東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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映画「めがね」を観た。ビールがウマそうだった。

雨降りが続き、街が一気に秋らしくなってきた。恵比寿を歩いていると彼岸花が天を仰いで咲いていた。
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     夕暮れに映える棚田の彼岸花

ちょうど一年程前に奈良をテーマにした俳句コンテストがあり、飛鳥の棚田で見た曼珠沙華の華を詠んだら、なんと入選してしまった。俳句は短い。五七五の中で、浮かぶ情景を伝えなくてはならず、バッサリと言葉を斬り捨てるあたりが映画などの編集作業と似ている。

さて、渋谷シネセゾンにて荻上直子監督の映画「めがね」を観た。
前作の「かもめ食堂」同様になんとも穏やかな映画だった。
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この映画に難しいテーマや何かを読み取ると云うことは無いのだ。映画の中に現れる人々たちと同化して、いつの間にか一緒になって朝の陽を浴び、何もせず過ごし、夕暮れに黄昏れる。あぁ、こんな一日を送ってみたい、と誰もが思うであろう「何も起きない」日々をこれでもか、と云うくらいに映し出してくれた。

ふらりとあての無い旅に出てみたいものだ。誰もがそう想い願うのだろうが、出来ないのが現実。しかしこの映画では、それをふわりさらりとヤってくれているのだ。
もたいまさこ演じるサクラも小林聡美演じるタエコも旅人である。それを迎える旅の宿ハマダの主人ユージ(光石研)も生物の教師ハルナ(市川実日子)もまるで旅人のように自由気ままに生きている。タエコを探してハマダに辿り着いた青年ヨモギの加瀬亮が一人でビールの大瓶3本を空けていたのには笑えたが、何とも羨ましい限りだった。

それにしても、全員が実に美味そうに飯を喰い、ビールを飲んでいた。かき氷に使うガラスのボウルが北欧フィンランドの名品イッタラ社のモノだったりして、さりげない所でニヤリとさせられた。あれはアイノ・アアルトのデザインだったろうか、懐かしい。きっと前作でフィンランドに触れたからなのだろうなぁ。イッタラの製品は値段も手頃で、デザインがどれも素晴らしいので我が家でも随分と使っている。

観客のほとんどは多分、美味しそうな小豆のかき氷や伊勢エビに釘付けになった事だろうが、僕は「穏やかな空気が漂う中で飲むビール」がこんなにも素敵な事かと改めて気付かされた。こう感じられただけでも、この映画は上出来だと思った。
映画「めがね」
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by cafegent | 2007-10-03 14:37 | ひとりごと