東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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「タイムマシンにおねがい」して桃山時代にひとっ飛び。

先日、映画「sadistic mika band」を観た。シネカノン有楽町のこけら落とし作品だったが、音楽ドキュメントとしては可成り面白い映画に仕上がっていた。井筒和幸氏が監修をし、撮影・編集・監督は井筒組の助監督で鍛えられた滝本憲吾氏であり本作品が監督デビューだそうだ。

ビールのCF撮影の為に久しぶりに再結成されたサディスティック・ミカ・バンドの1夜限りのライブの模様を中心に、レコーディング合宿やメンバーのインタビューで構成されてた。また、今野雄二氏や当時のジャケ写を撮っていた鋤田正義氏が久しぶりに登場し、結成時のミカ・バンドの思い出を語っているのも貴重だ。

ベースの小原礼氏が「幸宏はいつでも最先端を求めている。トノバン(加藤和彦氏)はいつも最高級を求めている。」と語ったのが印象的だった。実際に二人ともそのまま今まで通しているのだから。各メンバーのインタビューが随分と占めている中で、ギターの高中正義氏だけ一度もインタビュー場面が出て来ないのも、このバンドの性質を明快に伝えてくれて面白かった。

この再結成では加藤和彦氏の「直感」で木村カエラをミューズに迎えたそうだ。この映画を通して観る限り、その抜擢は大正解だったのではないだろうか。常に「お洒落で格好良い、冷めたロック」がこのバンドの最大の魅力だと思う。彼女もそのへんのツボを心得ているのか、見事にミカ・バンドの一員になっていた。ライブの最後「タイムマシンにおねがい」では、まるで自分がNHKホールで観ている気になっていた。

久しぶりに有楽町の中華料理店「慶楽」に入った。いつ行っても変わらぬ味と言うのは嬉しいものだ。
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焼売でビールを酌んで、メニューに載っていない「タイ風焼そば」を頼み、辛い調味油と酢をぶっかけて食す。あぁ,幸せ。

11月18日まで、京都国立博物館にて『狩野永徳』展が開催されている。天下人である信長、秀吉が好んで絵を描かせた永徳は桃山時代を代表する絵師であった。時に繊細に、時にダイナミックに描いた作風は後の画家たちにも大きな影響を与えた。

最後は働き過ぎの過労死ではないか、と伝えられているのだがその晩年期に秀吉が依頼した「檜図屏風」が凄い迫力である。
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ぐぅわんと曲がりくねった枝が何とも不気味な様相で広がっている巨大な檜の姿はカイカイキキ(怪々奇々)と呼ばれている。
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本展覧会では、「唐獅子図屏風」が宮内庁から、代表作である「洛中洛外図屏風」が米沢市の上杉博物館から運ばれてきてる。また、数年前に発見されたばかりの「洛外名所遊楽図屏風」も展示されているので、これは見逃せない。
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     洛外名所遊楽図屏風(上が左屏風、下が右屏風)
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他にもメトロポリタン美術館から里帰りした「四季花鳥図屏風」など金箔や金泥を多く使った作品に桃山時代の豪壮華麗な屏風画は、時代を牽引する戦国武将の覇気と栄華を映し出している。タイムマシンにおねがいして、時代をひとっ飛び出来るならば、永徳の絢爛豪華な障壁画や襖絵が全面に描かれた安土城、大阪城、聚楽第を一目拝みたいものだ。
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今回、織田信長を描いた絵も展示されている。僕はまだ「芸術新潮」誌の拡大図で観ただけだが、鋭い目力を感じるこの表情から信長の気性の荒さがひしひしと感じられた。
信長が永徳に依頼した「安土山図屏風」がローマ法王の元に届いた時は本能寺の変の後だったそうだ。そして、そのすぐ後には、秀吉の元で仕事に取りかかっている。そんな波乱の戦国時代を思い描こうとするのだが、どーも「ガスパッチョ!」のピエール瀧の姿が浮かんでしまう。

狩野派を代表する永徳の絵画をこれだけ一堂に集めた展覧会は初めてだそうである。今まで何故開催されなかったのだろうか、不思議だ。
本展覧会では、新発見作「洛外名所遊楽図屏風」ともう一つ吉野山の風俗を描いた「吉野山風俗図屏風」が初公開されるそうだ。

もうすぐ吉野の山も紅葉を迎える。あの圧倒的な迫力も見逃せない。
11月に入ったら京都、奈良と廻って時代をひとっ飛びしてみようか。
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by cafegent | 2007-10-30 18:39 | ひとりごと