜が入っている。ここの細工料理は冷めても美味しい。
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絵本の挿絵で知られる画家、村井宗二の描く鶯も心を和ませてくれる。

 八王子インターの近くに構える京懐石料理の名店『鶯啼庵』は、その佇まいだけでも充分に行く価値があるのだが、料理も大変素晴らしい。庭園が深紅に染まる紅葉の季節に合わせて、松茸の土瓶蒸しを頂くと良いだろう。
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 もう随分と前のことになるが、ハリウッドが誇る映画人、脚本家、監督、SFXアーティスト等を招聘して我が国に創造工学の専門学校を創ろうと云うプロジェクトがあった。その2年間の間に何度もLAに飛び、交渉を重ねてきた。USC(南加大)のテレビ・映画学科との提携も契約に漕ぎ着けて、あとは日本での業務提携先の詰めをする頃であった。ジョージ・ルーカスと共にルーカス・フィルムの共同創設し、ILM(インダストリアル・ライト&マジック)社のCEOであったチャーリー・ウェーバー氏にLA側の交渉窓口となってもらい、大学や専門機関であるAFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)の支援を得る事が出来た。

 ウェーバー氏が来日した時、恵比寿の『タイユバン・ロブション』、パークハイアット『ニューヨーク・グリル』等に案内したのだが、短い滞在の中でも八王子の『鶯啼庵』は大変気に入ってくれて、随分と上機嫌だったことを思い出す。しかし、あれだけ奔走したのに山一証券の経営破綻にて、あっけなくプロジェクトは幕を閉じたのだ。

 十年前の通夜の席では、クリ坊が大好きだったビーチボーイズの名作「ペットサウンズ」が夜通し流れていたっけ。
 この日は長閑な日和の中、秋鳥の啼く声に耳を傾け在りし日のクリ坊を偲んだ。
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何処からかギターの弦が啼いたのは、クリ坊の悪戯か。
by cafegent | 2007-09-19 19:06 | 食べる