東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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昇仙峡を歩き、旨いほうとうを喰らう。秋の甲府は好し。

新宿駅から特急あずさに乗って、「甲斐の国」甲府へ向かった。
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甲府駅前では、大きな武田信玄の像が街を見渡している。今年は大河ドラマ「風林火山」のお陰で、随分と町に活気が溢れている様子だ。

紅葉の時期はまだ1ヶ月以上先であるが、自然溢れる渓谷を歩きたくなって「昇仙峡」を訪れた。

小川のせせらぎに耳を傾け、渓谷沿いを登る。天神森から仙娥滝まで1時間ちょっとかけて歩けば、結構な運動だ。亀石、猿岩、ラクダ石、松茸石、寒山拾得岩、登竜岩と進むと休憩所「グリーンライン昇仙峡」に出るので、ここで一服。

なだらかな坂を上がり、川の向うにそびえ立つ「覚円峰」、「弥三郎岳」を望み、石門をくぐると昇仙橋に出る。ここを渡り、石段の遊歩道を登りきれば、雄大壮厳「仙娥滝」が目の前に現れる。
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白い水しぶきを上げ、唸る様な音と共に流れ落ちる滝はしばし足を止めて魅入ってしまう程だ。風に乗り、顔に当たる水の飛沫は、やはりマイナスイオン効果でも有るのだろうか。随分と心が和らぐものであった。

ロープウェイに乗り、先程見上げた石の峠を登るとそこに広がるは、更なる絶景。この日はあいにく曇り空だったため富士山を望むことは出来なかったが、眼下に広がる雄大な景色は目を見張るものがあった。ベンチに座る老夫婦が遥か遠くの山を望み語り合っていた。あぁ、自分もこんな仲睦まじい老後を過ごせるのだろうか、とそんな事が頭に浮かんでしまった。
さらに足場の悪い山道を歩き、ひたすら歩き進むと「弥三郎岳」に辿り着く。雄大な景色に囲まれる中、額の汗を拭い、鞄の中から一冊の本を取り出す。最近手に入れた池田弥三郎の随筆である。
弥三郎岳の上で読む池田弥三郎、これをずっとやってみたかったのだ。別段、意味の在る事では無いのだが、大いに満足なり。

さて、甲府駅に戻り、もうひとつのお目当てである「ほうとう」を食べることにした。この「甲州ほうとう」と云うモノ、カボチャがふんだんに入っていないと駄目である。そして、言う事無しの美味しい「ほうとう」を喰わせてくれるのが『小作』だ。

ここの名物「かぼちゃほうとう」は云わずもがな、であるが、僕は「カレーほうとう」が好物である。
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外が少し肌寒くなってきた頃からは、最高である。夏の時期は「おざら」と云う、冷えたほうとう麺を具の入った温ツユで食べるのも良い。
注文してから、15分から20分程度かかるため、数品肴をとって酒でも呑む事を薦める。「鳥皮の酢の物」や甲府地鶏を使った焼き物、「煮貝」なども酒に合う。変わった所では「さくらんぼのしば漬け」なんてのも美味い。
一献つけているうちに「ほうとう」が運ばれて来る。
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舌が焼けただれるほど熱々のほうとうをふぅふぅ冷ましながら食べれば、気分は武田信玄か。季節野菜もふんだんに入っており、いつ食べても期待を裏切らないのである。
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富士山周辺には河口湖や山中湖あたりにも名物「ほうとう」をウリにしている店が数多く在るのだが、人それぞれ自分の好みで店を選ぶのも大いに結構である。ただ、僕はここ『小作』が好きなのである。
かつて獅子文六宗匠が「食魔」とあだ名を付けた程の食通、狩野近雄の名著「食いもの好き」から言葉を借りれば、働く人の姿も、厨房から響く声も、醸し出す佇まいの雰囲気も、おおむね古い暖簾の方が心がけが良い、のである。
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土産に買った桔梗屋の「信玄餅」もまた期待を裏切らない老舗暖簾の味であった。
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by cafegent | 2007-09-26 19:18 | 食べる